Liang Geliang @ Milwaukee Table Tennis USOpen 2011
Friendship Game between USA and China by veteran players


昨年は、中国とアメリカのピンポン外交40周年だったとのこと。

往年の中国のベテラン選手、梁丈亮(Liang Geliang)さんが記念の友好試合でプレイしている様子を見ることができる。

1971年に名古屋で開催された世界卓球選手権で、間違えて中国選手の乗ったバスに乗り込んだアメリカ選手(グレン・コーワン)に対して、中国のエースの選手(‪荘則棟‬ ‪Zhuang Zedong‬)が友好的に対応したことに端を発し、文化大革命以降、それまでいっさい閉ざされてきた中国の外交ルートが開かれた。
これが「ピンポン外交」として大きな話題になった。
その時の中国選手メンバーに梁丈亮(Liang Geliang)選手が含まれていたのだ。

この1971年の世界卓球選手権は、梁丈亮(Liang Geliang)選手にとっての世界デビュー戦だった。
それ以降、1979年まで現役で活躍した。
1971年~1978年当時の動画は探せばいくつか見つかる。


China vs Japan (1971 WTTC final)


梁丈亮(Liang Geliang)選手の動画で、一番面白いのは1978年のエキビジョンマッチだ。

対戦している後輩の郭躍華(Kuo Yuo Hua)選手が、途中でたまらず、爆笑している。


Liang Ge Liang Vs. Kuo Yuo Hua; Pt. 1


Liang Ge Liang Vs. Kuo Yuo Hua; Pt. 2


つい最近、2010年に中国(内モンゴル自治区フフホト市)で開催された世界ベテラン卓球選手権フフホト大会に梁丈亮(Liang Geliang)選手が出場している。


Dr Neubauer VS Liang Geliang


2010 WVC O60 Men's Doubles Final's Highlights


60歳を超えても楽しそうにプレイしているのがおもしろい。
卓球が好きなんだろうなと思う。


ところで、1991年に千葉県で開催された世界卓球選手権では、韓国+北朝鮮の「統一コリアチーム」が実現し、女子団体でこの南北統一チームが優勝した。
これは最近、韓国で映画になって大きな話題になったようだ(映画「KOREA」)。
現在の韓国卓球女子チームの監督(ヒョン・ジョンファ)が現役だった頃の話だ。


Korea as One in The 1991 World Table Tennis Championships


[Int Ver] Trailer of Upcoming Korean Movie - As One aka Korea



1971年の世界卓球選手権での中国の出場は、日本卓球協会が中国の周恩来首相と交渉して実現した。
1991年の世界卓球選手権の「統一コリアチーム」は、当時の国際卓球連盟会長の荻村 伊智朗氏が尽力して実現した。

日本の卓球関係者がこういう動きをするのは、自身が第二次世界大戦直後に海外試合にでて、「敗戦国日本」「リメンバー・パールハーバー」の強い非難を浴びつつ、しかし海外との友好関係を築くことができた経験によるものが大きいと思う。

なお、1971年の世界卓球選手権では、日本に「卓球修業」に来ていたスウェーデンのステラン・ベントソン選手(当時18歳)が男子シングルスで金メダルを獲得したことも注目された。
これは、今の選手にたとえると、中国で卓球修業をした福原愛選手が世界選手権で優勝してしまうような出来事である。
日本と中国との外交関係がいかに悪くなろうと、中国の人々のなかで福原愛さんを悪く言う人は皆無だろう。


通常の外交ルートではまず実現できないことが、民間ルートで何度も実現できている。
昨今の領土問題のようなものは、全て政治が解決できるとは思わない方が良いのではないだろうか。
デモで日本料理店を破壊・略奪したり、日本人に暴力を振るったり、日本国旗や日本車を燃やしたりしても何も進展しない。
特に最近、韓国では「日本の右傾化・再軍備」を話題にしているようだが、これは韓国大統領や韓国のマスコミが韓国国内向けに意図的に行っている時代錯誤的なプロパガンダだ。
武力で問題を解決できるというのは、第二次世界大戦以前の70年以上も昔のとても古い考え方だ。