自殺・貧困シンポ大盛況、鳩山総理まで来ました | 釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~

自殺・貧困シンポ大盛況、鳩山総理まで来ました

少し前のブログで書いたシンポジウム「自殺と貧困から見えてくる日本」に行ってきました(別に仏教イベントではないのですが)。
驚いたことに、定員800人の会場は満席。
昨日になって、急遽、「鳩山総理が来る」とメールが回ったせいもあるでしょう。

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自殺シンポ、遺児らが体験談…首相も出席


 自殺と貧困問題を考えるシンポジウム「自殺と貧困から見えてくる日本」(NPO法人自殺対策支援センターライフリンクなど主催)が10日、東京都千代田区の日本教育会館で開かれた。


 夫を過労自殺で亡くした女性や、自殺で父親を亡くした遺児らが体験談を語る中、出席した鳩山首相は「貧困問題を解決していけば、自殺問題も解決の光明を見いだしていける部分がある」と述べ、「雇用対策の充実は政府の大きなテーマだ」と強調した。

 国内の自殺者は昨年まで12年連続で3万人超を記録しており、内閣府は今月を「自殺対策強化月間」に指定して、中高年男性を対象にした「睡眠キャンペーン」や、各地のハローワークでの心の健康相談などを実施している。

(2010年3月10日21時45分 読売新聞)


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主催者「ライフリンク」の代表・清水康之さんは、

内閣府参与として自殺対策チームに入っていて、
だから鳩山首相・長妻厚労相・福島瑞穂(自殺対策担当大臣)も挨拶をしました。



釈迦むに・スーパースター ~仏教のつれづれ~  清水さん。NHKを辞めてNPO設立。


パネルディスカッションの司会は、

寺ネット・サンガの僧侶・中下大樹さん(真宗大谷派)。
パネリストは、清水康之さん、反貧困ネットワーク代表・湯浅誠さん、

精神科医・香山リカさん。

清水さんも湯浅さんも中下さんも、地味にコツコツと活動してきた方。
ここまでの大きな動きにしたねばり腰に、本当に頭が下がります。


中下さんの寺ネットサンガは、まだ小さなNPOだと思いますが、

「生老病死のかけ込み寺」を目指す宗派を超えた組織で、

葬式代が出せない生活保護受給者やホームレスの葬儀をする
「葬送支援ネットワーク」などの活動もしています。


生活保護受給者は、葬送扶助費(東京都だと19.9万円)が

支給されるのですが(知らなかった!)、何の供養もなく、
機械的に火葬されるだけなんですって。
そこで、「葬送支援ネットワーク」が約20万円を一時的に立て替え、

お坊さんたちが読経・花・遺影などで弔いをするそうです。

もちろんお坊さんは儲からず、事実上ボランティアですよね。


日本の仏教はよく「葬式仏教」と非難されたりしますが、
誰かが本で「葬式を押さえてるのは捨てたもんじゃない」と書いていました。
初詣とか、クリスマス・結婚式は他の宗教でも、
「死」という極限の儀式は「仏教で」と考える人が多いわけですから。


そこから、「死」より少し前の「老」「病」などに遡っていければ、
かなり可能性は広がるのではないか、と。


ところで、「毎年、自殺者3万人以上」が、どのぐらいの数かピンときますか?
シンポジウムで、ライフリンクの清水さんが流したのは、
「東京マラソン」の映像です。



釈迦むに・スーパースター ~仏教のつれづれ~


都庁前の道路を埋め尽くして、スタートに20分かかる、
その大群衆の数が、3万2000人です(2010年)。
これだけの人が、自殺する・・・と映像で見ると、
けっこう背筋が寒くなりました。

清水さんは、元NHKディレクターだけあって、
そのへんの見せ方がプロでした。

仏教好きの文化人類学者・上田紀行氏との共著も出たばかりです。

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