アバンギャルドな「仏陀銀行」
CSの経済番組を見ていたら、
「仏陀銀行」という新しい試みが紹介されていました。
仏教界の方なら、すでに知ってるのかもしれませんが。
「仏陀銀行」はNPO法人「四方僧伽」(井本勝幸代表)が
アジア諸国で取り組んでいる小規模融資事業です。
その最大の特色は「利子の否定」にあります。
BD(ボーディ=目覚め)というクールな名前の地域通貨を作り、
利子の代わりに、貸しだし金の一割を地域で使えるチケットにします。
そして、地域での「はたらき」をやり取りするのだそうです。
「利子」が貧富の差を拡大する諸悪の根源、という考え方なのですね。
カソリックでは建前上は19世紀まで利子を認めなかったそうだし、
イスラム法でも「利子の禁止」が明記されています。
仏教国では普通に利子を取ってきたと思いますが、
現代に利子否定の「仏陀銀行」ができたのは興味深いことです。
小規模融資(マイクロクレジット)というと、
すぐ思い出すのはバングラディッシュで1983年に設立された
「グラミン銀行」です。
設立者のムハマド・ユヌス総裁はノーベル平和賞も取って、
現在は2500もの支店があるとか。
グラミン銀行は貧困者の自立に大いに貢献しましたが、
実はビジネスモデルとしてすごくうまくできてるんですよね。
だって利子が年率20%近いというから、日本のサラ金並みです。
(でも同国では年利100%とかのヤミ金ばりの金貸ししか
なかったそうなので、十分良心的なわけです)
グラミン銀行はマジメに返す女性への融資が9割以上で、
5人のグループを作るのが条件。
つまり「連帯保証人が4人いる高利貸し」ですから、
それは儲かるわけで、
結果として急拡大して多大な社会貢献ができたわけです。
その点、「仏陀銀行」は現代社会に対してよりアバンギャルドで
理想が崇高だと思われますが、
そのぶん現実的に茨の道が予想され・・・。
何はともあれ、「仏陀銀行」、興味深い取り組みです。
(ネット上にyukahanaさんという方が作った四方僧伽のCMが
あったので貼ってみました)
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