「無」の物理学
何年ぶりかで、科学雑誌「ニュートン」(2010年2月号)を買いました.
特集は「『無』の物理学」。
副題に「『空っぽの空間』は、本当に空っぽなのだろうか・・・」
とあります。
たとえ仏教と何ら関係なくても、
「無」とか「空」という文字にピクリと反応してしまうのです。
- Newton(ニュートン) 2010年 02月号 [雑誌]/著者不明
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=特集の序文=======================
「無は、ほんとうにしてはあまりにすばらしすぎる」。
19世紀のイギリスの物理学者マイケル・ファラデーは
このようにのべたという。
物理学の発展につれて、「無」はますます重要になりつつある。
「無」が素粒子を生み出す。
「無」がエネルギーを持っている。
「無」が宇宙を誕生させる・・・。
これらはいずれも、現代の物理学が導き出した
”まっとう”な結論だ。
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すべての物質(原子、分子、素粒子)を取り除いた、
何もない「からっぽな空間」=「無の空間」を仮定します。
ところが、何もないはずの空間に、
ほんの一瞬のエネルギーが存在し、そのエネルギーを使って、
無数の素粒子(=物質の最小単位)が、
沸騰するように湧き出すというのです。
その素粒子(仮想粒子)の寿命はものすごく短く、
10の22乗分の1秒=「1秒÷1兆÷100億」秒ぐらい!
どんだけ短いのか、想像もつきませんが、
そのスピードで誕生と消滅をくりかえしているそうなんです。
仏教でいう「刹那」=75分の1秒=より、
もう、ずーっとずーっと短いんですねぇ。
しかも、その素粒子は「もの」ではなくて、
「場」にエネルギーが集中して一つ二つと数えられるようになる
「こと」を指すのです。
「無の空間」は何もないけれど「場」で満たされていて、
「もの」ではない「こと」としての素粒子が無数に沸き立っている。
このあたり、なにやら宗教的であります。
で、全宇宙がもつエネルギーのうち、
「銀河=星や銀河をつくる通常の物質」は4%にすぎず、
「目に見えない暗黒物質」が23%。
残りの73%は「無の空間が持つエネルギー」だそうです。
私たちの住む宇宙は、時空(時間と空間)さえ存在しない
「無」から、ひょっこり誕生したんだそうです。
さっぱりわかりませんね!

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