もっとも美しい蓮の映画(『three seasons』) | 釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~

もっとも美しい蓮の映画(『three seasons』)

先日ブログに書いた「池中蓮華」展をのぞいてきました。
http://ameblo.jp/nibbaana/entry-10945829725.html

極楽浄土というより、強烈な死の匂い。
青く仄暗い光に、造形された蓮の花が白く浮かんで、
極楽鳥ロボットがかすかに機械音をたてながら動いていて、
壁に映写された月と雲がゆっくり動いている……。
子供なら泣き出すかもよ。
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仏典を読めば至るところに蓮の花が出てきますし、
仏教好きはおおむね蓮のイメージに取り憑かれていると思います。

東京在住だと、上野や、鎌倉・鶴ヶ丘八幡宮に蓮池があるのですが、
もっと見渡す限り蓮で覆われた理想の蓮池はないものだろうか。

ひとつは、映画の中にあります。
『季節の中で』という凡庸な邦題のついた、ベトナム・ハノイを舞台とした映画です。
原題は『Three Seasons』、ベトナム人のトニー・ブイが監督し、製作はアメリカ(1999年)。

主人公の女の子がね、蓮の花を摘む仕事なんです。
日本ではバカ高い蓮の花が、タイやベトナムに行くと安く売られていますが、
やはり蓮を栽培して摘む仕事があるんですね。
ハーヴェイ・カイテルが、ベトナム戦争のときベトナム女性に産ませた娘を
探しにやってきた男の役。
特に理由もなく見て、ストーリーは忘れてしまったけれど、
主役といってもいい蓮の美しさだけが記憶に焼きついています。





蓮池の中には庵があって、そこにハンセン病の詩人が住んでいるんです。

赤い花が降るラストシーンも、よかった。
仏典でも、大事なときにはよく花が降りますしね。

サンダンス映画祭の審査員グランプリ&観客賞を受賞したのですが、
その後のトニー・ブイ監督作品は話題になるでもなく・・・どうしているのかなあ。

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