ブッダ 大いなる旅路2 ミャンマー編 | 釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~

ブッダ 大いなる旅路2 ミャンマー編

NHKスペシャル「ブッダ 大いなる旅路②」のミャンマー編、
「ミャンマー 黄金のパゴダ」をDVDで見ました。


パゴダ(=仏塔=仏舎利をおさめてあるところ)は、
ミャンマーでは釈迦が住むところとされています。
在家信者にとっては、パゴダ作りにお金や労力を
差出すことが、最高の善行だと信じられているそうです。


釈迦むに・スーパースター ~仏教のつれづれ~



◆「善行」を貯金しないと間に合わない!


番組では、とある極貧の村のパゴダ作りを映し出します。
村の誰かがお金を貯めて「パゴダ作るぞ」と呼びかけ、
村人たちが総出で石を運んだり、
学校も休みになって子供たちも毎日手伝います。


貧しい中から貯めたカネをパゴダにつぎ込んだ「呼びかけ人」は
こんなことを言っていました。


「友達が若くして死んだときに、思ったんだ。
善い行いを早くしないと、いつ死ぬかわからない。
早くしないと間に合わない」。


よい行いをすれば、よい輪廻ができる。
来世は、前世で行った「善行の量」で決まる
と信じられているというのです。
つまり、「善行の貯金」です。


番組では、さらに、貧しいおばあさんを取り上げます。
今まで農業と子育てで必死だったから、
年を取った今から善行をしなければ間に合わない。
といって、おばあさんは、毎日1人で、道路の整備をしています。


道路といっても、デコボコの、細い土の道です。
おばあさんは1人で、土埃があがる道端に座り込んで、
貧しいほうきで、黙々と土を掻して道をならします。
1日も休まずに。誰にもねぎらわれずに

通りがかった人は、「ごくろうさま」とも言いません。
おばあさんは、自分の「よい輪廻」のためにやってるのだから、
別に礼なんか言わなくてもいいんだそうです。


このおばあさんの姿は、忘れられません。
「善い行い」をしたい、という気持ちになったとき、
黙々と土を掻く姿が脳裏に浮かびます。


11~13世紀に存在した「バガン王朝」は、
5000ものバゴダを建てて、お金を使い果たしたあげくに、
異民族に攻め込まれて滅亡してしまいます。
おびただしい数のバゴダが残るバガンは、
世界三大仏教遺跡のひとつらしいですが、行ってみたいなあ。
今のミャンマーに行くのは危ないのかしら。



釈迦むに・スーパースター ~仏教のつれづれ~  バゴダだらけのバガン。行ってみたいな。
 


◆ 来世がなければ、善行の担保はなにか?


今回の番組を見て、疑問に思ったこと。


善行の貯金をしないと、来世がヤバい!
早くしないと死に間に合わない
!」
という感覚は、ほとんど強迫観念のように見えました。
それはそれで、執着であり、苦の原因のように
思えたのですが、そんなことないのでしょうか?


私たちは、「いま貯金しないと老後がヤバい」
という不安にとらわれますが、あれに似てるような・・・。


もう一つの疑問は、私にとってもっと重大。
現代に生きる私は、さすがに「輪廻」「来世」を信じられません。
その場合、いかにして「善行」は動機付けられるのか?と。
現代人にとって、「善行」の担保は何なのか?


これから勉強しながら、じっくり考えたいと思います。






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