一つの世界に仏は1人だけ「自歓喜経」 | 釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~

一つの世界に仏は1人だけ「自歓喜経」

現代語訳『阿含経典 長阿含』第4巻の
自歓喜経」(長阿含 12巻・第14経)を読みました。

弟子の舎利弗(シャーリプトラ)が、ひたすらお釈迦さまを誉めちぎる、
という内容で、それほど印象的なところはありませんでした。
その中で、おっ!と思ったのが、下のフレーズです。


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仏は言った。
「過去の<悟った人>には私と並ぶ者がいたし、
未来の<正しく悟った人>にも私と並ぶ者がいるだろうが、
現在において2人の仏が世に出現するなどということはありえないからだ」

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(訳:神塚淑子氏)


もともとの仏教では
一つの世界に、同時に存在する仏は一人だけ」と決まっていた
ということは、よく仏教書に書いてあるのですが、
経典のどこに書いてあるのだろう?と思っていたら、
ここに書いてありました。

多界経」(パーリ中部115)に書いてあるという噂を聞きましたが、
まだそちらは読んでいないもので・・。


「仏は一人」なら、お釈迦さまが死んだあとは無如来状態である
→未来の仏・弥勒菩薩の成仏は56億7000万年も先である
→そんなに長い無如来状態には耐えられない!
→「世界に仏が一人」というなら「世界がたくさんある」ことにしよう
→別の世界に阿弥陀如来や薬師如来や諸仏がいることにしよう


というのが、大乗仏教の人たちが考えたパラダイム大転換だったわけですよね。
三千大世界、たくさんの世界が同時に存在するなら、如来も擁立しほうだいです。


ここで「そうだ! 同時にたくさんの世界があることにしよう」という
アイデアというか苦肉の策は、どのようにして出てきて、
どのようにオフィシャライズされたのでしょうね?
誰か言い出しっぺがいるのか、自然発生的に醸成されたのか・・・。



釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~  三千世界でググったら

                            外人のインディーズバンドみたいなのが出てきた。
http://www.myspace.com/3000worlds

でも、三千世界は1000の3乗だから、小世界が10億。

3000worldsでなくてa billion worlds だよね。


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