ブルーベリーと言えば水が大好きな植物です。鉢植えのブルーベリーを夏場に1日以上放置すると水切れを起こし弱ってしまいます。 


夏は旅行に行きたい方、管理を楽にしたい方、仕事や家事で忙しく毎日水やりをする事が難しい方などいると思います。乾燥に強い(水分要求量が少ない)品種でもブルーベリーには変わりないので、油断は禁物ですが、当園が調査した乾燥に強い品種と弱い品種を紹介します。上記に当てはまる方は乾燥に弱い品種は避けた方が無難だと思います。


水分要求量とは、どれだけ水を吸うか、どれだけ乾きが早いかという事ですが、結論から言うと品種差はかなり有ります。潅水や雨降りから1日経過後、軽石を持ったように軽く感じる鉢と、片手で持ち上げるのが困難なくらい重く感じる鉢があります。

並んでいる鉢を持ち上げていくと、品種毎に重さの差がある事に気が付きました。


ざっくり言うと、系統ではサザンハイブッシュ系が断トツで乾燥には強いです、次にノーザンハイブッシュ、ラビットアイは大半の品種がたくさんの水分を要求してきます。

置き場所などが厳密に同じわけでは無く、成長具合の差などにも影響を受けるので、完全な情報では無いので参考程度にして頂けると嬉しいです。

また、◯◯品種はよく乾く、△△品種はあまり乾かないなど情報がありましたら気軽に教えてください。


系統の中でも大きく差があるので書いていきます。

まずは、乾燥に弱い水分要求量が多い品種です。


第1グループ 最も乾燥しやすい品種 水やり度100

ハイブリッド系 ピンクレモネード

ラビットアイ系 ミノウブルー

最高気温29°C湿度70%の現環境でも潅水から1日後には鉢が軽く持ち上がる重さになります。特にピンクレモネードは冬の時点で乾きやすさに気がついていた唯一の品種です。特に水を吸うのでしょう。

この2品種は夏に1日見られない日があると危険かも知れません。日の当たらない場所でバケツに水を張り浸けておくなどの対策が必要です。

水を切らすと、若葉の先端が茶色くなったり、新梢が萎れたりします。
ピンクレモネードは葉が小さいので蒸散量は少ないイメージですが水だけはかなり欲しがるので不思議です。

第2グループ 乾燥しやすい品種 水やり度80
ノーザンハイブッシュ系 レガシー
ラビットアイ系 アラパハ、オクラッカニー、タイタン
写真はアラパハ、オクラッカニー
現環境では、1日後でも重みを感じますが、2日目の朝になると急激に水切れを感じる品種群です。
第1グループよりは水分要求量は低めですが、乾きやすく水やり忘れには気をつけたい品種群です。
サザンハイブッシュの血が1/4入っているレガシーが乾きやすいのは正直なところ意外でした。

第3グループ 平均より乾燥しやすい品種 水やり度60
ノーザンハイブッシュ系 チャンドラー、オーロラ、サンライズ、リバティ、コリンズ
サザンハイブッシュ系 ユーリカ、サウザンスプレンダー
ラビットアイ系 ティフブルー、コロンバス、オンズロー、オノ、パウダーブルー、ヤドキン
写真はユーリカ、サウザンスプレンダー
ここまでが、朝一で乾燥の確認を行うグループです。このグループが湿っていれば、それ以下のグループも大体乾き切っていないので慌てて水やりをする必要もありません。乾かないグループは本当にいつまでも乾かないので、このグループを基準に色々な判断をしています。
サザンハイブッシュ系の品種がようやく初登場しましたが、本当にサザンハイブッシュ系は水分要求量が少なく、逆に過湿に弱く根腐れしやすいグループです。
その中では、ユーリカ、サウザンスプレンダーが乾きやすいです。

では、ここからは水分要求量が少ない品種です。
まずはラビットアイ系の中で最も乾燥に強いと思われるのが、プレミア、ラヒ、メンデイトです。
プレミアとラヒは親子にあたり、乾燥に対する耐性を受け継いでいるようです。
現環境で、雨から丸3日経っていますがまだ重みが十分です。
プレミアは横枝をかなり出しますし、元気で樹勢が強いイメージしかないです。通路にまで枝を伸ばして通行止めにされています。

そして、その他の乾燥に強い品種を列挙して、最後に最強と思われる品種を発表します。
ノーザンハイブッシュ系 デューク、レカ、プル、ネルソン
サザンハイブッシュ系 スージーブルー、シャープブルー、ブルークリスプ、メドーラーク、スイートクリスプ(5位)、ミスティ(4位)、ジョージアジェム(3位)、ジュエル(2位)
ラビットアイ系 フクベリー、ノビリス、クレイワー、ディソット、フェスティバル、タカヘ 

そして第1位は、サザンハイブッシュ系のパールリバーです。そして例外ですが、サザンハイブッシュ系の先祖darrowiiも同じくらい強いです。

なかなか、日の目を見ない品種ですが、乾燥に対する強さはピカイチです。

パールリバーは雨から3日晴れが続いた今日もまだたっぷりと湿っており、あと2日くらいは大丈夫そうな雰囲気があります。

本当に過湿は嫌いそうなイメージがあるので、注意が必要ですが、水やりを忘れがちな方にはパールリバーをオススメします。


先日シャシャンボツバメスガに狙われにくいのはdarrowiiの血を濃く引くサザンハイブッシュ系ではないか?と仮説を立てましたが、水分要求量が少ない品種も同様にdarrowiiの血を濃く引いている品種ではないか?という結果になりました。

ただし、それらの品種は根腐れには弱いので、水やりの頻度は控えめにしなくてはいけません。


逆に乾燥に弱く、シャシャンボツバメスガにも好まれるのはパウダーブルー、アラパハなどティフブルーの子や孫に当たる品種が多いようです。


この結果は、私が毎日鉢を持ち上げて調査しただけの結果なので参考にする場合は話半分程度でお願いします。

もし書いている内容に間違いがありましたら、教えて頂けると助かります。よろしくお願いします。