鳩山さん、ガンジーでいいの?「ブッダとそのダンマ」
今日、鳩山さんが施政方針演説で、ガンジーの「7つの社会的大罪」を
引き合いに出したそうです。その「大罪」とは以下の7つです。
1)理念なき政治 2)労働なき富貴
3)良心なき快楽 4)人格なき学識
5)道徳なき商売 6)人性なき科学
7)献身なき宗教
もしアンべードカルさんだったら、「じゃあ『根拠なき差別』は大罪じゃないのか?」
と詰め寄ったかもしれません。
歴史上の偉人とされるガンジーですが、激しく対立した人として、
インドの政治家&仏教への大量改宗を指導した、B・R・アンベードカルがいます。
アンベードカルは、いわゆる”不可触賎民”のマハール=カーストに生まれて、
壮絶な差別のなかでがんばって勉強し、米・コロンビア大学に留学して、
ガンジー死後に法務大臣まで努めた人です。
インドの不可触賎民差別というのは、ほんとうに凄まじく、
公共の井戸も使えなきゃ、ヒンズー教寺院への立ち入りも禁止。
「神様は、あんたたちを救いませんから」という前提ですから、
アメリカの黒人差別どころではないですよ。
アンベードガルは不可触賎民の解放のしかたについて、
ガンジーと真っ向から対立します。
不可触賎民の地位向上のために、彼ら用の保留議席が必要だとする
アンベードカル。
それに対して、ガンジーは「そんなことをしたらヒンズー教徒が分裂して、
イギリスの植民地政策の思う壷だ」と反対します。
また、アンベードガルが「差別撤廃にはカースト制とヒンズー教自体を打倒すべき」
と考えたのに対して、ガンジーは「不可触賎民制はヒンズー教そのものとは関係なく、カーストの懺悔・改心によって差別は廃絶される」と主張します。
アンベードカルは、ヒンズー教徒のまま差別撤廃運動をしていたのですが、
「もうこりゃアカン」と悟って棄教。
「ブッダはカーストによる差別を否定した」ということで、
亡くなる直前に仏教徒に改宗します。
その改宗儀式の日、集まった30~50万人のインド人が、仏教に改宗したそうです。
で、そのアンベードカルが亡くなる直前に書いた
お釈迦さまの生涯が、『ブッダとそのダンマ』です。
なんと光文社新書。2004年に待望の復刻再刊がなされました。
『JJ』を出してる会社で、この企画をなしとげた編集者・小松さんと、
通した会社に拍手1万回を送ります。
これは、とても読みやすく、お釈迦さまの生涯と教えがわかります。
現代インド仏教徒の、バイブル的存在だそうです。
(インドには、本物の仏教バイブルが死ぬほどあるのにねぇ)
いくぶん、民主主義と政治的平等のためにお釈迦さまをダシにした?
という雰囲気を感じるところもありますが、
現代物でとても読みやすい形でお釈迦さまの生涯がわかりました。
鳩山さん、アンベードガルはたぶんご存知ないですよね~。
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