手軽に読める律の本が出た(『律に学ぶ生き方の智慧』)
一般向けの律の本が出た! しかもたったの1050円。
律とは、僧団のこと細かな規則、罰則もある”法律”です。
そこから現代人が「生き方」を学ぼうというのだからシブい。
(よく「戒律」と言いますが、戒と律は別物です)
佐々木閑先生は、このブログに度々登場しますが、
もっとも古いとされる(異論もある)初期僧団の律
「パーリ律」を研究している仏教学者さん(花園大学教授)です。
さっそく買ったけれども、時間がなく、読むのはこれから。
でもきっと面白いよ!
前に、佐々木先生の律についての本『出家とは何か』に触れましたが、
「くしゃみをしたら周りはどう反応するか」などという規則まであって笑いました。
http://ameblo.jp/nibbaana/entry-10843490097.html
そこから、どう「生き方」を学ぶのか、楽しみです。
<新潮社のサイト>==========================
『律に学ぶ生き方の智慧』
「本当にやりたいこと」を実現するには、どうすればよいのか――?
日本仏教から失われた釈迦の教え「律」には、現代社会を幸せに生きるヒントが隠されている。
理系出身の仏教学者が、古代インドの宗教界から、
現代日本の科学や政治の問題まで、縦横無尽に行き来しながら、
「律」に秘められた釈迦の哲学をわかりやすく読み解く。
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日本では、三蔵(経・律・論)のなかで経(いわゆるお経)は
なじみが深いですが、律はほとんど関心を持たれていません。
というのは、日本は国家政策で仏教を取り入れたので、
僧団が国の法律と違う独自の法律を持っているのは困るということで、
律は無視したらしいんですね。
ですが、仏教は机上の空論ではなくて、実践哲学なので、
実は「行動規範」を決めた律に真髄がある、という人もいるのです。
それに、律は単に規則が羅列されてるのではなくて、
お経に書かれている教えもたくさん含まれていて、仏教ファンなら、
どうも「律に手を出して一人前」なのではないかと私は睨んでいるのですが。
今日買って、あとがきをパラリと見たら、編集者への謝辞がありました。
佐々木先生の著書をすべて読み、講演にも全参加、大学がある京都へも
足繁く通って、口説き落として書き下ろしてもらったんだそうです。
わたしも著書と最近の講演はクリアしてるけど、京都まで通ってはいません。
世の中、物好きっているものですね。
しかも企画が社内で通るとは、新潮社の底力を感じましたね。