解説だけで感動の嵐。増谷版「阿含経典」その1
ミリンダ君は1巻でしばらく放り投げて、
名著と評判の『阿含経典』(増谷文雄訳・筑摩書房)第1巻を
いよいよ読み始めました。
まだ、冒頭の増谷先生の解説部分だけですが、
早くも感動の嵐!
1巻は、最初の4分の1(88P)が解説なのですが、
阿含経典とは何か、結集(経典編纂)はどのように行われたか、
その文学的形式は・・・などについて、
平易な言葉で、誰にでもわかるように解説してくれています。
原始経典といえども加筆・修正によって変遷してきたものです。
その中で「お釈迦さまが本当に言いたかったことは何か?」
を追い求める増谷先生の姿が伝わってきて
解説にも感動してしまったのです。
阿含経典は、パーリ語版・漢訳版ともいくつかに分けられます。
<パーリ五部>
長部・中部・相応部・増支部・小部
<漢訳四阿含>
長阿含・中阿含・雑阿含・増一阿含
増谷先生は、そのうち「相応部」(漢訳の雑阿含)にこそ、
お釈迦さま本来の教えにもっとも近くて重要なものだと
結論づけます。
例えば長部の傑作「大涅槃経」(お釈迦さまが亡くなるまでの
ロードムービー的お経)を、増谷先生が細かく解析したら、
「相応部」などから30数経を引いて編集されていることがわかって
おどろいたそうです。
だから増谷訳4巻は、相応部・雑阿含を中心に
現代語訳されています。
(岩波文庫の中村元訳「スッタニパータ」や「ダンマパダ」は
小部15経のうちに分類されます)
今後、しばらくは、この増谷本のことを
しつこくブログに書き連ねそうです。
日本で流行りの「般若心経」「歎異抄」を読むのもいいですけどね、
いっぺん「阿含経典」読んだほうがいいと思いますよ。いやホント。
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