ユングのマンダラ理解(「サンガジャパンvol3」その1)
ああ~、変に忙しくて込み入ったことを書くパワーがありません。
『サンガジャパンVol.3』が面白くて、いろいろメモしたいのですが・・。
とりあえず「ユングのマンダラ理解とその限界」、面白かった。
タイトルだけで面白そうでしょう?
ユングによると、精神を病んだ人に、マンダラのイメージが
出現することが多くあったんだそうです。
特に、統合失調症の患者が失見状態ーここはどこ?私は誰?状態ー
にあるとき、マンダライメージの出現頻度が高くなると。
(西欧だから、マンダラを見てイメージしてるわけではない)
密教のマンダラでも、精神障害者のマンダラでも、
同一のパターンが見いだせることから、
「これは全人類に共通する集合的無意識に由来する」
とユングは結論づけました。
たしかにマンダラを見てると、そんな気はしてきますわな。
しかし、筆者(正木晃氏)は、ユングの「個性化」という概念と、
密教マンダラの「自己は迷妄」という空の思想は、
根本的に逆方向だ、それが「ユングのマンダラ論の限界」である
と書いています。興味深いですね~。
めちゃくちゃ端折ってしまいました、
ぜひ「サンガジャパン」の現物を読んでいただきたく思います。
そういえば、南方熊楠もマンダラにハマってました。
最近は、なかばオカルト扱いのユングですが、
河合隼雄を通して村上春樹にも注入されていますし、
根深い人気はあるようですね。
「マンダラを瞑想する目的は、一個の人間と、もっと聖なる存在、
つまりホトケあるいは世界全体(宇宙全体)が、
実は同じものだという認識を、観念の次元でなく体験の次元で・・・」
と筆者は書かれています。
これってお釈迦さま以前のインドにあった「梵我一如」とは違うのでしょうか?
同じなら思想的先祖帰り? 違うならどこが違うのかな?
というのは、今後の課題としてとっておきます。

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