こんにちは。近年物価が上がっているにも関わらず不景気なためスタグフレーションではないかと一部で言われています。過去に日本で起こった時はいつだったかというと、ちょうど50年前の1973年になります。この時に何があったかというと、第四次中東戦争が発生したことで石油危機が起き、産油国ではない日本は大きな影響を受けたのです。そんな中東では今年、軍事組織ハマスがイスラエルを攻撃し、その報復によりガザ地区侵攻が行われて戦争に発展しています。

 

そして近年の物価上昇の原因は、複数絡み合っているのですが、大きな出来事としてロシアのウクライナ侵攻が挙げられます。この戦争は昨年、ロシアがウクライナに侵攻したことで勃発し、もう1年半以上も続いています。しかしこの戦争は前触れがなかったわけではなく、ロシアがウクライナの領土であったクリミア半島を併合したことで戦争へ近づきました。そのクリミア半島併合は2014年となり、2024年から見ると10年前ということになります。

 ということで中東の戦争とロシア・ウクライナの戦争を歴史を振り返りつつ見ていきたいと思います。今回は中東の歴史です。

 

 中東ではそもそも何が起こっているかというと、イスラム教を信仰するアラブ人とユダヤ教を信仰するユダヤ人が、「パレスチナと呼ばれる地域をめぐりたびたび争っている」という構図です。イスラエルができたのは第二次世界大戦後で、ユダヤ人によって建てられたユダヤ人のための国です。しかし彼らが国を建てた場所にはもともとアラブ人が住んでいました。さらにその場所にはユダヤ教とイスラム教の聖地であるイェルサレムが存在しました。当然その聖地を巡って戦争になります。しかしここに至るまでに非常に長い物語があり、それを理解することで中東戦争の流れを理解できます。しかし中東の歴史はおそらく受験には出ないため所々で受験に関連しそうな内容も入れていきます。では見ていきましょう。「楽しく読める社会科ブログ」を目指していますが、戦争は現在も行われています。なので今回は冗談めいた記述は無しで行きます。

 

中東戦争前編

 

 

 

 ユダヤ人の誕生

 時は4000年近く遡り、紀元前17世紀にヘブライ人と呼ばれる人々がいました。彼らは現在のパレスチナと呼ばれる地域であるカナンに住んでいました。この地は彼らが信仰する唯一神ヤハウェによって与えられた約束の地でした。しかしその土地で生活できない何らかの事情が発生し、彼らはエジプトに入ります。しかしエジプトでは奴隷として扱われ重労働の日々でした。そこから400年後の紀元前13世紀に指導者モーセに導かれ、ヘブライ人はエジプトを脱出しカナンの地へと戻ります。その地では他の民族にたびたび侵攻を受ける中で、強い王を求めるようになり紀元前1000年にイスラエル王国を建国します。つまりイスラエルという名の国は3000年も前にあったんですね。首都はイェルサレムと定めて唯一神ヤハウェを信仰する中心地としたのです。しかしこのイスラエル王国も生活に苦しんだ国民によって南北に分裂しやがて滅びることとなります。国を亡くしたヘブライ人はヤハウェの信仰を「ユダヤ教」と呼び、それを信仰する自分たちを「ユダヤ人」としました。

 

 キリスト教とイスラム教

 そんなユダヤ人ですが、彼らは自分たちは神に選ばれた民であると意識しており、ユダヤ人以外救われることはないとしました。さらに法律は厳格で仲間のみを愛し助けるといった教えでした。そこに現れたのがイエス・キリストです。彼はユダヤ教を否定こそしませんでしたが、いくつかの改善点があると主張し民衆にも支持され始めました。しかしそれを厄介に思ったユダヤ教により、磔にされてイエスは亡くなってしまいます。そんなイエスの教えを弟子たちが広めることでキリスト教は誕生しました。

 世界三大宗教の一つであるキリスト教はローマ帝国の国教(国で信仰する宗教)と定められ、ヨーロッパはキリスト教で染められました。さらに中東からアフリカにかけて同じく世界三大宗教であるイスラム教が預言者ムハンマドによって成立し、ユダヤ人はどこに行っても異教徒の扱いを受け迫害され続けました。さらにユダヤ教・キリスト教・イスラム教は全て天地創造の神を唯一の神とし、それを信仰することで成り立つ宗教でした。自分たちの神を唯一の神としている以上他の神を認めることはできず、したがってこれらの神は全て同一なのではないかということになります。聖地に関してもユダヤ教徒キリスト教はそもそも同じであり、イスラム教もいくつかの聖地の一つにイェルサレムが入っています。そのこともあり争いは必然でした。

 

 

 ユダヤ人の仕事

 特にイエスを殺害したことでキリスト教からは目の敵にされました。そしてヨーロッパ各地へと散り散りになったユダヤ人ですが、そこで始めたのが金融業です。当時は「卑しい職業」として誰もやりたがらなかった仕事を押し付けられる形で始めたユダヤ人ですが、長い年月をかけてそれは莫大な富へと変わります。

 中でも有名なのが「ロスチャイルド家」です。フランスの国家予算が6000万フランだった1825年には1億フランを所有するほどとなり、1国をも超える資産を保有しました。そして時代は1914年の第一次世界大戦に突入します。

 

 

今回はここまでです。次回は「真の悪役」の登場です。