友達にこの人の本が面白い、と聞き、図書館に行って
検索をかけたら、どれも、貸し出し中。
人気のある作家なんだなあ。
で、借りれました。読みました。
以後、感想。
主人公は田口公平。物語はこの人の語り口で、ずーっと続いていく。
彼は不定愁訴外来というのを担当しているお医者さん。
『不定愁訴とは、軽微だが根強く患者に居座り続け、検査しても器質的な
原因が見つからない些細な症状全般を指す。・・(中略)・・その一般的な処方箋は
「聞き流す」もしくは「放っておく」である』と。だから、陰では”愚痴外来”と呼ばれているらしい。
そんなお医者さんの描写だからか、他の登場人物も個性的で、行動・言動が
活き活きと描かれていて、読んでいて想像するのがとっても面白かった。
題名に付けられているバチスタとは、バチスタ手術からとられたもの。
『バチスタ手術は学術的な正式名称を「左心室縮小形成術」という。一般的には
正式名称より創始者R.バチスタ博士の名を冠した俗称の方が通りが良い。
拡張型心筋症に対する手術術式である』とあるように、人間の生命活動の中心
である心臓手術の話だから、取り扱われている話題は生死にかかわる問題で思い。
でもでも、田口先生の人柄によるのか、リズムがよくどんどん読める。
途中から登場する白鳥圭輔が、また、ナイスなキャラクターだ。白鳥はロジカルモンスター
とか、火喰い鳥とか呼ばれている。頭はすごくいいんだろうね。
最後まで、ドキドキしながら、考えさせられながら、行間に吹き出しながら読んだ。
お勧めな本です。