事業規模拡大のための経営者の3要件
ここで以下を読む際の条件として、規模拡大を望まないなら参考にしない方が、その階段を上がっていかない方がリスクは低いでしょう。
それが本心ならです。
士業の場合、「先生」と言われて、「いい仕事をしたら感謝される」というコンフォートゾーン(心地よい場所)がありますので、なかなか、階段を上がっていくのには難しいものがあります。
だからこそ、階段を上がっていけば、そこは競争のない無風状態になります。
*器を広げるか?の問いに正しく答えること
これは、具体的にケーススタデイでどの段階でどのようなお尋ねが神様からきているかを説明します。
いや、お尋ねとしては、常に、来ているのですが、ちょうどそのステップに合致するものに的確にこたえていく必要があります。
それでいいのです。何段かを一気に飛ばしてのランクアップは、普通に考えると無理があります。(それでの成功の可能性が0%とは言いません)。
この問いには、大きな決断の要る「ルビコン川」のパターンと、「ちょっとした分かれ道」で差のつくパターンがあります。
その際に、間違った選択をしてしまう要因はビジョン設定などの大きな間違いではなく、このままでいいという自分の心(イドという。後段で説明します。)
書籍ではよく「コンフォートゾーンに留まりたいという心理」と解説されているものです。
*人間力と合理性
「論語とそろばん」「パーパス経営」など2軸で進むという考え方が他の経営指南書にも解説されています。(考え方としては流行りですね)。
しかし、この人間性の説明が難しいのです。
「合理性」はいいでしょう。問題は「人間力」です。
狭義には「男気」のようなものであり、広義には「常識的なマナー」と言えます。
売上を得るということは自社商品のベネフイットとの交換ということになりますが、実は人は自分の利益だけでは動きません。
人間性とは人を動かす技術ということが出来ます。
これも「ちょっとした分かれ道」で差のつくパターンで説明します。
例えば、トヨタの豊田章夫会長は今でも休日に開催されるレースに一般人に交じって参加して、レース後の懇親会にも参加されています。
そこでは、「章夫さん」と呼んでくれと言います。出来る社長はこのように過去からの義理を大切にします。
そんなこと聞くといかなり事件があったとしてもトヨタがつぶれるなんて言えないものです。
これの逆が「人の気持ちが分からないタイプ」です。
これも前述の器を広げるトレーニングの過程で鍛えていけばいい才能です。
ただし、人間力がないと「ちょっとした分かれ道」でそっちに乗っていかない懸念があります。
よって、この人間力が最も鍵になる要素です。
*ボクシングをするようなもの
ここで言いたいことは、ガードを上げっぱなしでは、事業というのは広がりませんよということ。
いわゆる「しょっぱい試合」で人生終わります。
ガードを下げて打ち合う気持ちがなければだめです。
具体的に言うと、その話乗ってやろうという一種の遊び心が必要ですし、そこで、騙されないために日頃からトレーニングしておかないといけません。
投資の格言にも「細かな損を積み重ねておけ」というのがあります。こういうマインドのない人ほど、致命的なウソに引っかかります。
そこで、役に立つのは、人生観やいっそ雑学であり、決して、コンサルティングの技術的なことではありません。
しかし、ボクシングをするからには、下位の選手のラッキーパンチを浴びてノックアウトされる一抹のリスクも許容しないといけません。
それが事業拡大の本質です。ただ、そのリスクを下げる方法も後段で説明しています。
続く
これが履歴です。
続く
以下の書籍を基本テキストといています。