『犀の角たち』 仏教は合理的でクールで都会的である | 釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~

『犀の角たち』 仏教は合理的でクールで都会的である



「科学と仏教」というと、BGMにシタールのCDを流して

マリファナを一発キメながら「マンダラって量子力学だよね~」

みたいな話を思い浮かべがちです。


でも、お釈迦さまが考えたことは、そういう神秘的で釈迦むに・スーパースター ~そのうち悟りたい~-佐々木閑著(大蔵出版、2006年)

アバウトな話ではなくて、むしろ全く逆らしいのです。

この『犀の角たち』(大蔵出版、2006年)を読んで、

お釈迦さまの合理的でクールなカッコよさを知りました。


著者の佐々木閑氏(今後このブログで何度も出てきそうです)は、

もともと科学者を目指していた理系の人です。

実家がお寺だったので、あまり好きでなかった仏教学者に転じるのですが、

そのうち、初期の仏教は科学とかなり近いじゃん! と気づいたそうです。


この本は、物理学・生物学・数学の歴史を延々と書いて、

「仏教の話いつすんの?」と思ったところで、

満を持して釈迦むに・スーパースターが登場します。


すると、お釈迦さまは科学者とそっくりであることがわかるんです。

この世界は、超越的な神様が創ったり動かしているのではない、

ある法則(=真理)にのっとって動いているのだ、と。


「この言葉を唱えれば救われる」とか「死後に復活して奇跡を起こした」とか、

そういう信仰があってもいいとは思いますが、

私なんかは「そんなわけねーじゃん」と突っ込んでしまいます。

ひねくれた現代人ですから・・・。

そういう方は、この本を読むと、きっと釈迦むにのファンになります。