NH通信 -日々漸新-

NH通信 -日々漸新-

騒音問題総合研究所代表 橋本典久のブログです。
ホームページは、http://nh-noiselabo.comです。


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いつも堅い話ばかりを書いていますので、たまには雰囲気を変えて、今回は騒音トラブル川柳で一席お伺いしたいと思います。巷では、毎年発表されるサラリーマン川柳が大いに話題になっていますが、確かに面白く、私も楽しみにしている一人です。短いフレーズで人を笑わせるのは大変に難しいですが、幾つか作れば一つぐらいは面白いものが出来るかもしれません。そこで、これまで多くの近隣トラブル、騒音トラブルを扱ってきた経験を基に、思いつくままに自作の騒音トラブル川柳10句作ってみました蛇足かも知れませんが解説付です。順番は何も関係ありません。

 

① 1時間 電話であいずち 打ち続け

 電話相談を受けていると、トラブル渦中にいる人は何であんなにエネルギッシュなのかといつも思います。相手の問題点や自分の受けている被害の話は止む気配がなく、あいずちを打ち続けていると、あっというまに1時間や1時間半経過ということもあります。正直、そのエネルギーを他に向けたらいいのにと思いますが、そんな話は聞く耳を持たないようです。

 

② 騒音苦情 こどもと犬と 上階音

 昔は、工場騒音や建設騒音などが騒音苦情の中心でしたが、今は、保育園や学校などの子どもの声、犬の鳴き声、上階音などのマンション騒音がビッグ3になっています。いずれも人間関係が深く関係した騒音問題です。時代は変わりました。

 

③ 裁判の 結果で態度 豹変す

 裁判は勝ち負けを争う制度ですが、負けた場合にその原因を弁護士や資料作成に協力した人のせいにして、怒りの矛先がそちらに向かうということもあります。自分のことを振り返らず、物事の責任を他の人のせいにする、そんな性格がトラブルを生むのかもしれません。

 

④ 妄騒音 ラジオ体操 除夜の鐘

 「被害妄騒音」という言葉を使って、最近の騒音苦情の性格を説明しています。実際に被害が生じているわけではないのですが、自分がちょっとうるさいと感じただけで、被害を受けていると感じて苦情を言い募る傾向が最近は特に多く見られます。これ以上、この傾向が広がらないことを祈っています。

 

⑤ 元気さが 社会の迷惑 保育園

 子どもの声が騒音として扱われるようになったのは、ここ10年ぐらいでしょうか。東京都の環境確保条例の改正は大きな社会的議論になりましたし、国会でも取り上げられた「保育園落ちた、日本死ね!」の背景にも保育園の騒音問題が関係しています。子どもの健全育成と子どもの声の騒音問題、難しい問題です。

 

⑥ 学校も 自治会入る 時代かな

 学校への苦情の増加を受け、大阪大学の小野田正利教授は、学校も自治会に入って、地域とのつながりを密にしてゆくことが必要だと提唱しています。正にその通りで、学校も社会の変化に対応して、柔軟な思考をすることが求められています。

 

⑦ 上階も 下階もこぞって 恨み節

 マンションの上階音トラブルでは、下階の人は騒音問題だと思っていますが、上階の人は煩音問題だと思っています。これが逆になり、下階の人が煩音問題だと思い、上階の人が騒音問題だと思ってくれれば、結構、トラブルはなくなると思うのですが、そうはいかないのが現実です。

 

⑧ 200ミリ 床は厚いが 薄い縁

 団地が最初にできた頃は、集合住宅の床の厚みは100mm~120mmでしたが、それでも苦情もなく仲良く暮らしていた時代もありました。今や床の厚みは200mmを越えましたが、人間関係が希薄になったおかげで、上階音の苦情・トラブルは止む気配もありません。

 

⑨ 孫が来た 続けて下から 苦情来た

 普段は静かな上階から走り回る足音が響く。付き合いのある関係なら、お孫さんが遊びに来ているのだな、と分かりますが、実際の上下階の関係ではそんなことは分かりませんから、直ぐに苦情が来ます。明日は孫が来ますのでと、下の階に事前に挨拶に行かなければならない、そんな時代でしょうか。

 

⑩ 煩音は 騒音でないと 見得をきり

 以前の騒音トラブルで実際にありました。苦情者に対して、市役所職員が「これは騒音問題ではなく、煩音問題だ」と言い切ったのです。煩音という言葉がこんな使われ方をされて驚きましたが、煩音という言葉が広く使われていることは実感しました。

 

如何でしょうか、どれか面白いものがあったでしょうか。

 


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 先日、日弁連のプロジェクトチームの勉強会に誘われて東京まで出向きました。都道府県に置かれている公害審査会や、その中央組織である公害等調整委員会の設置について規定している公害紛争処理法の改正を目指すプロジェクトチームの集まりであり、正式な会議名は「騒音問題の現状とあるべき公害紛争処理制度についての勉強会」となっていました。以前のブログでも紹介した東京第2弁護士会の公害紛争処理制度に関する提言等とも関連し、社会的に大変重要な内容でもあるので2つ返事で参加を決めました。以前から設立活動を続けている「近隣トラブル解決センター(日本版NJC)」の話を少しでも聞いてもらい、日弁連からも何らかの協力が得られれば有難いという思いもありました。

 

 勉強会出席の直接の切っ掛けになったのは、今年の2月に行われた第2東京弁護士会環境保全委員会主催の講演会「騒音トラブルの特徴と解決方法 -紛争解決に向けた仕組みとは-」であり、この折に聴講頂いた弁護士の方が、日弁連の当該プロジェクトの委員をされていたことによるものでした。この講演会当日は、終了後の名刺交換だけでその後の意見交換などは私の都合でできなかったのですが、この名刺交換を切っ掛けに今回声を掛けて頂いたものでした。また事前に、日弁連が韓国の紛争解決処理制度を視察した折の資料も送って頂きましたが、これも大変に参考になるものでした。韓国では、日本の「公害紛争処理法」に相当する法律として「環境紛争調整法」があるのですが、その名の通り紛争対象は公害だけでなく、環境紛争全般を扱っているため、マンションなどの上階音トラブル(韓国では、層間騒音、あるいは階層騒音と呼ばれる)なども対象になるのです。確かに、これだけでも日本とは大きな違いだと言えます。日本の場合の公害とは、「事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる、人の健康又は生活環境に係る被害」となっていますが、最近は「相当範囲にわたる」については、ある程度の広がりがあれば、被害者が1人の場合でもこの制度の対象となるとしています。例えば、犬のトレーナー施設による隣家の騒音被害と言ったものも対象となっています。しかし、大変に数の多いマンション騒音トラブルなどは、公害紛争処理法の適用対象とはなりません。

 

 日弁連の考える主な改正の内容は、以下のようなものです。これからまだ変更の可能性もあると思いますので、あくまで現時点での内容ということですが、私の意見も加えながら紹介したいと思います。

・紛争の規模や範囲による限定をなくし、広く環境紛争全体を対象とする。

 これには全面的に賛成です。公害紛争処理法は昭和45年にできた法律ですが、その当時と現在では、紛争の質が明らかに変容しています。その一例が、典型7公害の苦情件数の推移です。以前は、大気汚染や水質汚濁などが主要な苦情対象でしたが、それらの苦情件数は年々減少の一途を辿っています。その中で、騒音に対する苦情件数だけは増加傾向を続けており、今では典型7公害の中で騒音苦情の件数が一番多くなっています。その騒音の質自体も変化しています。以前は、企業や行政相手の公害騒音、いわゆる「大きな騒音問題」が中心でしたが、今は個人相手の近隣騒音、すなわち、「小さな騒音問題」が殆どという状況に姿を変えているのです。問題の質が変わってしまった以上、対処の方法も変わる必要があります。公害紛争処理法に基づく制度がこの変化に対応できるか疑問もありますが、まずは対象を公害問題以外に広げることは、変化への対応の第一歩だと言えます。

 

・都道府県の公害審査会にも裁定権限を付与する。

 現在の公害審査会には、あっせん、調停、仲裁の紛争解決手段があり、公害等調整委員会ではそれに加えて裁定があります。裁定とは、裁判の判決のようなものですが、公害審査会にもこの権限を付与して、紛争解決の実効力を上げようという提案です。賠償金額を争う責任裁定案件などでは有効だと思いますが、この考え方は、公害問題が中心だった時代の発想のように感じます。東京警視庁には毎年9万6千件の環境関係の苦情が寄せられ、その内の9万5千件が騒音苦情です。東京都にも毎年6400件の苦情が寄せられ、そのうち約3000件が騒音苦情です。これらの殆どが近隣騒音苦情と考えられます。このような現状の中で公害審査会に裁定権限が与えられても、実効的な解決手段として一般市民に利用されるかどうかは疑問だと思います。やはり、当事者の関係修復型の解決方法というのが必要ではないかと思っています。

 

・騒音振動など、ある程度類型化可能な紛争については、損害賠償額の基準を設定し、それを公表する。

 韓国の環境紛争調整法では、騒音の超過度が0~5dBで、被害期間が1か月以内なら14.5万ウオン(日本円で約1.45万円)、騒音超過度6~10dBで2か月以内なら39.5万ウオン(日本円で約3.95万円)というふうに、騒音の大きさと被害の期間に応じて賠償金額が決められて公表されているそうです。日本では、この賠償金額を決めるのに多大な労力を必要としますから、これで効率化が図れるのは間違いありませんが、問題はその適用の仕方だと思います。上階からの騒音には、壁の遮音のような建築基準法上の規定はありませんし、そもそも騒音の測定は計量法で環境計量士しかできないことになっていますから、1か月とか1年とかの測定はできません。結局、個人が測定したものの真偽を公正に評価しなくてはいけなくなりますから、そうするとあまり効率化につながらなくなるように思います。これは、一般騒音に関しても同様です。

 

・公害審査会と市町村の公害苦情窓口との連携を強化する。

 これは大変に重要な課題だと思います。東京都の場合、既に述べましたが東京警視庁に年間9万6千件、東京都に6400件の公害苦情が寄せられていますが、東京都の公害審査会に係属される件数は年間4~5件にすぎません。これらの数値を見れば、実質的には公害審査会は機能していないと言ってもいいかもしれません。それ故、日弁連の今回の活動は大変に重要な意義があるということです。東京都のある区役所窓口でヒアリングをした折でも、公害審査会を積極的に利用しようという意識は殆ど感じられませんでしたし、個人同士の紛争に対する解決意欲もあまりないという印象を受けました。公害等調整委員会という統括組織があるなか、自治体窓口と公害審査会との間にどのような連携方法を作るのか、その具体的な形を見つけ出すことがなかなか難しいように思います。

 

 その他の日弁連の改正内容案では、被害者だけではなく環境保護団体などにも申立適格を認める、スタッフや予算を充実させ調査能力を高める、インターネットによる申し立てを可能にする、などが挙げられていますが、やはり特に重要なのは、第2弁護士会の提言にもあったように名称の変更ではないかと思っています。「公害紛争処理法」を「環境紛争解決法」などに変更して、一般市民に馴染みのあるものにすることだと思います。紛争の解決に関しては、一般市民が簡易に利用できる制度にすることが重要ですが、そのためには先ず名前からということだと思います。日弁連の中には、対象は、あくまで近隣紛争ではなく環境紛争だという意見もあるという話も伺いましたが、仮に、「近隣トラブル解決法」などの思い切った名称の法律が出来れば、その解決組織の利用度も格段に増えると思います。名称は大変に重要です。

 

 日弁連の勉強会に出席して大変によい刺激になりましたが、私の方では法律改正は手も足も出ないので、まずは引き続き「近隣トラブル解決センター」の設置条例を目指すことにしたいと思っています。公明党の都道府県本部にも関連資料を送付して(特に支持政党という訳ではありませんが)、条例制定について協力のお願いもしてみましたが、全く反応はありませんでした。社会の意識を変えるため、今後、どのような活動をしてゆけばよいのか、しばし熟考中の毎日です。

 

 

 

 


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 地元のテレビ局の依頼で、小型風車発電装置の騒音測定を実施した実際の騒音測定は私の教え子にあたる大学の准教授が実施し、私とテレビ局員およびカメラマンが撮影のために同行するという形であった。場所は、津軽地方の十三湖の近辺だったが、2か所の風力発電の設置場所を訪れた。1か所は、シジミ販売のお店の近辺に建てられたC&F Green Energy社製の19.7kwの風車で、小型風車の範疇である20kwぎりぎりの大きさのものである。もう一か所は、Xzerez(ゼグザラス)社製の小型風車で、こちらは10.4kwと9.5kwの2基構成で、合計19.9kwである。風力発電所の風車の数は関係なく、合計で20kw以下なら小型風車発電所としてFITによる買取がしてもらえるとのことである。

 

 前日とは打って変わって、測定当日は殆ど風がなく、Xzerez(ゼグザラス)社製の方は風車が止まっていたが、C&F社製のものは何とか回転をしていた。その風車は、十三湖に沿って走る道路端の林を切り開いて設置されていたが、その道路の反対側にはシジミの販売店があり、住居も兼ねたその建物からは、おおよそ70mぐらいの位置にあった。現地には午前10時過ぎに到着し、早速、騒音の測定を始めたが、風もあまり強くなかったせいか、回転音は確実に聞こえる状態だったものの、その騒音レベル自体はそれほど大きなものではなかった。また、超低周波音に関しても、G特性値が60dB~70dB程度であり、環境省の参照値である92dBよりは大幅に小さい物であった。シジミ販売店の店主の話によると、風が強くなると、ブレーキ音であろうかカラカラという異音が連続的に発生し、その音が気になりうるさく感じるとのことで、お孫さん達もその音を怖がって遊びに来なくなったと嘆いていたが、その異音は測定中は殆ど発生していなかったので、実態は不明という残念な状況であった。

 

 騒音より問題と感じたのは、シジミ店の店主が自分のスマホに保存していた映像だった。そこには、店内を周期的に横切る風車の羽根の影が映っていた。3枚羽根の風車の影が次々に現れては、店内を横切ってゆくのである。スマホの画面を見ているだけで、めまいがしてきそうな映像であった。これをシャドウー・フリッカーと呼ぶそうであるが、フリッカーとは、蛍光灯などのちらつきを表す言葉であり、日本語で言えば、影のちらつきである。あまり事例は多くはないが、大型の風車でもこのシャドー・フリッカーが問題となることがあり、そのため環境省はその影響の目安となる数値を示している。ドイツのガイドラインを参考にしたものであるが、予測範囲を1300m以内として、影になる時間が、気象条件等を考慮しない前提で年間30時間、かつ1日30分を越えないこととしていて、これを超える場合は保全措置を講じることとしている。大型の風車の場合には、騒音の関係で民家から1000m~1200m離すことが暗黙の了解になっており、事前の環境アセスメントも念入りに行われるので、これまでそれほど大きな問題にはなってこなかったというのが現状であろう。ところが、小型風車の場合にはそうではない。

 

 前述したように、シジミ店と小型風車の距離は70mほどしかない。小型風車の公害問題があちこちで見られるようになって、自治体があわてて小型風車発電設備建設に関するガイドラインを示したが、そこでは風車は住宅等から300m以上離すこととなっている。しかし、違反しても特に罰則もないので、実際はガイドラインなどお構いなしで建てられているのが現状である。20mぐらいの高さに風車の羽根があり、住宅と風車の距離が近ければ、はっきりとした影のシャドー・フリッカーが発生する。時間は限られているとは言え、このような回転する影の影響でめまいや吐き気なども十分に考えられるし、医学的に実証されているという話も聞いた。これも小型風車ならではの問題であり、騒音より大きな問題になる可能性もある。

 

 以前のブログ、「民泊問題と同じ構図になるか、小型風力発電」で書いたように、FITによる小型風車の発電買取価格が、55円/kwから20円/kwに引き下げられるということで、駆け込みの建設が増えているという報道もある。北海道の羽幌町の海岸付近には小型風車が続々と建設され、ガイドライン制定後の物件を調べたところ、7割超がガイドラインを守ってい無かったことが分かった。町の担当者は、罰則規定がないため、業者の自主性に任せるしかないと嘆いているらしいが、それで放置されては被害者はたまったものではないであろう。罰則付きの条例を制定すれば十分に対応できるであろうが、自治体の方も国のエレルギー政策と反対向きの行動はとりずらいということだろうか。民泊問題では、民泊新法の施行に合わせて、自治体が自己防衛のための条例を次々に制定する動きが見られたが、小型風車でも同様の対応を考える必要があるのではないか。

 

 今回の調査で驚いたことは、ゼグザラス社製の小型風車には支柱の所に銘板のようなものが取り付けられているのだが、その内容が分からないように削られて消されていたことである。所有者を明らかにしたくないための所業だろうか。C&F社製の風車の方は、地元の住民が所有していたものであるが、関東の業者に売られ、それが更に大阪の業者に転売されているとのことである。このように、所有者が不明で、問題が発生しても連絡先さえ分からないという状況も民泊問題と類似している。

 

 都会などでは過度な照明や電飾、ネオンサインなどの光害問題が一つの社会問題になっている。地方では光害ではなく影害が問題になるというのは、対照的で興味深い。小型風車の騒音問題も重要であるが、今後は、このシャドー・フリッカー問題も小型風車特有の問題として調査・検討を進めてゆく予定である。

 


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 定年退職を機に社交ダンスを始めた。なぜ、始めようと思ったかといえば、映画「Shall we dance?」のリチャード・ギアに憧れたからということでは更々ない。どう逆立ちしても、彼のようなかっこよい雰囲気など出しようもないことは自分が一番よく分かっている。では、なぜと言えば、どこかで誰から聞いたかよく覚えていないが、「西洋人にとって、社交ダンスは教養の一つ」という言葉である。日本の原作「Shall we ダンス?」の役所広司のように、日本では社交ダンスを習うことは何か気恥ずかしいイメージがあるが、これが教養の一つということなら、やはり身に着けておかねばなるまいという気持ちになったのである。また、将来は一度、長期間の船旅にも出かけたいと思っているが、その時に備えてという思いもあった。外国の人の前で、日本人でもかっこよく社交ダンスを踊って見せたいという自意識からである。

 

 習い始めて既に1年近く経ったが、週1回、30分ほどのレッスンであり、途中で数か月練習を休んだこともあって、未だに満足に踊れていないのが現実である。教室は申し分のない条件であり、何せ、今を時めくプロダンサー界の雄、全日本チャンピオンの増田大介・塚田真美ペアの、増田大介さんの実家の教室である。そのお母さんから直接レッスンを受けているのだから、もう少し上達しなければいけない所なのであるが、物覚えがすっかり悪くなり、いつまでたっても満足にステップが覚えられない状態である。自分でも情けない思いを毎回味わっている。

 

 種目は、一通り全て練習をしているが、中でも一番気に入っているのはやはりワルツである。タンゴやジルバ、あるいはキューバンルンバなど踊りの楽しさを味わえる種目もあるが、踊りの優雅さという点では他を圧倒していると思っている。ワルツと言えばウインナーワルツと言われるように、オーストリア・ウイーンの代名詞である。毎年、楽友会館ホール(ムジーク・フェラインザール)で開かれるウイーンフィルのニューイヤーコンサートでは「美しき青きドナウ」などのワルツが演奏され、日本でもテレビ放送される。また、オペラ座で行われる舞踏会(オーパンバル)の様子は、いかにもウイーン社交界の華やかさを体現するものとなっている。ワルツというのは、ウイーンの文化そのものであると言っても過言ではないだろう。

 

 そんなウイーンに関して、驚くようなニュースを見た。毎週、日曜になると、ウイーンの市民が公園でワルツを踊って楽しんでいるというものだが、ここまでなら何も驚くようなことではないが、市民はみんなヘッドフォンを付けて踊っているそうである。音楽は流さず、FMで飛ばした音楽をヘッドフォンで聞きながら踊っているのであろう。これをサイレント・ワルツと呼ぶそうである。以前のブログでも紹介したが、日本ではすでに無音盆踊りというのが実施されており、イヤフォンで盆踊りの音楽を聴きながら、皆で櫓の周りを踊り回るのである。何か新興宗教の儀式みたいで、楽しさよりも不気味さを感じてしまうのだが、これと同じことがウイーンで行われているとのことだ。

 

 日曜の公園にワルツが流れていても、いかにもウイーンという感じで、だれも迷惑だとは思わないように思うが、実際には、誰かからの苦情があってこのようなサイレント・ワルツが出てきたのであろう。これまでのブログで書いたように、オーストリアでは地下鉄に自転車をそのまま乗せることができるし、誰も迷惑そうな顔一つしないことから、他人の行動に比較的大らかな国民性だと思っていたので、大変に意外な思いが強い。キューバンルンバやジルバの音楽が流れていれば、慌ただしくてうるさく感じる人もいるだろうが、優雅なワルツの調べはBGMとしても好ましく、よほどの大音量でない限り、迷惑騒音にはならないように思えるのだが。

 

 サイレント・ワルツ発祥の正確な理由やいきさつは分からないが、市の条例などで、公園等で音楽を流すことが規制されているのかもしれない。日本でも、大阪の天王寺公園でホームレス達がカラオケ大会を頻繁に行っていて、迷惑防止条例違反で摘発された事例があったが、公園でワルツを踊ることはこれとはだいぶ性質が異なるように思える。ワルツはよくて演歌はダメということではなく、文化的な色彩の度合と迷惑度の問題としてである。これらを度返しして、公園で音楽は一切ダメというのは、硬直した騒音規制の考え方のように思える。昔から主張していることであるが、騒音を許さない社会を目指す限り、騒音トラブルは増加の一途を辿る。無音盆踊りもサイレント・ワルツももう一度考え直してもらえないものだろうかと思う。

 

 旅行でウイーンを訪れると、公園で市民たちがワルツを踊っているのに出会う、というのはすごく素敵なことではないか。見ているだけでは物足りなくなり、家内の手を取って踊りの輪に加わり、しばし優雅なワルツのダンスを堪能する。そんな状況を夢見ながら、今日もまた嬉々としてダンスのレッスンに出かける日々である。

 


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今の日本はこんな風な社会ですよーという話

岡田さん(仮名)は、都心から現在の郊外の住居に転居してきた。編曲などの音楽関係の仕事をしていたため、家で仕事をすることが多かった。隣の山口さん(仮名)は夫婦2人暮らしであっが、犬を一匹飼っていた。夫婦は共働きで昼間は全く留守の状態であり、犬は庭に放し飼いのまま、餌を与える以外は殆ど面倒も見ないような状態であった。

最初、隣からの犬の鳴声は時々聞こえる程度であったが、運動不足のストレスからか犬はよく吠えるようになり、そのうち1時間でも2時間でも鳴き続けることがざらになった。隣の夫婦は昼は留守のため、この犬の鳴き声には全く気が付いていないのか、あるいは分かっていても無頓着であったのかは分からないが、何の対策も採られないままに鳴き声は続いた。岡田さんは犬の鳴き声が始まるとイライラして集中力がなくなり、仕事も手につかない状態となった。やむなく、隣に苦情を申し入れた。

「お宅の犬がうるさく鳴いて仕事にならない。何とかしてくれないか」

相手はあからさまにいやな顔をし、「番犬なんだから、吠えて当たり前だ」と、けんもほろろの応対であった。ある時は、犬があまりやかましく鳴くので、外にいた奥さんに「何とかならないか」と言った所、「人が立っていれば犬が鳴くのが当たり前だ。道に立っているな」と怒鳴り返されて激しい口論になった。その後、市の公害課に訴えたり、警察に注意してもらったりしたが埒は明かず、「公的機関に訴えれば、その度に犬を増やしてやる」と発言するなど、関係は悪化の一途を辿った。やむなく、岡田さんは簡易裁判所に調停を依頼するが、このような拗れた状況で調停がなるわけはなく、相手方が一方的に自分の言い分を言いまくるだけに終わった。調停者は岡田さんに、「これぐらいしかできなくて申し訳ないですが、相手にはよく言っておきましたから」と云ったという。この調停で、逆に嫌がらせ行為がますますエスカレートし、岡田さんはついに簡易裁判所へ損害賠償の民事訴訟を起こした。

裁判は3年近くの長きにわたったが、結果は原告・岡田さんの全面勝訴となった。当時の簡易裁判所の民事訴訟限度額である30万円の損害賠償を命ずる判決が下りた。しかし、隣の山口夫婦はこれを不服として控訴し、隣同士の泥沼の争いはさらに続いたのである。結局、控訴は棄却され判決が確定したが、何と山口さんはこの判決に従わず、意地になって犬を飼い続けたのである。そして、状況は更に悪化していったのである。

 

こんな風な社会にならないかなーという話

 隣の犬の鳴き声は1時間も2時間も続いた。仕事も手につかなくなった岡田さんは、隣に文句を言いに行こうと思ったが、その時、近隣トラブルを無料で解決してくれる市のセンターが新しくできたというニュースをテレビで見たのを思い出した。早速、市役所の市民相談室へ電話を掛けて市の職員に事情を話すと、「近隣トラブル解決センター」へ連絡してみるようにといわれ、電話番号を教えてくれた。市からもセンターへ話をしておいてくれると言うので安心して電話を置いた。

 解決センターの調整で、相手との話し合いの場がもたれる事になった。相手方の説得にはかなり苦労したようであるが、「こじれて裁判にでもなったら大変ですよ」という一言が決め手になったようだ。話し合いの当日、調停者が始めに注意事項などを説明した。概ね、話し合いへの参加の祝辞、調停者の役割の説明、当事者に対しては、相手の発言を遮って勝手にしゃべらないこと、攻撃的な発言をしないこと、メモをとらないこと、などであった。

<調停プロセスの詳細は長くなるので省略>

2時間にも及ぶ長い話し合いの結果、岡田さんがある提案をした。

「犬が鳴く原因のひとつが運動不足ということなら、私が犬を散歩に連れて行きましょう。仕事で疲れて気分転換をしないといけない時もありますから、それも兼ねて犬の散歩を引き受けます。昼の間に私が勝手に犬を連れ出して散歩に連れてゆくことになりますが、山口さんにはそれを了解頂ければと思います」

思わぬ提案だったのか、山口さんはちょっと戸惑いの表情を浮かべながらも、「私の方としては別に構いませんが」と、やや口ごもり気味に言った。話し合いはそこで終了し、必要な書類にサインをして散会となった。

犬が鳴き始めると岡田さんは仕事の手を休め、しぶしぶ犬を散歩に連れ出した。あのように言ったものの、仕事が乗っていて散歩どころではない場合もあるが、自分で言い出した手前、面倒でもやめるわけには行かなかった。犬の方も最初は戸惑っていたが、数日するとすっかり慣れ、岡田さんがやってくると尻尾を振りその場をぐるぐると回りながら喜びを表現した。岡田さんも最初は億劫であったが、いつしか散歩は日課になり、仕事に疲れると毎日30分ほど犬を連れて近所を歩き回った。散歩の合間には色々な出来事があり、面白い発見もあった。ある時、山口さんと会った折にそんな話をした。「散歩の途中にプードルを飼っている家がありましてね、その犬が気に入ったのか、近くまで行くと紐をグイグイ引っ張っていって、家の前で呼ぶように吠えるんですよ。」他愛のない話であったが、自分の飼い犬のことであり山口さんも面白そうに話を聞いた。それがきっかけで、山口さんとはよく話すようになり、犬もいつしか殆ど鳴かなくなっていた。しかし、岡田さんはそれでも楽しそうに隣の犬を連れて散歩に出かけるのである。

 

ということで、まとめでーす。

トラブルの解決の基本は話し合うことで。これ以外に解決の道はないといっても過言ではありません。ただし、解決のための話し合いには、それなりのプロセスが必要で。それを提供するのが近隣トラブル解決センター」なのです早く、作らねば。

 

 最後、井上ひさしさんが子供のために書いた一文を紹介しておきます。憲法に関するものですが、本質は同じで。「どんなもめごとも/筋道をたどってよく考えて/ことばの力をつくせば/かならずしずまる(一部略)/よく考えぬかれたことばこそ/私たちのほんとうの力なのだ/」(子供たちに伝える日本国憲法、講談社)より。

 


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 東京警視庁に寄せられる年間の環境関係全体の苦情件数は平成28年度は9万6千件余りである。その中で、騒音苦情件数は95千件であり、その比率は何と98.8%である。その他の環境関係の苦情件数を多い順に並べると、廃棄物が948件、悪臭179件、振動と水質汚濁が各4件、土壌汚染が1件である。騒音苦情がダントツの一人勝ち状態であり、この傾向は年々強まっている。また騒音苦情件数自体も、10年前は5万件を下回っていたが、もうすぐ10万件を超える状態にまでなっている。これらの騒音苦情件数の急激な増加の背景には、一つの傾向が見られる。

 

 これまで、騒音トラブルや近隣トラブルの特徴や性質を分かりやすく、かつ印象的に説明するために幾つかの造語を用いてきた。代表的な用語は煩音であり、これは大辞泉などのデジタル辞書にも収録され、社会的にもある程度は認知されている。その他、感情公害や半心半技というものもあるが、最近よく用いているのが被害妄騒音という言葉 である。これも「被害妄想」と「騒音」を掛け合わせた筆者の造語であるが、実際に被害が発生しているわけでもないのに、単にうるさいと感じただけで騒音による被害を受けていると苦情を言い募ることである。すなわち、騒音苦情にそれなりに理由のあるものではなく、単なる個人の耐煩力(煩わしさに耐える力)の無さに過ぎないものを被害者意識に転嫁した騒音苦情、およびその騒音のことである。警視庁への騒音苦情の多くが、この被害妄騒音ではないかと考えている。

 

 ちなみに、公害等調整委員会が発表している典型7公害に関する苦情件数の統計でも、大気汚染、悪臭、水質汚濁など騒音以外の公害については、ここ十年程単調に減少しているのに比して、騒音だけは逆に増加の一途を辿り、現在は大気汚染を抜いて騒音苦情が典型7公害の中で件数トップになっている。大気汚染や悪臭などでは被害妄想汚染や被害妄想悪臭というのは生じないが、騒音では被害妄騒音が生じていることによる変化であると考えられ、これが現代の騒音問題の一番の特徴であり、一番難しい点でもある。

 

 以前は、被害妄騒音と同様の意味で似非被害者(えせひがいしゃ)という言葉を使っていたが、ある講演会でこの言葉に強い反発を受けた。それだけインパクトのある言葉だったのかもしれないが、確かに、似非被害者と呼べば、苦情者を全否定する印象が強いことは確かであり、その後、この言葉はできるだけ使わないようにしている。その代わりに考えたのが被害妄騒音であり、これは似非被害者よりは少しはソフトである。この造語も、かなり以前に考えたものであるが、似非被害者同様に、これまでは新聞・雑誌などの論説や講演会などでは敢えて使わないように配慮してきた。それは、実際に騒音被害を受けている人や聴覚過敏の症状を呈している人たちを無用に刺激することを懸念したからである。しかし、最近の騒音苦情や騒音トラブルに関する現状を見ていると、そのようなマイナス面よりも、敢えてこの造語を使うメリットの方が大きいのではないかと思えるようになってきた。

 

 現在は、苦情社会への警鐘として積極的にこの言葉を使用している。最近の雑誌の論説では、月刊「潮」3月号、「季刊教育法」3月号でも使っており、2月に開催された第2東京弁護士会の講演会でもこの言葉を使用してみたが、何れの場合にも抵抗なく受け入れられている様子であり、上記のような騒音に関する社会状況の変化に応じて、社会の受け止め方自体も変化していることを実感した。

 

 東京警視庁は、その他を含めて騒音苦情を10種類に分類している。人声音や楽器音、車両音、作業音などであるが、これは音源別の分類であるが、それとは別に被害妄騒音か否かの分類もしてもらえないものかと思う。もちろん、その区別が困難であることも重々承知をしているが、その結果の社会的意義の大きさを考えると、十分に挑戦してみる価値は大きいのではないかと思う。私の認識では、東京都の騒音苦情のうち5万件以上が被害妄騒音ではないかと思っている。10年前と比べて騒音に関する客観的な社会状況が急激に悪化している傾向はみられないため、その後増えた騒音苦情の殆どが被害妄騒音ではないかということである。もしかすると、20年前の数値と比較した方がいいのかも知れないとさえ思う。

 

 何が騒音問題であり、何が被害妄騒音問題なのか。一般的に、この定義を明確にすることは難しいことではあるが、個々の人間が、その区別を考える材料を幾つか提供したい。まず一つは、既に過去の旅行ブログで書いたことではあるが、オーストリアのウイーンでは地下鉄に自転車をそのまま持ち込める。私が持ち込んだ時も、結構混んだ車内だったが、誰も迷惑顔をせずに後ろに詰めてくれた。降りる人も特に文句も言わず普通に自転車を迂回して出口に向かっていた。降りようとして出口を半分自転車が塞いでいれば確かに邪魔にはなるが、ウイーンでは、それは迷惑行為ではないのである。これは私にとって大変に新鮮な経験だった。日本で同じことを行えば、例え、ルールとして認められていても迷惑行為として捉える人が多いのではないだろうか。何せ、ベビーカーでさえ迷惑だと感じる人がいるのであるから。

 

 フィンランドを自転車でツーリングしていた時、サロという小さな町からトールクまで列車に乗った。その車両の先頭部分には子ども用の遊びスペースが設けられていて、数人の子ども達が楽しそうに遊んでいた。床で遊ぶもの、荷物用の棚にぶら下がっている子どもなど、かなり賑やかな状態であった。もちろん、その近くには普通の乗客が座っているが、だれもこれを迷惑行為だとは思っていないようで、普通に本を読んだり、パソコンを操作したりして過ごしていた。私のブログでは、写真や図表は載せないことにしているが、話だけでは分かりずらいかと思い、今回だけは写真も紹介しておくことにする。

 

             

 

 迷惑とは、迷惑だと思うと迷惑になり、迷惑と思わなければ迷惑にならない。当たり前のようだが、大事な点なのである。日本では、子どもが列車の中で騒いでいれば迷惑だと感じるかもしれないが、それが迷惑行為かどうかは別物である。自分が迷惑(うるさい)と感じる行為と迷惑行為とは違うのである。この取り違いこそが被害妄騒音なのである。当研究所は騒音問題の相談窓口も開いているが、最近はこの手の相談が特に多くなってきた。それらの相談者の特徴は、どんなに客観的に説明しても決して被害妄騒音を認めないことであり、相手を許そうとしないことである。逆に言えば、そのような人が被害妄騒音を感じやすいということである。

 

 「騒音を許さない社会を目指す限り、騒音トラブルは増加の一途を辿る」、これは騒音トラブル研究を始めて以来、一貫して述べてきていることであるが、これがいま正に現実になっている。現在のこのような状況が今後ともエスカレートしてゆけば、どんな社会が出現してくるのか不気味ささえ感じる。平成29年度の東京警視庁の統計はまだ発表されていないが、果たして環境関係苦情が初めて10万件を超えるのかどうか、一転、ここから減少に転じるのか大変に興味深い。もし超えるようなら、やはり多少の誤解を招くことになっても、例え反発を受けようとも、敢えて言い続けなくてはならないと感じている。

 

「あなた、それは騒音ではなく、被害妄騒音ですよ」

 


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 遂に、怖れていたことが現実化してしまいました。というより、現実の方が怖れより遥かに先行していたことが明らかになったと言った方が正確かもしれません。行方不明だった女性の頭部が大阪市の民泊施設で見つかった事件のことです。この女性を監禁したとして逮捕された米国在住の男性は、日本に旅行でやってきた後、大阪市東成区の民泊施設に滞在しながらSNSで女性を物色し、この民泊をラブホテル代わりに利用していたようです。延べ4、5人の女性が、男性と一緒にこの民泊に出入りしているのが、防犯カメラに映っていたということです。頭部が見つかった被害女性もその一人だったようです。

 

 前々回のブログで「民泊はラブホを越えるのか?」と書きました。現実は、越えるどころかとっくに先を走っていたということですが、問題は今年の6月から施行される民泊新法との関係です。民泊新法の施行を前に、自治体が独自の規制条例を制定する動きを活発化させていることは既に書きましたが(3月15日という〆切があるため)、今回の事件は、これが単なる住民の生活環境や治安の悪化などの問題だけではないことを実証したことになるのです。

 

 前稿で書いたように、建築基準法で決められている用途地域の建築制限により、ホテルや旅館は第1種住居地域から準工業地域までならどこでも建設ができますが、住居専用地域(第1種、第2種低層住居専用地域から第1種、第2種中高層住居専用地域までの4地域)では建設が出来ませんでした。民泊新法ではこれを緩和して、年間営業日数が180日以内なら、これまで認められなかった住居専用地域でも知事への届け出だけで民泊の営業が可能になりました。では、ラブホテルはどうでしょうか。ラブホテルのような風俗施設は、建築基準法では商業地域以外の場所に建設することはできないことになっています。

 

 今回の事件は、民泊施設がラブホテルとして利用されている実態を示したものでした。民泊新法が施行されれば、ラブホテルまがいの民泊でも堂々と住居専用地域で営業が出来ることになるのです。それどころではありません。ラブホテルには、利用者と顔を合わせないように配慮をしつつも必ずホテル内に管理者が常駐しているのが常です。ところが、民泊新法では、制限はあるものの家主不在型の民泊も認められているのです。ラブホテルは、建築基準法や自治体の条例によって厳しく制限されているのに、それ以上の使われ方(今回のような事件の現場となりうるような使われ方を含めて)をされる可能性がある民泊が、何の規制もなく住居専用地域で営業が出来るということでは、全く法律的な整合性がとれません。

 

 新聞などで民泊に関する報道を見ても、自治体の民泊新法関連の条例案を見ても、ラブホテルという言葉は何処にも出てきませんが、先に決められている建築基準法や自治体条例の内容との整合性を考える場合、このラブホテルの問題は例として大変重要だと思います。規制の考え方が従来とは全く異なります。以前に、ラブホテル規制条例に関する旅館等建築審議会の仕事をした者からすれば、この整合性の取れない状況には全く納得がいきません。更には、これは民泊新法に則った正規の施設に関するものであり、ヤミ民泊問題はこれとは別に存在します。民泊新法がヤミ民泊の取り締まりの根拠になると言った書き方をしている記事もみられましたが、これは全くの逆で、民泊新法がヤミ民泊の跋扈に弾みをつけると考えた方が良いと思います。

 

 前々回のブログの「民泊はラブホを越えるのか?」の最後の文章を、敢えてもう一度書いておくことにしたいと思います。何処かの自治体の方がこのブログを見て参考にしてくれるかもしれません。『民泊の推進も規制も必要だとは思いますが、それ以外にヤミ民泊に対する何か別の社会システムがないと、恐ろしい状況が出現してくるのではないかという危機感を感じます。民泊新法がパンドラの箱にならないよう切に祈るばかりです』。状況が悪化してしまってから、それを戻そうと思っても殆ど手遅れです。環境も治安も簡単には元には戻りません。

 

 


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 民泊への懸念については前回も言及したが、もう一つ、最近気になっている問題がある。それは民泊問題と同様の構図を持つのではないかと思われる小型風力発電の設置問題である。小型風力発電とは、発電の出力が20kw未満(風車の直径16m以下、受風面積200m2以下)のものをいい、大型の風力発電設備とは違う扱いをしているものである。何が違うかと言えば、再生可能エネルギーの固定買い取り制度(FIT)に基づく電力の買取価格が、大型風力発電は1キロワット当たり20円であるのに比べ、小型風力発電では何と55円なのである。小型とは言っても、20kw弱程度では、上記の風車の直径で分かるようにかなりの大きさであり、本体設備費用は2000万円前後、設置工事費も700万円~1000万円近くかかるということであり、簡単には設置できるものではない。

 

 ところが発電容量が1500w(1.5kw)程度のものになると、本体価格が25万円前後で売られている物もあり(調べると、実際にインターネットで税込26万円で販売)、設置工事費もさほどかからないないということで、何処にでも簡単に設置が可能である。では、設置するとどうなるのかを売電価格で試算してみた。風車であるから風のないときは発電できないため、全体的な効率を25%と仮定して発電量と買取価格を計算してみると、

1.5kw×24時間×365日×0.25(効率)=3285kw

3285kw×55円/kw=180675円

となる。うまくいけば一年で18万円もの価格になるのである。小型風車発電の買取期間は20年間であり、これは十分に投資の対象になることが分かる。そのため、投資目的での小型風力発電設置が増加し、インターネットでも投資専用のサイトが開かれているというのが現状である。

 

 ところが、資源エネルギー庁の発表によれば、2018年度からは小型風力発電の買取価格が大型と同様に20円/kwに引き下げられるということになった。小型風力発電設備のコスト削減が思ったように進まなかったため、長期的な安定電源として利用してゆくことが困難であるとして、これまでの特別扱いを止めることにしたというものらしい。55円から20円への引き下げは大変に大きな変化であり、その影響も大きくなる。例えば、20kw弱級程度の小型風力発電では、年間の買取価格を上記で示したように計算してみると、年間で240万円見込めていたものが87万円に減ることになる。投資金額が3000万円(設備費2000万円+設置工事費1000万円)とすると、償却期間が12.5年から34年に延びることになり、これでは買取期間を越えてしまう。その他にメンテナンス費用や土地の賃貸料も必要になるため、これでは投資目的としては成立しない。ところが、1500w級の小型風力発電では、買取価格が20円でも年間の発電金額が6.6万円となるので、20年で132万円となり十分にペイすることになる。初期費用を仮に30万円とすれば、利回りは8%弱である。この1500w級の小型風力発電を十数台並べれば、これまでの20kw弱級の物と同様に投資目的でも十分に成立することになるのである。もちろん個人用としても、庭や屋上に設置する事も可能であるから、これからも1500w級や1000w以下の小型風力発電設備が増えてゆく可能性は高いと考えられる。

 

 問題は、小型風力発電による騒音問題だ。大型の風力発電設備に関しては、環境省でも検討委員会を設置して測定方法や評価方法についての検討を行い、概ね騒音の影響はないということでコンセンサスが得られている。評価方法に関しては残留騒音(車の通過騒音などを除いた定常な暗騒音)を基準にした厳しい評価値が用いられることになっており、また、実際の設置計画や設置工事に当たっては、厳しい環境アセスメントの手続きが決められており、滋賀県でイヌワシへの影響が新聞で取り上げられたこともあったが、それ以外については騒音も含めて大きな影響はないというのが実情である。ところが1500w級などの小型風力発電設備に関しては、騒音に関する情報は殆どないのである。どれぐらいの騒音が発生するのか、超低周波数騒音の影響はないのかなど、物理的な情報が不足しているうえ、中国製などの安価で質の良くない機器も出回り始めているとのことだ。その結果、一部には騒音の被害を訴える事例もみられるようになってきている。

 

 青森県でも、そのような事例が起きている。地元のテレビ局からの問い合わせ等をきっかけに知ったのだが、津軽地方の市で、近くに設置された小型風力発電設備からの騒音によって眠れなくなったとして、精神科へ通院するなど健康被害を受けているという訴えがあったということだ。その近郊の市でも、大阪の業者が土地を賃借して小型風力発電設備を設置して問題になっている事例があるとのことだった。今後、詳細は調査をしてゆく予定であるが、今後、各地でこのような問題が顕在化してくるのではないかと懸念している。当該の市では、急遽、小型風力発電設備建設に関するガイドラインを作って、国へ発電事業者の申請をする前に自治体に届け出ることや、住宅から300m以上離すこと、騒音問題等には誠意を持って対応することなどを謳っているが、無届けやガイドラインに沿わない形で設置されても実際には対応のしようがないというのが現実である。どれくらいの騒音が発生するのかのデーターも見当たらないなか、儲かるからと無届けで小型風力発電を設置するような状況が出てくれば、これはヤミ民泊と同じような構図となってしまう。事業者が特定できればまだいいが、投資目的で中国等からの資金が入り、それを土地所有者に仲介するような業者などが出てくれば、あちこちで騒音問題などが発生してくるのではないかと思う。

 

 最近の同じような構図の問題では「中国式白タク」というのもあるそうだ。中国人旅行者が中国本土で日本でのタクシー予約をして、タクシー運転手は旅行者を友達だという言い訳で白タク営業を利用しているとのことである。運転手はもちろん中国人である。これも現在の日本では取り締まりのしようがないが、タクシー業界にとっては大きな問題であろう。

 

 ヤミ民泊、小型風力発電、中国式白タクなど、このような問題の根本は、日本の社会制度が現況の変化に対応できなくなっていることである。これらを取り締まる方法としては、違反者に厳罰を処すことが一番効率がいいが、そのためには「おとり捜査」を合法化しなければ難しい。対象を限定して「おとり捜査」認めるのか、それならまだヤミ民泊の騒音被害の方がましなのか、なかなか悩ましい問題が今後も増えてくるように思える。

 


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 民泊新法(住宅宿泊事業法、2017年6月成立)の施行を今年の6月に控えて、自治体では独自の条例を制定して民泊の規制強化を図る動きが活発になってきました。国の方は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、宿泊施設の不足を解消する切り札にしようと民泊の活用に躍起になっています。現在でも外国人観光客は増加の一途を辿っており、今年度末には既に2800万人まで増えそうとのことですが、これを4000万人にまでしようという計画らしいですから、宿泊施設の問題は実に深刻です。この問題が解決できるかどうかは、今後の国の観光行政にとって大きな課題になってくることは間違いないでしょう。それだけに、実際の受け皿となる自治体では、その弊害が地域住民に及ばないように事前の対応を準備したいということで、国とは一線を画した動きが出てきているのです。多少、正確さを欠く部分もあるかもしれませんが、その内容について少し解説をしてみたいと思います。

 

 和歌山県や静岡県、政令指定都市の仙台市などが条例制定の動きを示していますが、その内容は民泊新法の規制内容を厳格化、厳密化しようというものです。例えば、民泊新法では、「住宅宿泊事業者は、届出住宅の周辺地域の住民からの苦情及び問合せについては、適切かつ迅速にこれに対応しなければならない」としており、その指針では、1戸建て住宅の場合には、向かい3軒両隣および裏の住宅の反対がないかを確認する努力を求めています。「確認する」と「努力」ですから、これらが殆ど何の意味も持たないことは明白でしょう。これに対し和歌山県の条例案では、反対がないことの確認を義務化し、かつ書面での提出も必要としています。また苦情対応についても、国の指針では業者が1時間以内(交通状況が悪い場合で、それ以外は30分以内)に駆けつけることが必要としていますが、和歌山県の条例案では、1戸建住宅については徒歩10分以内、共同住宅の場合は施設内に駐在するよう義務づける方針だそうです。

 

 この共同住宅の場合の項目は特に重要で、大阪ミナミのマンションでは、中国在住者が大手の民泊紹介サイト(多分Airbnb(エアー・ビーアンドビー))に登録して民泊営業をしており、騒音やゴミ出しなどの苦情や治安の問題から訴訟になっているということです。ところが、訴状を海外に送達しなければならないため、実際上は殆ど対応不能の状態になってしまっているとのことです。このような状況を防ぐためにも、委託業者とすぐに連絡をとれるようにする規制は必要不可欠ですし、何より、共同住宅内に常駐するためには民泊施設以外にもう一部屋必要になりますから、事実上、マンションでの民泊営業を防止する効果もあると思います。国の指針を逆手にとって、民泊の野放図な広がりにブレーキをかけるという戦略だと思いました。

 

 また、民泊新法では、年間営業日数が180日以内なら、これまでの旅館業法で認められなかった住居専用地域でも知事への届け出だけで営業が可能になりました。これに関して自治体側の条例案では、住居専用地域での営業は土曜日1日だけ(祝日は追加あり)に制限する(静岡県)などの対応を取っていますが、これも土曜だけでは殆ど民泊営業は成り立ちませんから、実際は民泊を締め出す効果があると思います。その他、学校の周辺100m地域や静穏な別荘地などでの規制も妥当ですから、国の方針に面と向かって反旗を翻すのではなく、正に誰かが言ったように面従腹背のうまい対応だと感心しています。仙台市誘客戦略推進課の担当者は、「現在、住居専用地域では民泊はできない。土曜だけでも実施できるのは地域としても大きな変化だ」と話したと新聞記事に載っていましたが、その後に笑い顔が思い浮かんだのは私の考えすぎでしょうか。

 

 民泊については以前のブログ「民泊と騒音トラブル」でも触れましたが、一番の問題はやはりヤミ民泊でしょう。国の民泊推進と自治体の民泊規制の狭間で、爆発的にヤミ民泊が増加し、大きな社会問題になることが懸念されます。民泊新法の施行と自治体条例による規制でヤミ民泊を取り締まる基盤がしっかりと出来て、行政や警察などの取り締まりによりヤミ民泊を駆逐できれば言うことはありませんが、どうも逆の結果になりそうな予感がしてなりません。法律や条例ができても、それを用いて不法な施設を摘発するというのはなかなか簡単ではありません。現在の状況を見ていると、以前のラブホテル規制条例のことを思い出します。

 

 建築基準法により、ホテルや旅館は第1種住居地域から準工業地域までならどこでも建設ができますが、ラブホテルは商業地域以外の場所に建設することはできません。ところが一時期、外観や構造設備などを工夫して、ホテルや旅館を建設するように見せかけて実際はラブホテル(隠れラブホテル)を建設するという業者が現れて、全国的に大きな問題となりました。学校の前にホテルが建設され、営業を始めたらラブホテルだったということもあり、全国の自治体がラブホテル規制条例を作って規制に乗り出しました。何をやったかと言えば、ホテルや旅館の建築や改修の建築確認申請が出た物件に関し、それがラブホテルに該当しないかどうかを厳密に審査するというもので、旅館等建築審議会というものが作られ、その場で細かく基準をチェックして判定するというものでした。私も数年間、この審議会の会長をやりましたが、そこに掛かってくる事案の殆どは正規の旅館やホテルばかりであり、仕方のない面はあるものの、非効率な対策と言わざるを得ない制度でした。

 

 ラブホテルの場合は、新しく建物を建設しなければ営業はできませんが、それを取り締まるだけでも膨大で非効率な作業を強いられるわけです。これと較べて、今ある部屋や住宅をそのままヤミ民泊に利用とするのを取り締まるというのは、どれだけ難しいかは論を待たないでしょう。ヤミ民泊の疑いがあるというだけでは、証拠もなしに簡単には摘発はできないでしょうし、1件毎にそれを詰めていたら行政や警察の機能はパンクしてしまいます。更に恐ろしいことは、ヤミ民泊が事実上黙認されるような社会状況が定着してしまうと、今度は、ヤミ民泊がラブホテル代わりに使われるというようなことも起こってきます。ヤミ民泊がラブホテルを超える存在になるかもしれません。そうなればもう無法状態です。

 

 民泊の推進も規制も必要だとは思いますが、それ以外にヤミ民泊に対する何か別の社会システムがないと、恐ろしい状況が出現してくるのではないかという危機感を感じます。民泊新法がパンドラの箱にならないよう切に祈るばかりです。

 


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 数日前のインターネットに次のような記事が掲載されていました。『「中国人観光客はうるさい」はウソ? 実際に測定してみた』というものです。興味をそそられる内容でもあり、どれどれ」と楽しみに読み始めましたが、あまりのいい加減な内容に呆れてしまいました。以下、その内容の関連部分を引用します。

 

 各国で中国人観光客が増加する中、「爆買い」で観光地に経済的恩恵がもたらされる一方で一部の人々のマナーの悪さや会話の騒音が指摘されている。

 だが、言語的なものや一族全員で連れ立って歩くなどの特徴から、そうした先入観を生んでいる可能性もある。そこで、この問題をハッキリさせるために騒音測定器を用いて騒音レベルを測定することにした。公平を期すため、測定対象は中国人観光客、本国の中国人、日本人、他の外国人の4つ、測定場所は観光客が多く集まる新宿・歌舞伎町に定めた。

 

 調査の趣旨は大変に興味深いものです。公平で客観的な測定を行って、正確な結論を得ようとする態度も評価できますが、一番の問題は、どんな騒音測定器を使って、どんな方法で騒音レベルを測定するか、併せて、騒音に対する基礎的な知識を持っているかどうかです。これ以後に、測定した具体的な騒音レベルの数値が様々出てくるのですが、どう見ても、数値自体がかなり怪しく、本当に測定したのかさえ疑われるようなものです。ちなみに、有償無償に拘わらず、騒音レベルを測定してその結果を第者に提示することは、計量法の範疇に含まれる内容となり、当然ながら正確な測定器の使用と測定のための有資格者が実施することが求められています。工場などで自分たちの内部資料として測定することは問題ありませんが、今回の場合のように、測定結果を広くインターネットで紹介するという行為は、計量法に抵触する可能性があるということは理解しておくべきです。昔と違い、誰でも手軽に情報発信できる時代だからこそ注意すべきことだと思います。

 

 以下が、その測定結果の内容です。まず、中国人に関する記述は、以下の通りです。

まず手始めに、家電量販店で会話する中国人集団を測定すると76dB程度。これは環境省が定める都心の騒音基準から大きく外れていない。続いて、日本人のみの飲食店内では6070dB。中国人が多い飲食店内では7080dB前後だが、うるさいと言えるほどの体感はなかった。

 中国本国ではどうか。通常時が80dBで会話が最大100dBと、全体的に観光客よりも10dBほど高かった。うるさいというよりも、活気がある。(以下、略)』

 

 まず、『家電量販店で会話する中国人集団を測定すると76dB程度』とありますが、どこでどのように測定したのでしょうか。音の大きさは、音源からの距離によって大きく変わりますし、人数によっても変わります。まして、会話の音は時間的に大きく変動しますから、それをどのように評価したら、このような具体的な数値になるのかは全く理解できません。会話する中国人集団の中に騒音計を差し込んで、今から騒音測定をするので何か喋ってくださいと言ったのか、隠れて中国人集団の後をついて回って測定したのかも不明ですし、そもそも騒音計はどうしたのでしょうか。数十万円もする正規の騒音計を購入したとも思えませんし、レンタルでも一週間単位で数万円はします。多分、インターネットで数千円で売っている騒音計もどきを使ったのか、スマホのアプリを使ったのでしょうが、それも不明です。測定結果を見れば、最初は76dBと細かな数字が示されていますが、それ以後はなぜか10dB単位のアバウトな数値が並んでいます。これらを見ると、本当は測定などしていなくて、適当に書いているだけではないかという疑いを強く持ってしまいます。比較のために中国本土での測定も実施したということも、事実ならその行動力に感心させられますが、その割には結果があまりにもあっさりしていてとても信用はできません。極めてつけは記事の締めくくり部分です。

 

 一方、突出していたのは白人の集団。奇声や過剰な笑い声などを測定すると120dBであった。花見や安居酒屋で騒ぐ日本人集団のほうがよほどうるさいことも多々あり、「中国人観光客がうるさい」というのは偏見に近いことが確定したのであった。

 

 120dBといえば、聴力障害も発生しかねない極めて強大な騒音レベルです。通常の生活の中では殆ど経験しない音の大きさだと言っても構いません。それが白人の集団(白人という表現も気になりますが)では発生しているというのですから、これは明らかに眉唾物です。この記事の結論を『「中国人観光客がうるさい」というのは偏見に近いことが確定した』ことにしたかったことは分かりますが、そのために、白人の集団は120dBの奇声や過剰な笑い声を発しているとするのは、いくら何でもやりすぎでしょう。この一文だけでも、この記事のライターが騒音の測定などやっていないということは明らかだと思います。以前、私の研究室の大学院生が、音に関する感性の東西比較研究として、外国人の日本での音に対する評価を調査したことがありますが、その結果では、西洋人は甲高い音やむやみに繰り返される音に嫌悪感があることが示されていました。それらの結果と併せて考えてみても、今回の記事の内容は首肯できるものではありません。

 

 これからも、放っておけばこの手の記事はどんどん増えてくるでしょう。目立てばよい、アクセスさえ多ければよい、ということで、信憑性のない記事が社会に蔓延してゆくことは、思わぬ弊害をもたらすこともあります。くれぐれも、「中国人はうるさいといわれているけど、本当は西洋人の方がうるさいらしいよ」などと、触れ回ることのないようにご注意ください(笑)。

 

 ネット情報が蔓延する社会の中では、自らが情報の真偽を正確に判断して取捨選択できる能力を持つことは大変に重要ですし、それが公正な社会意識を醸成することにもつながります。除夜の鐘など、最近の騒音問題の扱いなどをみていると心配になることが多くあります。今後とも、様々な音の問題について情報発信をしてゆきたいと思いますので、本年もどうかこのブログのご愛顧を宜しくお願いしたいと思います。

 

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