当園がブルーベリー培養土に使っている4つの材料とたまたま軽石があったので軽石を含めた5つで保水性が高い培養土はどれか?という実験をしてみました。


左からピートモス、ココピート、鹿沼土、パーライト(真珠岩)、軽石です。

カップの線の位置まで入れ、重さを測ります。

自重の何倍の重さの水を含むかを競います。


水を含む前の重さです。

軽石という名前ですが、この資材の中では圧倒的に重石です。


そしてこの後、たっぷりと吸水させ、カップの下に開けた排水穴から水が出なくなったタイミングで重さを測ります。

余分な水を早く排出できる=排水性に優れていると言っても良いと思いますので、水の排出が早かった資材から結果を載せていきます。


なお、吸水後の結果はカップの重さでリセットし忘れたため、全て表示されている数字-4gが結果となります。

まずは軽石が最速で排水しきりました。

結果は123gでした。吸水前が117gなので6gしか保水できていません。自重の約5%を保持できる事がわかりました。

予想通りですが、排水性は抜群、保水性はほとんどなしという結果になりました。


圧倒的な速さで排水した軽石からはやや遅れ、パーライトが2番目に排水を終えました。

結果は45gです。吸水前が18gなので、27gの水を保持する事ができています。自重の150%の水を保持できています。

排水性と保水性が共に高い資材というと一見矛盾しているように思えますが、パーライトの結果を見るとあり得る事だとよくわかります。

パーライトは細かい穴が無数に開いているので、その穴で水を保持し、穴に入り切らない分は速やかに排水してくれるようです。


パーライトからかなり時間が空いて鹿沼土が排水速度第3位となりました。

鹿沼土や赤玉土などはサイズによって保水性、排水性にかなり差が出ます。

同じ量の場合、粒が小さいほど保水性が上がり、粒が大きいほど排水性があがります。

今回使っているものはサイズ不揃いのものです。


結果ですが、吸水後が85g、吸水前が62gのため23gの水を保持する事ができました。自重の約35%です。

イメージとしてはもう少し保水しそうですが、風化しただけで元は軽石なので、思うほどの保水性は無いようです。


排水速度4位はココピートです。

大部分の水はかなりの速さで抜けましたが、ポタポタと出る水がなかなか止まらなかったため4位です。

吸水後の結果は80gです。吸水前が22gなので58gの水を保持しています。これは自重の263%です。

ココピートは乾きが早い資材というイメージが強いので意外でしたが、一旦水を保持する力は高いという事がわかりました。

特徴は、無数にある繊維と繊維の隙間に水を抱え込む事です。この資材も細かくなればなるほど保水性が高くなると思います。


最後がピートモスです。

ピートモスは圧をかけてやらないと吸水しないので、一旦別の容器に移し、水を加えながら圧縮し、全量をカップに戻しました。

結果は95gでした。吸水前が31gなので64gの水を保持しています。これは自重の約206%です。

排水性では負けても、保水性ならココピートを上回るイメージを持っていたのでこれまた意外な結果です。

但し、保水時間で比べた場合はピートモスが勝つイメージです。


最終結果です。

保水性

1位ココピート 自重の263%

2位ピートモス 自重の206%

3位パーライト 自重の150%

4位鹿沼土   自重の35%

5位軽石    自重の5%


赤玉土が無かったのが心残りですが、予想外な部分も、予想通りな部分もあり楽しめる実験でした。

これからも、植物栽培に活かせるような実験をしていきたいと思います。