にぃの思い出 ⑥ | goronyan日記

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ずっと書き続けていた日記帳を廃止。
自分が突然この世からいなくなっても、ネット上なら自然消滅してくれるから…。

私が里帰り出産をしたのは2月。


さすがに自由なにぃも雪の多い冬は出歩かない。

こたつ守りだ。


にぃは生まれたての赤ん坊を遠巻きに観察していた。

近づいてはいけないと、わかっているかのように、赤ん坊の近くには来なかった。

本当にお利口さん。



お利口さんすぎて……



産休明けてすぐに職場復帰した。

その頃は託児所もなく、義母が子守り。

そういう家が多かった。


ところが復帰後間もなく義母が骨折して入院となってしまった。


仕事を休むという選択肢はなく…うちの会社には育休もなかったのかな?

世の中にもなかった?

あっても取る人いなかった?

私が無知だったのかな。


実家に預けるしかなかった。



母はずぼらでがさつで、ホントにいい加減な人なので心配だった。

まぁそれでも嫁ぎ先の大事な長男だと思ってか、母なりに懸命だったのだろう。



にぃがいつものように母にまとわりつくと「お前の相手してる暇はない」「お前はもう爺さんなんだから大人しくしていろ」みたいなことを言ったそうだ。



にぃがいなくなった。


何ヵ月も家出した時みたいに、きっとまた帰って来る。そう思っていたけど、いつまで経っても帰って来なかった。


探し歩いたけど、誰も見かけたと言う人もなく、そのまま時は流れてまた雪の季節になった。


猫は死ぬ時、姿をくらますと聞いたことがあるけど、別に病気もしていなかったし、大年寄りでもなかった。

喧嘩で負けて、どこかで死んじゃったのかな。


でも私は、きっと母の言葉に傷ついたんじゃないかな、と思った。

母のことが大好きだったのに邪険にされて、もう自分のいる場所がないと思ったんじゃないかな。


そうだったらかわいそう。

勝手に拾って可愛がって、最後がそれじゃかわいそうすぎる。


にぃのことはずっと忘れない。


その後、猫を飼うことはなかった。

あんな思いは二度としたくない。

猫にも失礼だ。

私に猫を飼う資格はない。


私の猫は生涯にぃだけ。



昔の写真をスマホ撮りしたから画質悪い



おしまい(たぶん)