今日はトロンボーンを吹かれる方に多くみられる肩の痛みについて書きます。
こんにちは。
トロンボーン奏者でアレクサンダーテクニーク教師資格取得中のかたさんです。
【右と左の違い】
両腕を上下から背中に回し、後ろで手をつなぐ動きありますよね。
あれ出来ますか?
更にいうと、右腕が上の時の方が逆の場合よりも手と手の間が広いです。
これは上になる右ではなく下から背中に回した左腕に問題があるのです。
左腕が右腕に比べると動きが硬く、背中の上の方まで届く位置が低いです。
これには理由あります。
【肩の痛み】
私かたさんは、一時期肩(肩甲上腕関節辺り)がひどく痛かったです。
左も痛くなった時期ありましたが、右ほど痛まず期間も短かったです。
五十肩かなと思っていたのですが、腕はしっかりと動き上がるし、
さて、痛みは右の方が強いのに、動きの悪さは左。なぜ左の腕は背中に回り難いのでしょう。
左腕の動きの悪さ、これは実は楽器と関係しています。
【トロンボーン奏者特有の肩】
トロンボーンを構える時の支えは、左腕がメインとなります。
右腕でも持ちますが、演奏中スライドを動かすのが右腕の大きい役割に対し、左腕は楽器の支えになります。
この思考の極端なものが世の中では主流の考え方で、「トロンボーンは左腕一本で支える」になっているのです。
実はこの考え方が腕の動きの悪さを作っているのです。
左腕一本神話を長らく実行してきた私も含め世の中のトロンボーン奏者は、恐らく一度は「左腕を固める」「左腕を動かさない」なんていう言葉を聞いたり意識してきたこと、あるのではないでしょうか。
演奏するのに有利に楽器を構えるため、グラグラしていては確かに良くないです。
しかし腕を固めてしまうと、左腕中心に楽器を構えることになってしまいます。
よく肩が上がって見える人いますが、この構えで多いのがそのパターンです。
そして、不自然に楽器の方に首を傾けているのも多い傾向です。
これは、左腕中心の考え方に体が反応している証拠と言えますね。
こうなった時、体にはどのような動きが起きているでしょう。
【左腕一本神話による弊害】
先ほどのような構え、
この形だけを直そうと思っても、意識が「左腕をしっかり固める」と思っている以上なかなか直りません。
そしてこれのせいで起こる弊害が、冒頭に話した肩の痛みとなるのです。
腕を固めようとすると、腕を胴体部に引き付けようとします。
肩甲骨は背中中央に引き寄せられ肩こりや背中痛みにつながり、そして腕全体を引き込む動きは腕の内転になるので、それに使われる胸筋も同じくずっと緊張しています。
そして大事なこと。
見た目肩が上がって見えるのですが、実は同時に頭も押し下げているのです。
頭を押し下げる動き、これはもれなく首をぎゅっと固めます。
頭の押し下げと腕の引き込み、これにより肩が上がる動きとなって表面に現れます。
そしてもう一つ。
この動きをすると、肩が前に出る動きも見えます。
しかしこれも違う見方をすると、胸を押し下げ後ろ方向に引き込む動きがあるのです。
胸が下に後ろに動くので、結果的に肩が前に出ます。
これら、身体にとって不自然な動きで楽器を構え続けた結果、肩甲上腕関節の可動域と柔軟性は失われ、背中に手を回す動きに制限を作ってしまい
【全部は繋がっている】
また、固められた首、胸、腕は呼吸にかなりの影響を与えます。
そりゃそうですよね。呼吸に肋骨の動きは必要なので、その周りの筋肉を固めてしまえば呼吸が悪くなるのは当然です。
という事は、呼吸を良くすることに腕の使い方が関わっているということでもあります。
やはり、身体全部は繋がっているのです。
安定した音を出すために必要な楽器の支えに左腕が大切なのは言うまでもありませんが、固める必要は全くありません。
いつでも動ける状態にしておく方が、演奏上にも将来的にも良い事が多いのです。
そのために最優先に意識することが、アレクサンダーの発見でもある頭と脊椎の関係です。
頭が脊椎の上で動けるようにすれば、自ずと脊椎も動けるようになります。
そうなれば、直接つながっている呼吸システムは良くなるでしょうし、それにつながる四肢も動きやすくなります。
アレクサンダーテクニークでは、これを『使い方が機能に影響を及ぼす』と言います。
意識することは
・頭が動けること
・その動きに身体全部が共にあること
・腕の始まりは胸鎖関節からなので、身体の前から腕が生えていて動けること
・関節全部がいつでも動ける状態であること
もちろん、他にも意識出来る事はいっぱいありますよ。
もっと知りたい方は、是非私のワークショップにお越しください。
意識と身体の関係が、よくわかると思います。
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