つい先ほどまで、夕立を浴びていました。
雨に濡れるのは好きではないですが、暑い日の夕立は逆にスッキリとする気持ち良さがあります。
(仕事後にどうしてもミラクルフルーツ2号を植え替えたかったので、雨が降る中外で作業してしまいました)
16時頃までは晴れていて蒸し蒸しと暑い1日でした。
徐々に黒い積乱雲に覆われてきて、遠くから雷の音が聞こえたと思ったら、その後は視界が遮られるくらいの大雨と、一瞬でしたが、台風直撃並みの突風が吹き荒れました。
風は一瞬で治りましたが、雨は1時間半ほど降り続き川ができました。
ブルーベリー圃場も川になっています。
植物目線で考えると夕方の雨はメリットもあれば、デメリットもあります。
夕方〜夜に水を与える事も含めて考えてみたいと思います。
よく、植物の水やりは朝が良いと言われますが、個人的に冬以外は、朝は2番目に良いタイミングで、ベストは夕方〜夜と考えています。
(冬は夜間の冷え込みに、水分がプラスされるとダメージが大きいので、なるべく暖かい日の午前中に水やりをしてください)
朝の水やりが一般的に勧められる根拠としては、光合成のために水が必要であり、光合成をスタートする朝に吸水させたいからという事からだそうです。
それは、確かに一理あるとは思いますが、夕方〜夜に水を与えても朝までに乾いてしまう事は考えられません。夕方〜夜の水やりでも、日中に吸水させるという条件はクリアできます。
そして、夕方〜夜に水を与える事の最大のメリットは酸素です。
夜間にきっちりと根が呼吸できる状態を作るために、そのタイミングで水を与えたいのです。
少し難しくなりますが、具体的に書いていきます。
まず、植物の葉には気孔という、空気の出入り口が無数にあり、動物の鼻や口での呼吸のイメージと近い呼吸をする事ができます。(植物には肺が無いので、厳密には全く違う方法なのですが)
しかし、根には気孔がありません。
根が呼吸に使う酸素の供給源は大きく分けて3パターンあります。
① 葉が気孔から取り入れた酸素を送ってもらう
② 水に溶けた酸素を水ごと吸い上げる
③ 細胞と細胞の間の隙間から酸素が入り込む
①がメインで、③はおまけ程度に考えるのが良いと思います。
よく、土の中に気体の状態で溜まっている酸素を根が吸うと言う話も聞きますが、それは③のパターンで、ほとんど計算に入れられないレベルの話でしかありません。
そして、②の水に溶けた酸素を水ごと吸い上げるというのが今日の話のポイントです。
植物が呼吸をするのは、細胞でエネルギーを生み出す事が最大の目的です。
日中光合成で作った糖はエネルギー源なのですが、そのままではエネルギーにならないので、分解して形を変えてやる必要があります。
(人間が炭水化物を摂取した後にも、エネルギーを取り出すために同じ事が行われています)
葉だけでは無く、茎や根など、全身に送られた糖を各細胞が酸素を使って、使いやすい状態に変えます。
これを夜間のうちに行い、翌日の日中にはまた光合成ど糖を作り、夜間に呼吸でエネルギーに変換するというサイクルを回したいので、夕方に新鮮な水を入れて酸素を取り込みやすくしたいという考えです。
それにより、順調な生育も見込めますし、果実も甘く大きくなる事が期待できます。
今日の場合は、昨日までの雨である程度鉢内の土は湿っていましたが、鉢が乾き気味であれば、呼吸の残骸である二酸化炭素が、土と土の粒子の間にある気相に溜まっていると考えられます。
夕立のような大雨は、二酸化炭素を水に溶かして排出してくれるメリットもあります。
(二酸化炭素は水に比べたら遥かに水に溶けやすいです。)
考えられる、夕立のデメリットとしては、急激に水が入る事で、果樹の種類によっては果実が裂けてしまう事などでしょうか?
ブルーベリーでもそれがあるので、心配です。
果実の時期以外なら、夕立はメリットの方が多いと考えますが、どうでしょう?
ここまで、書いておいてですが、そもそも酸素は水に溶けにくいので、新鮮な水でも酸素がたっぷりという事は無いです。
それでも、鉢に長時間滞留している水は、植物の呼吸や微生物の呼吸で、更に酸素が減ってしまいます。
根腐れするかどうかのポイントは水の中の酸素量がポイントなので、侮れません。
いつまでも土が乾かない鉢植え植物はすぐに根腐れを起こして枯れてしまうのに、毎日水を取り替えていれば、水耕栽培でも根腐れせずに健全に育つカラクリは水の中に溶けている酸素の量にあると言っても過言ではありません。
初めて見た時は目を疑いましたが、根腐れしやすい植物の代表格であるサボテンも、水替えをきちんとすれば水耕栽培で育てる事ができます。
キレイな水を与えるというのがポイントなので、他の植物の鉢皿に溜まった水の再利用はやめたいところです。
空から激しく降ってくる雨には酸素もしっかりと含まれているはずなので、やはり夕立はありがたい存在なのかも知れないです。
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