世界は悲惨に満ちている | 釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~

世界は悲惨に満ちている

新聞に毎日、震災で「亡くなられた方々」のお名前と年齢が出ています。
80代の方から、5歳とか1歳とかの小さいお子さんもいます。


福島原発2号機のタービン建屋の地下にたまった水は
計器が振り切れるほどの放射能濃度を示し、
「東京電力の社員の1人は取材に対し悲鳴に近い声を上げた」(朝日新聞)。
もし大爆発を起こしたら・・・
東京在住で鈍感力に自信のある私でさえ、
底冷えするような恐怖感がせりあがってきます。


岩手のブランド鶏である「南部どり」100万羽にエサが届かず、

次々に衰弱死しているそうです。
私の親族でも、震災後の自粛ムードで
またたく間に会社解散に追い込まれた者がいます。


また、地震がなければトップニュースであったろうリビア。
カダフィ政権の政府軍が、ベンガジなど反体制拠点に進攻し、
逃げ惑う民間人を無差別に撃ち殺していると報道されています。
そのカダフィ軍を制圧すべく、NATO軍が空爆を続けています。
かつて行ったことがあるシリアでも大規模デモで死傷者が出ているとのこと。


釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~
27日、リビア中部ラスラヌフの石油精製施設近くで、対空火器を設置する反体制派


世界は悲惨に満ちている。
そのことを、ここ何年も忘れていました。


お釈迦さまが出家する前の有名なエピソード、
「四門出遊」をご存知かと思います。

城壁に囲まれた王宮で何不自由なく暮らしていたゴータマ王子が、
東西南北の門を出てみたら、
枯れ木のような老人がよろよろと歩いているわ、
病人は苦しみ悶えているわ、弔いで遺族が泣き叫んでいるわ、
いかにこの世が悲惨に満ちているかつくづく思い知ったと。


私はようやく門の外を覗き見て、この出発点にいるようです。


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