四天王のお仕事はなにか(「世記経」忉利天品その3)
明けましておめでとうございます。
時節柄、煩悩がなんで108と言われるのか調べていたら、
恐怖の分類フェチ哲学『倶舎論』の
98随眠(ずいめん)+10纏(じってん)を足して108という記述が多いようで・・。
これについては、まだ不勉強なのでやめておきましょう。
漢字が多くて面倒くさいし。
どうでもいい話ですが、2010年のいちおうの個人的目標、
『長阿含』の現代語訳を読み終わる、というのが
駆け込みで間に合いました。
しばらく後追いでメモしていきます。
『長阿含』「世記経」忉利天品の面白かったところ、その3。
お寺でよく見る「四天王」についてです。
よく「仏法を守護する」などと書かれていますが、
具体的にどうやって守るのでしょうか?
「忉利天品」によると、四天王のお仕事は、いわば「地回り」なんだそうです。
世間を回って、人々が正しく暮らしているか、
世間を回って帝釈天に報告するのが仕事なんですって。
「世間を調べて周り、民たちを視察せよ。
素直に父母に従い、恭しく沙門やバラモンに従い、
尊んで長老に仕え、斎戒や布施を行い、貧しい人々を救済
しているか否かを察知せよ」
それも、意外とシステマティックな視察で、
仏教の斎戒日(みんなで戒律を守る日)の「六斎日」が
地回りの日なんですって。
白月=月前半(1~15日)の8・14・15日
黒月=月後半(16~月末)の8・14・15日=23・29・30日
8日(8、23日)→四天王が使者に命じて視察させる
14日(14,29日)→四天王が太子に命じて視察させる
15日(15、30日)→四天王自らが視察する
そして四天王は、善法殿に赴いて帝釈天に報告します。
警察庁・所轄・交番みたいに組織化されてるんですねえ。
人々がきちんと暮らしていないと聞くと、
<帝釈天は憂いて不愉快となり
「ええっ、そうなのか。世の人々には悪人が多い(略)のであれば、
諸々の天神たちを減らし、阿修倫どもを増やすことになる」と言う。>
「ええっ、そうなのか」って…帝釈天は表情豊かですね。
視察中の四天王に町でバッタリ会ってみたいものです。

