釈尊直伝、怒り・欲望の抑え方(中部20経、「考想息止経」) | 釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~

釈尊直伝、怒り・欲望の抑え方(中部20経、「考想息止経」)

スマナサーラ長老の『怒らないこと』がベストセラーになって、
柳の下のドジョウを狙う自己啓発本も出ていたりしますが、
それだけ世の人はイライラしているんでしょうね。


「阿含経・中部」第20経、「考想息止経」を読んでいたら、
怒りや欲望などの不善の思い(貪・瞋・癡)が沸いてきたら
どうやってそれを消すかということが書かれていました。
実践的なので、明日からやってみようと思います。


============================


1.不善の思いが心に生起したら、
 その兆相とは別の、善を伴う兆相に意を注ぐべきである。



2.それでもまだ不善の思いが生起したら、
 その思い(がもたらす結末の)悲惨さを考察すべきである。



3.それでもまだ不善の思いが生起したら、
 それらの思いを思念せず、意を注がないようにすべきである。
  (見たくない物から目をそらすように放擲する)



4.それでもまだ不善の思いが生起したら、
 その思いを作り出してとどまるものはなにか、に意を注ぐべきである。
  (つくり出す縁、原因、根元は何かを考える)



5.それでもまだ不善の思いが生起したら、
 歯をくいしばって、心をもって心を強く抑え込むべきである。


                      (『中部経典Ⅰ』春秋社)

==============================


たとえば、ある人に対して怒りが沸いてきそうになったら、
明日からこんなふうに試してみようかな。


1.なにか別の善いこと・やさしいこと・清らかなことを考えよう。


2.そうして怒っていることは、結局、
 自分で自分をムダに苦しめているにすぎない。あほらしい。


3.もうその人のことを一切考えるのをやめよう


4.一体なぜ自分はその人を不快に思うのか。
 たとえば私が得るべき賞賛を彼が得ている、とか?
 私はなぜそんな賞賛が欲しいのか。賞賛などに何の意味があるのか。


5.それでもダメなら、歯をくいしばって怒りを抑え込む! 



古代インドに「歯をくいしばる」という表現があったのか?と思いますが、
お経に「歯をもって歯を置き、舌をもって上顎を打ち」と書いてあるんです。
おもしろいですね。 
 
 

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 仏教へ
にほんブログ村