共同通信などが26、27両日に実施した世論調査で内閣支持率が60%前後だったことについての野田幹事長の分析の結論は 「与党は失態続き」だそうである。何も考える力のない、戦略も政策もない民進党らしい結論である。そもそも安倍首相とトランプ次期米国大統領の非公式会談を朝貢外交だと揶揄し、与党の外交を米国追従外交だと常時非難していながら、トランプ氏がTPP不参加を発表すると日本の国会でのTPP審議は無意味だといだす民進党である。世論調査において内閣支持率60%の結果を見て自分達が内閣攻撃につかった論旨がまったく無意味であったらしいので、次は何言おうかすぐには思い浮かばず、 とりあえず「失態続き」というレッテル貼をして、その中身は後から考えようということらしい。

 

引用http://www.sankei.com/politics/news/161128/plt1611280023-n1.html

『民進・野田佳彦幹事長 内閣支持率60%を分析「首脳会談が評価につながっているかもしれないが、失態続きだ」』

民進党の野田佳彦幹事長は28日の記者会見で、共同通信などが26、27両日に実施した世論調査で内閣支持率が60%前後だったことについて「外的な要因で円安、株高の状況が生まれていることと、安倍晋三首相がドナルド・トランプ次期米大統領を含め、ひんぱんに各国の首脳と会ったりしている動きが、一定の評価にもしかするとつながっているのだろう」と分析した。

その上で「誰かと会っても成果を上げているのではなく、むしろ失態と思えるようなことが続いている。国会の中で追及することで評価が変わる。その『正体』を明らかにするのがわれわれの役割だ」と述べた。

引用終わり

 

「外的な要因で円安、株高の状況」は野田幹事長が「円安 株高を内閣の功績にしたくない」というための言にすぎない。経済について自分の頭で考えられる人間なら、国際経済であろうと国内経済であろうと開放系であるから、日本の行政府の政策一つで「円安 株高」が誘導できるなどと初めから考えていない。民進党はこんな簡単なことを分かっているのか分かっていないのか不明だが、とにかく何か言いたいから「外的要因」で内閣支持率上昇ということにする。そして「円高 株安」が生起すると、今度は「行政府の失態」にするつもりなのである。もともと自分達に何らの戦略も政策もないからこういう形でしか批判ができない。業績は外的要因、失敗は内的要因のご都合主義である。

 

「誰かと会っても成果を上げているのではなく、むしろ失態と思えるようなことが続いている。」も恐らく 幹事長自身で自分が何をしゃべっているか認識していないだろう。「成果を上げる」とは「目的のために為すべきことを為す」ことである。蓮舫氏と安倍首相の質疑応答を見ても明らかなように、戦略/政策を持たない民進党には「何が目的」が認識できていない。だから「朝貢外交」と揶揄したり「トランプ氏のTPP不参加の意向を聞き出してきたのか」というオバカ質問をする。しかし民進党が「成果を上げていない」を言いたいがために民進党が勝手に内閣の目的を設定しても『正体』を明らかにすることにはならない。目的が異なれば、必然的に 「為すべきことは異なる」。 内閣が内閣の目的のために為すべきことを為して成果をあげることは、民進党が勝手に設定した目的のためには為すべきことを為しておらず成果を上げていないことになるのは必定である。そうすると待ってましたとばかり民進党の「内閣は成果を上げていない」のレッテル貼が始まるわけである。民進党議員と内閣との間の質疑応答で民進党議員から「内閣は質問に答えない」と批判している場面がよくあるが、民進党がこの手のレッテル貼の道具として質問していることが丸見えである。

民進党の支持率低下はインタ-ネットを通じて、民進党のこのような見え透いた議会運営手法が多くの有権者の目にはっきり見えているからである。