「ハニー。朝だよ」
甘い声が聞こえてくる。
その声色をずっと聞いていたくて、ついまだ残っている眠気に意識を委ねようとした時、
私の頬に、チュッと軽い音と共に、温かな感触が聞こえてきた。
「んっ」
「起きてくれた?」
「…はい」
「そんなに気持ち良い?オレのベッドは」
くすくすと、微笑む声に惹かれて、声の方を向くと…
朝日にも負けない美しい笑顔の恋人の姿。
「寝起きに…悪いです」
「ん?何?」
「いえ…素敵で…」
「嬉しいね。ハニーに、そう思われるなんて」
「…ドキドキが…」
「診てあげようか?」
「いえっ」
「あははっ。朝食、作ったから食べようか」
「あっ。ありがとうございます」
恋人の声に誘われて、身を起こすと、さっと体は抱き上げられてしまった。
その時。
ふわりと良い香りがして、くくんっ、と鼻を鳴らしてしまうと…
再度キスを落とされた。
_____蕩けてしまいそう。
テーブルの上には、色々な種類のロールパンサンドイッチがあった。
「凄いです」
「色々あるからね。ハニーの可愛さが増してしまったら、
どうしようかと思うけど…奪われない様にするから、
もっと栄養をとって可愛くなって」
「…はい」
そのまま、恋人の膝上に抱えられたまま、
朝食を食べることになってしまった。
この時間は、普段忙しい恋人との大切なモノだと思いつつ、
その頬を両手で包み込んで、軽く力を入れて、引き寄せると…感謝のキスを贈った。
「ダーリン。大好きです」
「オレもだよ」
もっと。
止まらずに、続いて欲しい。
大切な人との時間が…。