春先に発生したブルーベリーの枝枯れ病。

どこにでもいるような細菌が原因ですが、剪定した切り口や幹にできた傷などから感染してブルーベリーの枝を枯れさせてしまう恐ろしい病気です。


冬季剪定をする際、ハサミの消毒の頻度が少なかった事と、癒合剤を使わなかった事が原因で発生したと考えています。

また、切った枝を近くに放置してしまった事も良くなかったと思います。


発生後、直ちに病変した部分は切除し、処分しました。

切り口の中に少しでも病変部分が残ると、そこからまた広がってしまうので、茎の内部の変色している部分が無くなるまで切除しました。

1枝除去する毎にハサミはアルコール消毒、傷口にはトップジンMペーストで癒合促進+消毒をするという対応を実施しました。


それから約1か月が経過し、枝枯れ病の処置をしたブルーベリーの今を確認しました。


ノーザンハイブッシュ系ペンダーです。

ペンダーの剪定を実施した時期にハサミが汚染されていたのか?ペンダー自体が枝枯れ病に弱いのか?はわかりませんが、ペンダーではほとんどの株で枝枯れ病が発生しました。

再発があれば、オレンジ色に見えるトップジンMペースト塗布部分の下から黒く枯れ込んできますが、今のところは見受けられません。


他の品種でもほとんど再発は見られなかったのですが、コロンバスに1株だけ心配なものがありました。

この株はかなり下の方にできた傷口から枝枯れ病になった個体で、処置した直後に大雨が降りトップジンMペーストが流されてしまったため、再び感染、病気が進行してしまったようです。


とにかく放置する事はできないので、切り戻して幹の内部の感染具合を確認しました。

内部も茶色く変色した箇所が見られます。 


その後ギリギリまで切り戻しましたが手遅れの状態だったため、下から生えてきている新梢ギリギリまで切除しました。

・・・病巣を発見しました。
この病巣から全身に広がってしまうので、直ちに取り除かなければなりません。
しかし、それは小さなブルーベリーの木にとっては大手術になります。

幹の真ん中あたりから縦に割り、病変した箇所を除去する事にしました。
無事、病変部の切除ができました。

切断面には消毒と早く傷口を塞ぐためにトップジンMペーストを塗りました。
根本ギリギリまで失ってしまいましたが、病変部が完全に除去できていれば、再発する事なく生育していってくれると思います。
あと数週間放置していたら完全に枯れていたと思うので、なんとか間に合うタイミングで気付く事ができて良かったです。
気がかりなのは、幼い木なので地上部の大半を失う事で、水の吸い上げる力が下がる事や、光合成量が極端に下がる事、ホルモンのバランスが乱れる事など様々な影響が出る事です。
ここから先の回復は、この株の体力に懸けるしかないです。

しかし、人間に限らず、病気は早期発見、早期治療が重要ですね。
1株1株見ているつもりで、見られていない部分が多々ある事に気が付きました。
観察する事、変化に気付く事、変化に対応する事はどの仕事でも重要だと思うので、気を付けていきたいと思います。