たくさんのイチジク穂木を入手する事ができたので、挿し木していきます。


左からCDDM(レディミュータント)、フローレンティン、ナザレ、アイーダブラック、LSUオルーク、シャーアンバー、フィグドマルセイユです。

他にも何品種か挿しました。

ミュータントは突然変異体という意味なのですが、レディミュータントは紫と黄緑の縞が入った珍しい果実がなります。

フローレンティンはフィレンツェのという意味のようでその名の通りイタリアの品種です。 

LSUオルークはルイジアナ州立大学のオルーク博士が開発した数ある品種の中で、自分の名前を載せている唯一の品種になります。


さて、挿し木作業です。

ザクッと斜めに切りました。

水が通るバイパス道管を剥き出しにしてやる事で根が出るまでの吸水ルートを確保します。


芽は1つか2つ残し、下の方の芽はカットしました。

芽をカットした部分から樹液が滲みました。穂木は新鮮です。

芽をたくさん残した方がたくさんの枝が出るので一見良さそうですが、栄養の取り合いになるので、芽は出来るだけ減らして、ある程度大きい苗にしてから枝を増やす方が結果的に太く育ち、近い将来の収穫量も増えると思います。


鹿沼土の細粒とプラカップを使いました。


鹿沼土の細粒が排水性、保水性のバランスも良いですし、極端に大きな隙間ができてしまう心配が無いので使いやすいです。

鹿沼土は酸性で、イチジクは中性から弱アルカリ性を好むので良くないのでは?と言われた事もありますが、酸性が好きかアルカリ性が好きかという話は苗木がある程度育った時に、肥料の中の特定の成分が酸性(アルカリ性)では吸収できないという話なので、肥料が要らない挿し木の時は関係ないです。

その代わり、根が出て春になればイチジクにピッタリな培養土に鉢上げします。


今回の挿し木は4節以上ある穂木は半分に切りました。

2節有れば、1節から根を伸ばし、1節から枝を伸ばす事ができるので、これまでの経験上十分だと感じています。

上側の切り口は乾燥、雑菌予防でトップジンMペーストで塞いでいます。

前列にあるイチジク(アイーダブラック、フィグドマルセイユ、シャーアンバー、LSUオルーク、CDDM)はどれも初入手の品種なので特に楽しみです。

LSUオルークやCDDMは特に入手しにくい貴重な品種ですし、シャーアンバーも人気急上昇中で穂木の入手難易度が上がっています。


今が冬本番の寒さで、屋外で管理すると根が出るまでにエネルギーの消耗で枯れてしまう可能性が高いので、室内で管理します。

主に芽にエネルギーを蓄えて冬の寒さを耐えたり、暖かくなった時に葉や枝を伸ばしたりするのですが、不要な芽は取り除いてしまっているため尚更屋外では越冬できませんね。

20℃程度あれば1か月〜2か月くらいで発根してくれるはずなので、乾燥と腐敗にはくれぐれも注意して管理をしていきます。