そろそろ児童虐待も、無間地獄でどうでしょう? | 釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~

そろそろ児童虐待も、無間地獄でどうでしょう?

奈良県桜井市で、5歳の長男を餓死させた両親が、
今日、保護責任者遺棄致死罪で起訴されたそうです。
母親が自分で通報したから殺人罪を逃れたそうですが、
「部屋が手狭だから、2年間、ロフトに閉じ込めておいた」
などと、人間とは思えない所業です!


しかも、素晴らしいお寺が多く、古来神々の土地である桜井市で!


ほかにも、2歳の子をオーブンに入れて火傷させたりした末に、
ゴミ箱で窒息死させた親も裁判中です。
慈悲の心も忘れて「お前が死ねよ!」と言いたくなる親たちです。


ところで、初期仏教以来、仏教のもっとも重い罪「五逆」は、


・殺父(父を殺す) 
・殺母(母を殺す)
・殺阿羅漢(阿羅漢を殺す)
・破和合僧(教団を乱す) 
・出仏身血(仏身を傷つける)
です。
ひとつでも犯すと、地獄の最下層、無間地獄に落ちます。

「子どもを殺す」も入れて、六逆にしてくれませんかねえ?



釈迦むに・スーパースター ~仏教のつれづれ~  阿鼻(無間)地獄。


やはり、お釈迦様時代のインドにおいて、
幼児虐待=子殺しは、さほど悪いことではなかったんですよね。
古代どころか、インドの一部地域では、今でも女児の間引きが
行われているそうです。


もちろん日本でも、江戸時代(もっと後までか)の間引きは珍しくなかったし、
戦前の旧刑法では親殺しは通常の殺人罪より重い(尊属殺人)のに対して、

子殺しは傷害致死どまり。

戦前の東北では不作の年に、娘を吉原に売る売春斡旋の相談窓口を、

村役場が設けていたり。
「児童虐待」という概念自体が、現代の産物ということですよね。


日本最古の仏教説話集、『日本霊異記』(奈良末~平安初期)にも、
こんな話が出てきます。


母親が、いつまでも泣きやまない奇怪な子どもを抱いて、
行基(東大寺大仏建立に関わった僧)の説教を聞いていたら、
行基が「その子を河に投げ捨てろ」と。
そのとおり捨てたら、子どもが餓鬼の正体を現して、
「お前が前世で借りたカネを返さなかったから、
子どもに生まれ代わって財産を食い潰してやろうとしたのさ。ケケケ」
と言いましたとさ(記憶で書いてるので細部は違うかも
)。


因果応報の説話なのですが、
行基さん、泣く子を殺せ、と命じますか!と思うのは現代の感覚で、

当時の庶民の仏教理解を生々しく伝えています。

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さらに言うと、『古事記』の「国生み神話」。
初めての夫婦神イザナギとイザナミがセックスするのですが、
妻から「しよう」と誘ったために、生まれた子どもが「ヒルコ」。
「ヒルに似ていたので、アシ船に乗せて流しました」
と、障害児(未熟児?)をあっさり1行で溺死させましたとさ。
これは、「女から誘っちゃダメ」ということと、
障害児・未熟児は殺してOKという教訓ですね。


仏教も神話も、時代の産物である以上、
仏教の「五逆」に児童虐待が入ってないのは自然なことです。
が!
そろそろ子殺しを「六逆」目に認定しちゃダメですかねえ?

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