沙羅、マンダーラヴァ花・・「仏典の植物」
仏典を読んでいると、いろいろな花や樹が出てきますよね。
清らかな心を表すのに、泥から生えていても穢れることのない蓮が
しょっちゅう出てきて、これはわかるとしても、
他に「どういう花なんだろう?」と思うものもたくさんあります。
たとえば、お釈迦さまが最期、沙羅双樹(2本の沙羅)に横たわったときの、
めくるめくような描写。
「さて、そのとき沙羅双樹が、時ならぬのに花が咲き、満開となった。
それらの花は修行完成者に供養するために、修行完成者の体にふりかかり、
降り注ぎ、散り注いだ。
また天のマンダーラヴァ華は虚空から降ってきて、修行完成者に供養するために、
修行完成者の体にふりかかり、降り注ぎ、散り注いだ。
天の栴檀(せんだん)の粉末は虚空から降ってきて、修行完成者に供養するために、修行完成者の体にふりかかり、降り注ぎ、散り注いだ。
天の楽器は修行完成者に供養するために、虚空に奏でられた。
天の合唱は、修行完成者に供養するために、虚空で起こった。」
(中村元訳)
降り注ぐ花の中で涅槃に入るお釈迦さま。
夢のように美しいシーンです・・・。
これに出てくる花の画像を調べてみました。
→※その後、「これは沙羅じゃないかもしれない」
という疑問がわき・・・翌日のブログに書きました。
(あと、このときに鳴った「天上の音楽」はどんなのだったのでしょうか。
古代インドでも、やっぱりシタール系なんでしょうか)
これらの植物を集めた、まさに『仏典の植物』という本があるそうです。
著者は材木の研究者(ベニヤの本とか書いてる)。
でも、惜しいかな写真がモノクロなんですって・・・。
あと、これは私が昔買って持っているのですが、
小笠原流が出版した『蓮のいけばな』。
すべてが蓮のいけばなの写真で、
蓮をめぐる文化の歴史も書いてあって、楽しめます。
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