ブルーベリーなど落葉果樹の植え付けシーズンが近くなってきて、ホームセンターや園芸店でも苗木を見かけるようになってきました。


この時期になると、初心者にオススメの品種は何か?という話題が上がってきます。

ブルーベリーはクセのある品種はあれど、この品種は栽培が難しいというものはそれほど多くは無いので、味の特徴や果実のサイズを優先して栽培しても、だいたい問題無いと思います(枯れる時は難易度が低いと言われている品種でも枯れます)


しかし、少し難しく初心者には勧めづらい品種があるのも事実です。今回は比較的難易度が高い、初心者が避けるべき品種をいくつか紹介します。


スパルタン

苗木のうちの成長はとても良いのですが、果実の収穫を終えると共に急激に弱り枯れるという話をよく聞きます。

当園では、収穫後に枯れたスパルタンはありませんが、成長速度がガクッと落ちた事は事実で、果実を着ける事での消耗が激しい品種なのかも知れません。

あとは、土壌酸度が合わないと葉の色が悪くなりやすいなど、繊細です。

味も雑味のない繊細な甘味にゼリー質の果肉が美味しいので、捨てがたい品種ですが、栽培は上級者向けです。


ミスティです。

美味しさもランキング上位で、ホームセンターでも比較的簡単に入手できる品種です。

太いシュートがよく出て、濃い葉の色を見ても元気で強い印象を持ちやすい品種です。

しかし、いじけて成長が滞る割合が高いです。

多くは土壌の過湿によって起こります。

水管理が上手くできれば、問題は無いですが、水はけが悪い場所では成長が止まって、いつまで経っても購入してきた苗木の大きさのまま変わらないという現象が起きやすいです。

ミスティを植える場合は土の水はけを注意してみてください。


ヌイです。

大粒ランキングで、よく名前が挙がる、酸味系の品種です。

木自体は丈夫で、ノーザンハイブッシュ系の中では暑さにも、乾燥にも強い方です。

しかし、問題はコガネムシに異常なくらい好まれる事です。

何故か、ヌイはかなりの確率でコガネムシの幼虫に根を食べられています。

当園だけでは無く、別の農園でも、ヌイはよくコガネムシ被害に遭っているようです。


最後に栽培ではなく、着果不良が起こりやすい品種です。


ピンクレモネードとコロンバスです。

どちらも美味しく、替えが効かない品種です。

(ピンクレモネードは見た目の面でも)

どちらも丈夫なので、栽培難易度は低めですが、果実が着きにくい事で悩まれている方が多いようです。

春先に肥料が効き過ぎると、果実を着ける事より、木の成長モードになってしまう事が最大の要因だと思っています。

当園では、この2品種は春先に肥料を切り、開花結実モードに切り替えさせる対策を打つことで、問題なく収穫できています。


この2品種は、簡単には枯れない強さがあるので、初心者でも挑戦してみても良いかも知れません。

ただ、教科書通りに春先から肥料を効かせると収穫量が残念な事になってしまうので、それだけは注意です。  

他に、栽培難易度が高いと思われる品種を列挙していきます。

ノースブルー、ネルソン、シエラ、ハンナズチョイス(暑さにやや弱い)

チャンドラー(コガネムシ被害)

リベイル(過湿に弱め)

ベッキーブルー、ボニータ、アリスブルー(ラビットアイ系の中では樹勢弱め)

あたりは少し難し目かも知れません。


逆に強いのは、ブライトウェル、コロンバス、ピンクレモネード、ジュエル、ブリジッタあたりですかね??


100品種以上、600株のブルーベリーと日々向き合っていますが、本当に難しいと思う品種も、初心者に絶対的に勧められる品種も見つけられないままです。


夏暑い地域では、暑さに弱いノーザンハイブッシュ系は接ぎ木苗にするべきと言われますが、現状、挿し木苗オンリーで農園運営をしています。

(将来的には、スパルタンだけは接ぎ木にしようと考えていますが)


それでも、これは栽培不可能という品種は1つもないので、どうしても育ててみたい品種があるなら、難易度は気にせず挑戦してみるべきというのが、辿り着いた考えです。

例え、失敗しても、自分がどうしても育てたい品種なら、失敗から学んで次に活かせるので、結果的に脱初心者も早いような気がします。


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