NH通信 -日々漸新-

NH通信 -日々漸新-

騒音問題総合研究所代表 橋本典久のブログです。
ホームページは、http://nh-noiselabo.comです。

 今回はポーランドの観光情報です。まず最初に、今回の自転車ツーリングで訪れた世界遺産を紹介しましょう。最初はトルンの旧市街であり、ここはレンガ造りの中世の街並みや教会・大聖堂などの建物がそのまま残され、コペルニクスが生れた街としても知られています。街の横を流れるヴィスワ河の反対側川岸に街を一望できる展望所がありますが、ここから見た街の遠景は正に世界遺産を実感させるものでした。2つ目はヴロツワフの百年記念ホールです。訪問したものの残念ながら中には入れませんでしたが、周辺は噴水公園になっており、噴水ショーなどもあってのんびり楽しめました。3つ目は有名なアウシュヴィッツですが、これは説明不要でしょう。4つ目はクラクフの歴史地区ですが、クラクフは街全体を世界遺産に登録してもいいぐらいの見所満載の都市でした。5つ目はクラクフの南東20kmほどの所にあるヴィエリチカ岩塩坑跡です。岩塩でできた礼拝堂やシャンデリア、数々の彫像など、正に世界遺産と言える規模を誇っています。そして最後が首都ワルシャワの歴史地区であり、豪華絢爛な旧王宮を始めとして、数々の見所が旧市街に集積しています。

 

 ワルシャワとクラクフがポーランドの2大観光都市ですが、先にも書いた通り、ワルシャワが東京、クラクフが京都という比喩は、正にその通りだと思いました。したがって、クラクフの方が見どころも多く、規模が小さいので街歩きにも最適です。主な観光地は、川沿いのヴァヴェル城から織物会館の建物や聖マリア教会のある中央広場に至る大通り近辺ですが、詳しくは旅行案内書に譲りたいと思います。ただ、夏のトップシーズンのせいか、ポーランドの観光施設はどこも極端に混んでいて、なかなか中に入れないという状況でした。ヴァヴェル城の大聖堂や旧王宮などのチケット売り場も100mほどの行列ができていて入場を諦めましたし、街はずれにある映画「シンドラーのリスト」の工場も入場制限があり、結局入れませんでした。中央広場に至る大通りも人で溢れていて、自転車も降りて通らなければならないほどの混み様でした。逆に空いていたのはユダヤ人街のガジミエシュ地区であり、「地球の歩き方」ではお薦めの観光スポットになっていましたが、殆ど観光客もおらず、見るものも特にないという印象でした。ユダヤ人などの訪問客には思い入れのある場所なのでしょうが、日本人の観光客には不向きな場所と言わざるをえません。

 

 クラクフが観光地として人気なのは、何と言ってもアウシュビッツの強制収容所跡とヴィエリチカ岩塩坑跡への観光拠点となっていることだと思います。私たちは自転車ツーリングだったので、アウシュビッツのあるオシエフィンチムの街へはカトヴィッツから入りましたが、殆どの人はクラクフからのバスでやってきます。現地に到着してまず驚いたのは、チケット売り場に並んだ人の数でした。200m近くはあろうかという長い行列で、それも人がびっしりと詰まった列であるため、とんでもない数の人が並んでいました。多分、窓口に到着するのに2~3時間は掛かるのではないかと思えるほどで、旅行書に夏は混んでいると書いてありましたが、想像を遥かに超える行列でした。私たちはインターネットで予約をして訪問したので、列に並ぶことはありませんでしたが、それでも満足のいく見学ではありませんでした。まず、アウシュヴィッツには中谷さんという現地ガイドの日本語ツアーがあるのですが、大分前にメールで参加申し込みをしたのですが、既に満杯だと言われてしまいました。多分、団体旅行ツアー用に押さえられているのだと思います。夏場はガイド付きのツアーでないと見学できないということでインターネットで申し込みをしたのですが、既に英語のガイドツアーは満杯で締め切っていて、時間的な制約もあり、仕方なくスロベニア語のガイドツアーを申し込みました。それでも予約をしていなければ、当日は中にも入れない状態だったので、予約をしておいて正解でした。

 

 ガイドの時間になると案内掲示が出され、チケットを見せると入り口を通してくれ、途中、荷物チェックの場所で音声案内の機器を渡されます。そこを抜けると建物横のガイドツアーの待ち合わせ場所に入れます。英語ツアーは人が沢山いましたが、スロベニア語のツアーは私達以外に2組4人がいるだけの少人数のツアーでした。スロベニア人の女性ガイドが現れ、その人の後に続きながらいよいよツアー開始です。有名な「働けば自由になる」と書かれたアーチのある収容所入口を入ると早速解説が始まりますが、何せ音声案内から流れてくるのはスロベニア語で何も分かりません。長い説明の間、ボーと立っていてもしょうがないので、早々にツアーを外れ、自分たちだけで回ることにしました。場所はそんなに広くなく、先行するツアー団体がいるので迷うこともなく、旅行書片手に自由に回ることができました。詳細な解説を聞いたわけではありませんが、ガス室や焼却炉、死の壁や収容施設、大量の靴や鞄、写真など、そこで行われた事の悲惨さと人間の愚かさや怖さを実感できる施設となっていました。近くには、ビルケナウというもう一つの収容所跡がありますが、もうそこを見学するまでもないと思い、アウシュヴィッツを後にしました。

 

 クラクフからのもう一つの観光地、ヴィエリチカの岩塩坑跡は文句なしに楽しめる場所でした。ここもインターネットで事前予約をしていましたが、現地に到着するとやはり長蛇の列ができていて、ここでも胸をなでおろしました。インフォーメーションで予約を印刷した用紙を見せると入場チケットを発行してくれ、併せて写真撮影用のチケットも購入しました。時間になるとツアーが始まりますが、こちらは英語のツアーだったので、なんとか少しは理解することができました。見所満載で、全て岩塩でできた礼拝堂や岩塩の「最後の晩餐」のレリーフ、緑色に輝く塩湖などがあり、これらを2時間ほどかけて巡ります。ただ、注意が必要なのことは、そこそこ健脚でないととてもガイドツアーについていけないということです。最初に縦階段を70mほど(?)延々と下ってゆきますが、足の弱い人などはその時点で音を上げてしまうと思います。その後は、また延々と坑道のなかを歩いてゆきますし、移動もかなり早足です。かなりの体力を必要とするツアーであることには注意が必要です。特に、ツアー終了後、出口のエレベーターまでまた延々と歩きますが、みんな、こんな場所で集団から離れたらとんでもないことになるという思いで、遅れないよう必死についてゆくという雰囲気でした。ようやくエレベータに到着して地上に出ると、入った場所とは全く違う、街のど真ん中に出て来て唖然とします。そこからまた地図を頼りに、自転車を止めてあった岩塩坑入り口まで1キロほどを戻らなければなりませんでした。なかなか大変でしたが、日本では絶対に経験できない記憶に残る観光地でした。 

 

 ワルシャワでは、旧王宮やショパン博物館などを色々見学しましたが、どこもクラクフのように混雑はしていなく、殆ど並ばずに入場することができました。旧王宮はさすがに素晴らしい場所で、豪華な部屋の数々やレンブラントのコレクションなど見所満載でした。つまらなかったのは文化科学宮殿で、地上30階の展望台にのぼるエレベーターでは行列が出来ていましたが、その割には眺望もありきたりで、何も感心することのない場所でした。

 

 ワルシャワで最も楽しかったのは、夜の王宮広場や旧市街広場などです。ライトアップされていて、それらの夜景は昼よりも数段綺麗ですし、あちこちで大道芸をやっていて、これらを眺めて歩くだけでも楽しいひと時でした。ワルシャワやクラクフだけでなく、ポズナンやヴロツワフなどのどの地方都市でも必ず旧市場広場や旧市街広場などがあり、ここにはレストランやカフェなどが何軒も連なり、夜遅くまで営業しています。今回の自転車ツーリングではは毎日のように広場に出かけ、遅くまで夜のポーランドを楽しみました。そして、それを可能にしているのがポーランドの治安の良さです。夏の夜のポーランドを楽しみ尽くしましたが、今回は、一度も危ないと思わせる出来事や雰囲気はありませんでした。ポーランドへお出かけの際は、是非、夜の観光を十分に楽しんで頂きたいと思います。

 

 最後に、ポケトークについてですが、これを使って会話すると若い人は誰でも大喜びしてくれました。レストランの女性店員さんは、「わたし、これ大好き」と興奮して言ってくれました。相手が話すかなり長い話でも、ほぼ翻訳ができていました。利用価値は大いにありますが、本当の田舎へ行くと電波状態も悪く、地下などでは勿論使えませんから万全ではありませんが、通常の旅行では大いに役に立つのは間違いありません。是非、お持ちください。4回に分けて書いてきたポーランド自転車ツーリング報告もこれで終了です。これらのブログがポーランド旅行を計画している誰かのお役に立てば幸いに思います。

 

 

 自転車ツーリングでも、全行程を自転車走行だけという訳にはいかず、列車での移動も不可欠です。今回は、年齢的にもあまり無理はできないので、行程の半分ぐらいは列車移動としましたので、自転車ツーリングから見たポーランドの列車事情を報告したいと思います。

 

 まず、「地球の歩き方」などの列車情報に記載されている通り、ポーランドの鉄道会社は長距離用のPKP Intercity社と近距離用のPR社に分かれています。まず、近距離用のPR社の列車は、自転車は全く無料で自由に列車に乗せることができます。駅で聞いたところ、PR社の切符は、人一人と自転車一台分の値段だということですから、特に自転車用のチケットを購入する必要もありません。そのせいか、車両には何台もの自転車が積み込まれていて、人と自転車であふれているという状態でした。自転車で駅まで行き、そのまま列車に乗せて移動し、下りてからまた自転車で目的地に向かえるのです。何ともうらやましいシステムであり、日本もこのようになれば、地域交通の改善や健康増進面で大きなメリットがあるのではないかと思ったものでした。列車の中はかなり混んでいましたが、誰も自転車に舌打ちする人などはおらず、システムとして確立してしまえばトラブルなどは何も心配ないことも確信しました。地元の自転車ツーリング愛好家も沢山乗っており、列車でまず目的地まで移動し、そこから自分の街まで自転車でツーリングして帰るというパターンで楽しんでいるようでした。自転車スポーツを普及させるためには、列車に自転車を自由に乗せられるようにすることが一番の早道だと思いましたが、日本は細かいことに縛られる社会であるため、なかなか実現が難しいのが現実です。なお、余談ですが、この列車には犬もそのまま乗せられます。大型犬が座席の前にそのまま座っていましたが、もちろん、盲導犬や介助犬というわけではなく普通の犬です。日本は、ベビーカーにまで苦情を言う国民性ですが、これらを見ると、迷惑の感覚など何の根拠もなく、慣れてしまえばそれが普通に成立するものだということを、ポーランドは実証してくれていると感じました。

 

 長距離用のPKP Intercity社の場合でも、殆どの列車に自転車が乗せられる車両が付いています。特急のICや急行のTLKに何回か乗りましたが、全て自転車用の車両が付いていました。しかし、載せられる台数は普通は3台ぐらい(壁掛け式が主流)、多くて5台ぐらいでしたので、あまり多くはありません。PKPの場合には、自転車用のチケットを買わなければならず、料金は1台に着き9.2ズオティ(1ズオティが約30円)で、これを買わずに自転車を載せると高額の罰金を取られることになります。PKP社の列車は全て指定席なので、今回は、前日に次の日の乗車切符と自転車切符を買いましたが、目的の列車の切符が買えなかったのは4、5回のうち1回だけでした。その場合には、少し時間は掛かりますが、PR社の各停で移動すれば間違いなく自転車を運ぶことができます。各停といっても、特急で2時間の所が3時間ほどかかるぐらいですから、そんなには苦になりません。時間に余裕があれば、全行程で各停を利用すれば自由に自転車旅行が楽しめることになります。

 

 ポーランドの列車はとにかく混んでいます。特急列車は全席指定ですから、車内はすいているはずなのですが、なぜかデッキや通路に人が溢れていて、移動するのも困難な状況もありました。多分、立席特急券のようなものも販売しているのだと思います。特急列車に自転車を載せる時に一番困ったのは、到着した列車の何番の車両が自転車用の車両か分からないことです。車両の外側に自転車マークがついているのですが、それを見つけることがなかなか困難なのです。最初に自転車を載せた時は、取り敢えず車両に乗ろうとしたら車掌に止められ、別の車両に乗ろうとしたらそこでも別の車掌に止められ、危うく乗り損ねそうになりました。大慌てで車掌のいない車両のところに移動して無理やり乗り込みましたが、そこはやはり自転車用車両ではなく、検札に来た車掌に次の駅で車両を乗り換えるように注意されてしまいました。しかし、これも問題は解決しました。後で気が付いたのですが、実は、自転車用チケット付きで乗車券を買うと、自動的に自転車用車両の座席が割り当てられるのです。ですから、座席指定券に書かれた車両に乗ればいいだけだったのです。こんな簡単なことでも最初は気が付かず、右往左往するのが海外旅行というものです。

 

 しかし、このことで失敗もありました。旅行最後のクラクフからワルシャワ―までの特急列車移動に関しては、確実にチケットを買いたかったので、事前にPKP社のインターネットサイトで乗車券を購入していました。サイトでは、自転車用チケットは駅の窓口でしか買えないと書いてあったので、座席指定券だけ事前購入しました。クラクフからワルシャワ―移動の前日、駅で自転車用チケットを買おうとしたところ、自転車用チケットは乗車券とセットでないと買えないと言われました。インターネットで買った切符はどうすればいいか聞いたところ、いったんキャンセルして買いなおさなければならないと言われましたが、そのキャンセル申し込みの用紙を見て驚きました。A4サイズの用紙の表裏全面に記入欄があり、全てポーランド語です。そんなもの書けるはずもなく、かといってインターネットの切符を無駄にすることもできないので、仕方なく自転車用チケットを購入するのを諦めました。幸いにも、念のために輪行用のバックを持参していたので、そこで初めて自転車を折りたたんで移動することになりました。車両の荷物置き場に輪講袋につめた自転車を置きましたが、以前、ハンガリーで列車から自転車もろとも引きずりおろされた記憶がよぎり、今度は、固定物にがっちりと止めました。しかし、席でゆっくりしていると制服の男性が近寄ってきて、あそこに止めている自転車はお前のものかと聞かれました。ハンガリーでも同じことがあったので、また悪夢の再来かと震えましたが、男性についてゆくと、車内販売のカートが通れないので自転車をずらせということでした。カートが通れるくらいに自転車を置きなおして何とか無事に済みましたが、冷や汗ものでした。これまで、列車に絡んで何回もトラブルに見舞われましたが、今回は大きなトラブルはありませんでした。なお、これまでのトラブルに関しては、ブログ記事の中の「海外旅行は恐ろしい!」を是非ご参照ください。以上、ポーランドの列車事情ですが、少しでも参考になれば幸いです。

 

ポーランド旅行で印象的だったのは、何と言っても物価の安さです。短期の旅行ならそんなに影響がないでしょうが、16日も行っていると、宿泊代や食事代が安いということは全体の費用に大きく係わってきます。ウオヴィチで泊まった3星ホテルでは、バストイレ付きのツインルームで、朝食付きの料金が何と6,300円でした。決して場末のホテルではなく、街中の便利な場所にあり、建物も重厚な立派なホテルでした。日本ではシングルルームでさえこの値段ではとても泊まれず、他のヨーロッパの国の1/2~1/3の値段だと思います。値段が安いため安心して立派なホテルにも泊まれます。クラクフでの宿泊では、ヴィスワ川沿いに建つ5星ホテルのニビエスキ・アート・ホテルをとりました。ちょっと豪華な2部屋続きのジュニアスイートで、広さも45m、河を眺められるテーブル付のデッキがあり、トイレも2つあるという部屋でした。ここが全行程中一番高かったホテルですが、それでも1泊2万円でした。勿論、朝食も付いています。他の4星ホテルや5星ホテルでも1万円から1.5万円ぐらいでしたから、ポーランド旅行では、思い切って良いホテルをとることを強くお薦めします。

 

 勿論、レストランも格安です。ツーリング初日に昼食のためピザ・レストランに入りましたが、先ずビールを飲み、その後、直径30cm以上もある具だくさんの大きなピザを注文し、同時に白ワインのグラスワインを2杯頼みましたが、その値段が何と1,500円でした。一瞬、値段を間違えたのかと思ったほどでした。生ビールは特に安く、だいたい1杯150円ぐらいです。日本だと600円ぐらいでしょうから、1/4ぐらいの値段です。食事代で一番高かったのは、ヴロツワフのモノポールという5星ホテルに泊まった時であり、夕食は、ホテル1階にあるレストランに行きました。インターネットのレビューを見ていると、料金が高すぎると評判が悪く、街の人はあまり行かないと書いてありました。実際に行ってみると、さすが5星ホテルのレストランだけあって雰囲気は高級そのものでしたが、お客は私たち以外に1人もいませんでした。白ワインのボトルを頼み、料理を3皿ほど取りながらシェアーして頂きましたが、その料金が9,000円程でした。日本の感覚では安すぎるという所でしょうが、ポーランドでは高すぎるということでしょう。

 

 ポーランドでは日本食レストランが沢山あります。すし店が中心ですが、最近はラーメン店も多く、何処も客が一杯で人気があるようでした。ウッチのラーメン店(Ato Ramen)などは、店の外にまで10人ぐらいの行列ができるほどの人気で、雨も降っていたため、さすがに入るのを諦めたほどでした。数年前まで、すし店はかなり見られましたが、ラーメン店は殆どなかったのですが、最近はどこでもラーメンが大人気のようです。ポーランドの店の特徴は、店の中が立派なことです。外から覗いてみると、小さくて安っぽい店内のように見えるのですが、中に入ってみると内装もおしゃれで立派で、外から見た印象と全く違うのに驚くことが何回もありました。ポーランドでは店の外観には殆ど気を使わないようです。クラクフのとあるすし店では、店に入ったら客が一人もおらず、内装も安っぽい感じだったので、そのまま出ようかと思ったところに店員が現れ、仕方なくついてゆくと、地下にレンガ造りの立派なレストランが広がっているという所もありました。入った場所と地下の空間のギャップに驚かされました。勿論、料理とお酒をたっぷり楽しんでも、だいたい5千円までには収まります。日本食以外のポーランド料理やギリシャ料理の店などでも同様ですが、料理自体もかなりおいしく、どこも満足のゆく店ばかりでした。ポーランド料理は期待できないという先入観は間違いのようでした。

 

 今回泊まったホテルの中で、一番素晴らしいと思ったのは、ウッチのマニュファクトウーラ(織物工場跡地を再開発した施設)の中にあるヴィエナハウス・アンデル・ロッジという4星ホテルでした。外観はレンガ造りの重厚な外観ですが、中はがらっと変わってリノベーションされたモダンな内観になっており、客室内やホテル各部の空間なども、元の工場を偲ばせる面白いインテリアになっており、その建築的なセンスの良さに圧倒されました。ホテルの裏側には巨大なショッピングモールや劇場、美術館などの施設が集まっており、夜遅くまで賑わっていました。ホテルの最上階には、3面がガラス張りのプールがあり、そこからはマニュファクトウーラの全景やウッチの街並みが見渡せ、最上階の屋外にあるスカイバーも街の夜景が一望できるおしゃれな雰囲気の場所でした。5星でないのが不思議なくらいのホテルでした。

 

 逆に、今回の宿泊で最悪だったのは、トルンの宿でした。シェリブ・Iビーノというアパートメント形式の宿で、Booking.comでは4星、朝食付きになっていました。午後3時頃にトルンに着いて、地図でホテルの場所を探しましたがなかなか見当たらず、看板も出ていません。色々聞きまわってようやくここらしいという場所を見つけましたが、入り口のドアは開いていたものの、通路の奥にあるオフィスと書かれた部屋は鍵がかかっていて誰もいません。アパートメント形式ですから、受付がいないとどうしようもなく、他のホテルを探さないと仕方ないかと思っていたところ、地下の方から音が聞こえました。下に降りてゆくと、丁度、配管の工事をしている人がいたので、オフィスが閉まっていてチェックインできないと相談すると、その人が知り合いの人を電話で呼んでくれました。やって来た人に事情を話すと、また誰かに電話をしてくれ、部屋の号数と入り口のロックの暗証番号を聞いてくれて、ようやく部屋の中に入ることができました。工事をしている人がいなかったら危うく締め出されるところでした。その後、街に食事に出かけ、お酒を飲みながら広場で夜の街を楽しんだ後アパートに戻ると、何と建物入り口の扉が閉まっています。荷物などは全て部屋の中ですから、体一つで外に締め出されてしまったわけです。これには焦りましたが、上の階をみると道路に面した部屋に明かりが灯っていました。仕方なく、道路からアパートの窓に向かって「Anybody home?」と怒鳴っていると、暫くして、窓が開いて女性が顔を出してくれました。そこで、このアパートに泊まっているが、入り口の扉が閉まっていて中に入れない、中から開けて欲しいと頼むと、女性は扉を開けてそのまま部屋に逃げ込むように入ってしまいました。何とか部屋に戻ることが出来て、野宿は免れましたが、いっぺんで酔いも覚めてしまいました。翌日の朝、オフィスに行くと若い女性がいたので、昨夜のことで文句を言いましたが、Booking.comが悪く、こちらは悪くないの一点張りでした。よほどお金は払わないと言おうかと思いましたが、警察を呼ばれたりしてトラブルに巻き込まれたら大変なので、泣く泣くカードでチェックアウトしました。後で、Booking.comのレビューを見たら、何と、私たちの3日前にも日本人がこのアパートメントを予約し、その人は外の扉が閉まっていて中にも入れず、泊まっていないのだから料金を返して欲しいと書き込んでいました。Booking.comの予約では午後3時以後はチェックインができることになっていましたが、受付の若い女性がいい加減で、勝手にオフィスを閉めて何処かに行ってしまうということを繰り返していたのだと思います。これからは、アパートメントは止めようと連れと話し合ったものでした。

(追:記事投稿後にこの宿を調べてみましたが、すでにBooking.comからは削除されているようです。一安心です。)

 

 

 今回は、ポーランドのホテルとレストランについて報告しました。次回には、ポーランドの観光地や自転車事情などについて報告したいと思います。

 

 8月7日から23日までの16日間、ポーランドを夫婦で自転車ツーリングしてきました。ツーリング先にこの国を選んだ理由は前回のブログで書きましたが、①治安が良い、②コースが平坦、③物価が安い、④観光資源が多い、⑤日本からの直行便がある、などですが、実際に走ってみてこれらの条件が間違いではなかったことを実感しました。またマイナス面としては英語が通じない場所が多いということが懸念されましたが、地方のレストランなどでは確かに不自由な点もありましたが、それが苦痛になるほどではなく、むしろ旅の良い思い出の一つとなりました。ポーランドというのはフランスやイタリアなどのメジャーな観光国ではないため、インターネットなどの情報も豊かではありません。そこで、今回の自転車ツーリングの詳細を何回かに分けて報告し、それがこれからポーランドへ向かう人への情報提供になればと考えています。では最初に、今回の全体行程から紹介し、その後、何回かに分けて詳細を報告したいと思います。

 

 成田からの直行便は、ワルシャワの南西10km程の所にあるフレデリック・ショパン空港に到着します。ポーランドは何処に行ってもショパンの関連施設に巡り合うほど、ショパンを誇りにしている国です。同じく、キューリー夫人やコペルニクスもポーランドの偉人ですが、ショパンは別格と言ってもよいと思います。空港自体はあまり大きくはありませんし、周りにも殆ど何もありません。夕方に空港に到着したので十分に街まで出ることはできたのですが、敢えて空港前のホテルに一泊することにしました。理由は、自転車の梱包箱をホテルに預けるためです。空港には2週間以上荷物を預けられるところはありませんが、帰りのために梱包箱は必要です。梱包箱は自作のもので、折りたたんで70cm角ほどの大きさになるように造られていますが、これを持ち歩きながらツーリングはできません。そこで最終日に再び空港前の同じホテルに泊まり、その時までホテルで梱包箱を預かってもらうのです。手荷物預かりのない空港では必ずこの方法をとりますが、今まで断られたことは一度もなく、皆な快く預かってくれます。我ながらうまい方法を考えたものだと思っています。

 

 翌朝からいよいよツーリング開始です。まずは空港からソハチェフまでの70km(実走距離)のツーリングですが、アップダウンの無い平坦なコースだったので楽勝と考えていましたが、ホテルを出発すると何と強風の向かい風。途中で風向きが変わることを期待していましたが、結局最後まで向かい風のままで予想以上に疲れました。無風状態なら100km以上の走行に相当する疲労でした。ショパンの生家などを巡りながら、ソハチェフの街に到着し、その名もホテル・ショパンという4星のホテルに宿泊しました。

 翌日は、ウオヴィチまでの50km走行。2日目は少し短めに設定してありましたが、これが正解で、前日の疲れもあり最後の方では連れがかなりバテていました。自転車ツーリングは慣れているとはいえ、何せ、私が68歳、連れが66歳です。休憩を十分に取り、余裕の行程を計画したつもりだったのですが、ポーランドの田舎は休めるカフェやレストランが殆どありません。小さな街に着いても店がないため、結局、そのまま走ることになり、休憩が不足がちになり、疲れがたまったのかもしれません。おまけに、この日もまだ向かい風のままでした。マウジツエ古民家博物館を経由してウオヴィチの街に入る予定で少し回り道をしたのですが、その博物館は既に廃屋のようになっていて見るものもなく、「地球の歩き方」に騙されて余計な寄り道をしてしまいました。ウオヴィチもソハチェフと同じく小さな町でしたが、石畳の道や古い教会、街の広場などポーランドらしい雰囲気の、心地よい街でした。

 

 3日目は、ウッチまでの60km走行です。これまでの田舎の道とは違い、14号線という幹線道路を走るコースだったため、今日は我慢の走行になるかと思いましたが、道の横に幅1.5mぐらいの側路帯があったため、大型トラックが横を通っても車を気にせずに快調に走れました。また時折、側路帯が切れたところもありましたが、そのような所では車が大きく自転車をよけて走ってくれるので、殆ど怖い思いもすることもなく走行ができました。ポーランドの人の自動車運転のマナーは素晴らしく、自転車をよけてくれることは勿論、横断歩道に立てば必ず車が止まってくれ、待つ時間が殆どないぐらいでした。日本人もこのマナーは学ばなければならないと感心しました。幹線道路だけあって店も多く、昼食も休憩もたっぷりと時間をとってのんびりツーリングを楽しみウッチに到着しました。ここで楽しみにしていたのがマヌファクトウーラという織物工場跡地を再開発した地域です。ホテルも元の工場をリノベーションした建物で、外観の重厚なレンガ造りとは裏腹に、内部は一変しておしゃれでモダンな内装となっており、その建築的なセンスの良さに驚かされました。このマヌファクトウーラやその他のリノベーション建物については、別稿で詳しく紹介したいと考えています。

 

 4日目からは7日目までは、自転車での街歩きをメインに考えていたため、午後の3時過ぎまで自転車で街のあちこちを観光して回り、その後、列車に乗って次の街に移動するという行程を繰り返しました。列車移動については、現地へ行って初めて分かったことや注意しなければならないことが沢山あるので、これについても後日別稿で報告したいと思います。街歩きをしたのは、最初は、街全体が世界遺産のトルン、そこから次の日は大聖堂など歴史的建造物が数多く残っているポズナン、そして百年記念会館が世界遺産となっているヴロツワフ、最後がカトヴィッツであり、何れの都市も見所が多く、昼は観光、夜は旧市街の広場でお酒を飲みながら夜のポーランドを楽しむということを繰り返しましたが、実に楽しい毎日でした。もちろん市内の移動は全て自転車なので、機動力があり何処でも廻れ、多い時には一日で40kmほど走っていた日もありました。

 

 カトヴィッツからはまた自転車ツーリングの再開で、この日のお目当てはオシエフィンチムの街まで40kmほど走り、アウシュビッツの収容所を見学することでした。収容所内見学の時間が決められていたので、朝早めに出発し昼前に到着し、午後からアウシュヴィッツを見学しました。他の観光地とも併せ、これらの詳細や注意点についても別稿で紹介したいと思います。見学後、更に25kmほど走ってザトルの村に到着し、畑の中にポツンと一軒だけ作られているモダンなホテルに宿泊しました。

 翌日は、クラクフまでの自転車ツーリングで、川沿いの自転車専用道路などを気持ちよく走り55kmほどでクラクフのホテルに到着、そこから3泊してクラクフ観光を楽しみました。その間には、自転車で20kmほど離れたヴィエリチカ岩塩坑跡を往復し、近郊への観光ツーリングも行いました。

 

 クラクフからは特級列車で最終目的地のワルシャワ―に移動し、市内のホテルに2泊して旧王宮やショパン博物館、その他多くの街中観光をしましたが、ワルシャワ―は東京に、クラクフは京都に例えられるだけあり、街の雰囲気も観光地も圧倒的にクラクフの方が楽しいという印象を受けました。ワルシャワ―の最終日には、街の南方15kmほどの所にあるヴィラヌフ宮殿を経由してショパン空港前のホテルに再びチェックインし、預けてあった自転車梱包箱を受け取り、自転車を無事梱包し、日本への帰途につきました。

 今回の海外自転車ツーリングでは、英語が通じなかった時のためにポケトークを持参していましたが、これが実際に役に立ったかどうか、また、16日間も個人旅行をしていると、小さいながらも様々なトラブルもありました。これらの詳細やホテルやレストランの情報なども併せて、ポーランド個人旅行に役立つ情報を次回から紹介したいと思います。興味のある方は是非、ご一読ください。

 

 毎年8月に出かけている夫婦での海外自転車ツーリングも今年で11年目を迎えます。これまで、フランス、オランダ、ベルギー、イタリア、ニューカレドニア、カナダ、オーストリア、スロバキア、ハンガリー、ドイツ、イギリス、フィンランド、スエーデン、ハワイを走ってきましたが、いよいよ今年は私が68歳、家内が66歳の夫婦ツーリングとなります。春のスキー旅行から帰ると、早速、自転車ツーリングの計画に入りますが、これまでいろいろ出かけているので、もう、是非ここに行きたいと言う場所は出てこないのではと感じていました。しかし、調べていると海外自転車ツーリングにこれほどぴったりと条件が合う場所があるのかと感心するような国を発見してしまいました。海外自転車ツーリングのコース選定にはいろいろ条件があります。今回の候補地は、それらを全て満足しているうえに、これまでに無いようなメリットが数多くある場所です。その条件を紹介しながら、この国の長所を説明してゆきたいと思います。

 

 まず、第一の条件は「治安が良いこと」です。これは最優先の条件であり、これまで走った様々な場所もほぼこの条件を満たすところを選んでいます。それでも海外旅行にはトラブルはつきものであり、これまで様々な災難に見舞われました。これらの詳細は当ブログの「海外旅行は恐ろしい!」を参照して頂きたいと思いますが、今回の国は、これまでのどの国よりも治安が良いのではないかと思います。外務省の海外渡航情報や旅行雑誌の解説などを見ても、ヨーロッパの他の国よりも安全であると治安の良さを謳っていますし、歴史的な出来事を通して日本人に対する好感度も高いということです。よほど迂闊なことをしない限り、トラブルに見舞われることはないのではないかと楽観しています。

 

 第二の条件は、ツーリングコースが平坦で、かつ自転車道などの整備が進んでいることですが、この条件では、さすがに何処の国もオランダには敵わないと思います。オランダは1週間走っても一度も坂がありませんでした。そこまではいかなくても、この国もアップダウンの少ないほぼ平坦なコースを自由に設定することができます。おまけに、道路の整備が進んでいる割に、車の量が極端に少ないのです。グーグル・ストリートで様々な場所を調べていますが、殆どの道路の画像に車が一台も写っていないという状態であり、何処もまるで自転車専用道路のようです。もちろん、鉄道網も整っており、現在計画しているツーリングコースにはほぼ鉄道が並走しているので、疲れた時などの対応も容易です。もちろん、自転車はそのまま列車に乗せることができます。

 

 3つ目は必須条件ではないものの、この国を旅行する上では大変に大きな特長となるものです。それは他のヨーロッパ諸国と較べて物価が大変に安いということです。ホテルの宿泊費で示せば、5つ星の最高級クラスのホテルが1泊1万2千円~1万5千円程度で泊まれます。4つ星クラスだと8千円~1万円程度、3つ星クラスだと何と二人で5千円程度です。これで朝食代まで含まれるホテルもあり、全く驚くような料金です。ハワイのワイキキに泊まった時は、4つ星ホテルの朝食無しで一泊6万円ほどしましたから、この国ではハワイの5分の1以下の料金で泊まれることになります。ヨーロッパの他の国と較べても、概ね、3分の1くらいの物価だと思います。もちろん、レストランなどの値段も同様であるため、全体的な旅行費用としては、航空料金を除けば通常の約3分の1で済むことになります。その分、長期で滞在できることになり、これは自転車ツーリングでは大変に有難いことです。

 

 4つ目は、この国は観光資源が大変に豊かなことです。海外自転車ツーリングですから、ただ自転車で走るだけではもったいなく、行く先々に観光や見学ができる場所があることが望ましいのです。できれば、1日のコースの中に1カ所の観光先があれば有難い所です。現在設定しているコースでは、ほぼこの条件を満たすことができ、多くの観光地や街を巡りながらの旅行となりそうです。特に、私たちは自転車でのんびりと街歩きをすることが好きなのですが、この国の首都の街をはじめ、第二、第三の街など何れも中世の雰囲気を色濃く残した風情溢れる街並みが広がり、多くの場所が世界遺産に登録されています。大聖堂や宮殿などの華麗な建築物群や、レストランや大道芸人などが集まる広場の雰囲気、まさにヨーロッパ旅行の醍醐味を味わえるものとなっています。

 

 この国への自転車ツーリングを最初に思いついたのは、数年前に成田からの直行便が就航したからでした。自転車等の大型荷物を伴う旅行では、出来るだけ乗継便の無い目的地の方が荷物の安全性などから望ましいのです。仮に、近郊都市からの乗り継ぎが必要だったら、多分、今回の旅行先には選んでいなかったと思います。その他の条件としては、やはり夏の自転車旅行ですから暑くない場所でないと大変です。以前、8月にイタリアをツーリングした時は、連日の暑さで脱水状態のようになってしまいましたが、この国の8月の平均最高気温は22度ぐらいですから、自転車ツーリングには申し分のない条件です。その他、日没が遅いのもメリットの一つと言えるでしょう。

 

 これまでは長所ばかりを列挙してきましたが、もちろん短所も存在します。今までの経験で、この国の自転車ツーリングでの一番の問題点は、旧共産圏の殆どの国で共通することですが、英語が通じないということです。特に、自転車ツーリングでは田舎や地方の街を走りますので、英語が使えないと大変苦労をすることがあります。ロシアやハンガリーでの印象では、英語が通じないのではなく、英語自体が嫌いだという街の人の雰囲気でした。そこで、この対応として今回はポケトークを持参することにしています。値段はSIM付きで3万円ほどしますが、現地での不便さを考えれば仕方がありませんし、また、現地の人がどんな反応を示すかも楽しみです。まだ、実際に購入して使ってみた訳ではないので期待通りの役に立つかどうかは分かりませんが、この国の言語には殆ど馴染みがないため仕方がありません。

 

 さて、ここまで書き進めてきましたが、今回は何処の国に旅行する予定かもうお分かりでしようか。そうです、ショパンとキューリー夫人の故国、あの国です。

 

3月の初めからオーストリアのゼルデンにスキーに出かけてきました。2年前にこのスキー場を初めて訪れましたが、すっかり気に入ってしまい、今回2度目の訪問となりました。前回訪問時の2編のブログで、スキー場やホテルなどについてはかなり詳細に報告しましたので、今回は2年ぶりの訪問での新発見やトピックス、あるいは、この2年での変化などについて報告したいと思います。

 

ゲレンデやリフト、ゴンドラなどの設備は殆ど変化はありませんでしたが、ガイスラッハコール(GAISLACHKOGL)の山頂(3058m)に「007Elements」という映画007シリーズのインスタレーション(展示施設)が新たに作られていました。Ice Qというガラス張りのレストラン建物の横に鉄筋コンクリート造の恒久施設として建てられていますが、ゲレンデからはあまり見えないよう景観に配慮して設計されているものの、中に入ると3000mの山頂によくこんなものを造ったなと思えるような建物でした。感心したのは、永久凍土に影響を及ぼさないように室内温度は1℃に抑えられているということで、この辺はやはりヨーロッパだなと思いました。入場料は22ユーロでしたが、内部には様々な007関連の展示や映像施設があり、値段相応に結構楽しめました。私は007シリーズが大好きで全ての映画を見ているので、帰るまでに必ずここには行こうと思っていましたが、丁度、天候が悪くなり滑りづらくなった時を見計らって見学をしました。007Elementsに関しては、インターネットでも検索できますから、興味のある方はそちらをご覧ください。なお、この施設がこの場所に建てられたのは、このガイスラッハコーやゼルデンが映画「007スペクター」の撮影場所として使われたためであり、Ice Qや20人乗りのゴンドラなども映画に登場します。こちらも興味のある方は是非ご覧下さい。

 

もう一つ、新しい施設が出来ていました。それは AQUA DOME という巨大な温泉施設です。スキーの最終日は朝から雪が降っており、山も見えないほどガスっており、天気予報でも一日中悪天候の予想だったので、スキーは諦めてこの温泉施設に出かけることにしました。場所はゼルデンではなく、バスで20分ほど行ったレンゲンフェルド(Lengennfeld)という村に作られています。バスはスキーパスを持っていれば無料で乗ることができました。バスを降りて10分ほど歩くと、巨大な何か山小屋風の建物が見えてきます。滞在時間別に3時間コースと1日コースがあり、私たちは3時間コースにしましたが、建物内や屋外に大小さまざまな形の温泉施設があり、サウナも10種類近くあるため、食事をする時間などを含めると3時間では足りないくらいでした。スキーオフの日には十分に楽しめる施設です。なお温泉施設といっても、こちらの温泉は、いわば少し暖かい温水プールのようなもので、みんな水着を着て入っています。サウナに関しては水着は脱いで全くの裸で入ることになりますが、男女混浴ですから、日本人はバスタオルなどを用意した方がよいと思います。現地の人はタオルも使わず裸でそのまま入っている人の方が多く、ホテルのサウナでは、若い女性3人が裸で寝ているという場面にも遭遇しました。全く大らかなものだと感心します。

 

2回の訪問でゼルデンのゲレンデはほぼ全域を滑り終えることが出来ました。シュバルツコーグル(SCHWARZKOGL)など、距離は短くても滑りごたえのある上級コースも面白いですが、中でもやはり一番のお気に入りは、ティッフェンバッハ(TIFFENNBACH GLETSSCHER、2796m)とリッテンバッハ(RETTENBACH GLETSCER、2684m)のエリアを結ぶスキーコースです。ティッフェンバッハコーグル(TIFFENNBACHKOGL、3340m)の頂上を挟んで、トンネルを抜けたり、ゴンドラやリフトで両側のゲレンデコースを行ったり来たりするエリアで、広大さと景色の良さでゼルデンで一番のピステではないかと思います。3000m級のピステですから雪質は申し分ありません。ここだけで十分に1日は楽しめますが、この山頂から街まで1回滑り降りると約15kmあり、斜度のきつい部分もかなりありますから、十分に余力を残しておく必要があります。なお、ジジーヨッホ(GIGGIJOCH)行きのゴンドラ乗り場に裏に、その日の滑降データーが表示される機械があり、スキーパスをかざすと結果がプリントアウトされて出てきます。時間、標高差、滑降距離、場所などが折れ線グラフで表示されますので、毎日これを集めておくとスキー旅行の良い思い出になると思います。滑降データーによれば、大体、1日の滑降距離は40~50kmぐらいになるようです。

 

ここまで、海外スキーの楽しい話ばかりでしたが、今回は、実はトラブルもありました。スキー初日のことですが、まずジジーヨッホGIGGIJOCH)に上り、そこから8人乗りのリフトで更に少し上り、足慣らしにとゆっくりと滑り降りました。海外スキーに行くと、いつも初日に連れが気分が悪くなりレストランで休んだりしているので、これを警戒してゆっくりと標高に体を慣れさせようと注意しての滑りでした。調子を聞くと何ともないという返事だったので、更に少し高いところまで上って滑り降り始めると、急に雪混じりの風が吹き始め、雪面もやや見えにくくなりました。それでも大丈夫だというのでそのまま数百m滑り降りましたが、ゲレンデ途中で連れが突然動かなくなってしまいました。先に滑っていたので斜面を八の字歩行で登って様子を聞くと案の定、急に気分が悪くなりめまいがするとのことでした。それでも最初は横滑りで少しずつ下りながら休めるところまで行くと頑張っていましたが、その途中で吐いてしまい、その後はうずくまって動かなくなってしまいました。レストランまではまだ1~2kmあるので、横滑りで降りることもできず、めまいで立てないような状態にまでなってしまいました。アルプスのゲレンデ内でいつまでも休んでいるわけにも行かず、これが限界かなと思い、遂に助けを求めることにしました。私がその場所を離れるわけにはいかないので、そばを滑っていたカップルに手を振り大声を掛けて捕まえ、男性に救護所に行ってスノーモービルで迎えに来てくれるよう連絡してくれるように頼みました。男性は了解してくれそのまま猛スピードで滑り降りてゆき、女性はスキーをクロスに立てて目印をつくると、その後は連れの世話をしてくれていました。数分するとスノーモービルが到着し、連れはそれに載せられてゲレンデを下ってゆきました。

 

 私も大急ぎでゲレンデを滑って下り、教えてもらった病院に駆けつけました。病院に着いたところ、丁度そこに救急車が到着し、中を見ると連れが乗っており、ストレッチャーでそのまま病院内に運ばれて行きました。その後、医師の問診や心電図、点滴などが行われ、2時間ほど経ってようやく連れの体調も回復し、病院を後にすることが出来ました。病気関連の英語の専門用語など殆ど知らなかったので説明などにかなり苦労しましたが、身振り手振りを交えて何とか対応することは出来ました。治療費はかなり掛かりましたが海外旅行保険に入っていたので、費用はそれで全部賄うことができました。

 

 大変な初日になりましたが、2日目以後は連れの体調もゲレンデの天候もすっかり回復し、十分に海外スキーを楽しむことが出来ました。今までの海外旅行で様々なトラブルに見舞われてきましたが、最近は、慣れてきたのか殆ど動じないで対応できるようになりました。なお、これまでのトラブルはブログ「海外旅行は恐ろしい!」に詳述していますので、そちらもご笑覧下さい。来年は、ゼルデンに来るかどうかは分かりませんが、これに懲りず、また何処かで海外スキーを楽しみたいと考えています。

 

 

 昨年の北欧1カ月自転車ツーリングの第3回目を書こうと思いながら、いつの間にか時間が過ぎ、もう今年の夏のツーリングも終了してしまいました。今年は、ハワイのオアフ島を走りましたが、その報告をしたいと思います。ハワイは北欧などに比べて身近な場所ですから、これから行かれる方にも色々と参考になるかも知れません。

 

 今回のツーリングで一番印象に残ったのは、何と言っても自転車泥棒の凄まじさです。場所はホノルルの主にダウンタウン地域です。オアフ島一周ツーリングを終え、昼近くにホノルルに到着し、アラモアナ・ショッピングセンターで昼食をとることにしました。ハワイは自転車を決められた駐車場所に止めないと、自転車でも駐車違反になるとネットに書いてあったため、1階駐車場の中にある自転車用の駐車スペースに止めることにしました。この場所は、ショッピングセンターから駐車場の車路を1本挟んだところにあり、車路の反対側は店舗の前の通路になっているため、大勢の通行人からも自転車が見える所だったため、これなら固定物に繋いでおけばまず大丈夫だろうと思いました。念のため、2台の自転車のフレームと前輪を太いワイヤーロックで固定物に繋ぎ、後ろの車輪は、別のワイヤーロックでフレームに連結しました。ハワイでは、サドルの盗難も多いということで、サドルは別の短いワイヤーロックで既にフレームに繋いでありました。万全の盗難対策をして、メーターやライトなど小物も全て外し、昼食に出かけました。昼食を食べ始めた時に、空気入れを取り外すのを忘れていたことに気づき、慌てて自転車の所に戻ると人の後ろ姿があり、何やら盛んに作業をしています。よく見ると、大きなワイヤーカッターで前のワイヤーロックを切ろうとしていました。ワイヤー部分は切れないのでダイヤルキーとの付け根の部分を切ろうとしているようでした。後ろのワイヤーロックは既に切られ、床の上に落ちていました。

 

 「何をしてる。この泥棒!」と後ろから大声で怒鳴ると、振り向いた若い男がワイヤーカッターを振りかざしてこちらに向かってきそうになりましたが、距離を取ってなおも大声で怒鳴りつけると、人が集まって来ると拙いと思ったのか、悪態をついて走って逃げてゆきました。戻るのが、あと5分遅かったら多分ルイガノの高級自転車2台が盗まれていたことでしょう。また、あと5分早かったら、その後に自転車を盗まれていたに違いありません。正に、辛くも自転車盗難を防ぐことが出来たというタイミングでした。この自転車置き場には、他に2台の自転車が止めてありましたが、その内の1台は、2つのロックと鎖で固定されていましたが、シートポストごとサドルがなくなっていました。他の道路端の駐車用金具には、ロックした前輪だけが無残にも残されて、その他の部分はフレームごと盗まれている物もありました。予想以上に自転車盗難が多いのに本当に驚きました。

 

 別の日の日曜日にダウンタウンを走ってみると、ウイークデーとは全く違って町は閑散とし、人の姿が全く見えないゴーストタウンのような様相であり、その中で、ホームレスが盗み集めた自転車の解体を道路端で堂々と行っていました。空港へ向かう自転車道の脇にはホームレスのテントがあり、その横には自転車が山のように積まれていました。まるで廃品回収を行うように、自転車駐車場から自転車を盗んでくるというのが当たり前になっている社会のようで、日本とは全く違う自転車事情に驚かされました。ホノルル、特にダウンタウンでは、例え駐車違反になっても、絶対に目の届かない所に自転車を止めてはいけないと実感し、その後はこれを実践しました。今までヨーロッパやカナダなど多くの場所を走ってきましたが、これほど自転車の駐車に気を使ったのは初めてでした。

 

 盗難の話ばっかりになりましたが、オアフ島一周ツーリングはなかなか変化にとんだ面白いコースでした。一番の難所は、カエナ・ポイントの岬をぐるっと廻る10kmほどのトレイルコースです。心配したのは、果たして自転車でこの場所を通過できるかどうかでしたが、悪路や崖や3カ所のフェンスなどがありましたが、自転車を担いだりしながらなんとか通過することが出来ました。ただ、やはりかなり疲れたため、その日のツーリングの最後の方はバスのお世話になってしまいました。ハワイのバス(ザ・バスと呼ばれています)は前面に自転車を載せる2台分のラックが付いており、追加料金なしで載せることが出来ます。疲れたらバスに自転車をそのまま積んで移動が出来るため、安心感もあり、鉄道の輪行などより遥かに便利です。これはハワイ自転車ツーリングの一番の特長だと思いました。道路自体は自転車道や自転車レーンが整備されていない所が多く、ヨーロッパなどよりは走りづらい所も多いですが、ツーリング自体を楽しめないというほどではありません。ホノルルだけでなく、様々なハワイを楽しみたいという人には自転車ツーリングはお薦めだと言えるでしょう。

 

 追加の情報として、オアフ島の空港(ダニエル・K・イノウエ空港)には何もありません。食事をするところもなければ、勿論、自転車の運搬箱を預けるところもありません。ワイキキまで行けば手荷物預かりもあるようですが、自転車に乗って運搬箱を運ぶのは困難ですから、空港周辺で処理するよりありません。そんな時はいつもの手で、到着時と出発時のホテルを同じにして、また泊まるからそれまで荷物を預かってくれと頼みます。今回もそのようにして運搬箱の預かりを頼みましたが、マネージャーと相談していましたが問題なく了解してくれました。今まで何回かこの手を使いましたが、まだ断られたことはありません。

 

 ハワイの観光については、多くの情報が溢れていますのでここで書いても仕方ないので省略します。ただ、8月の自転車ツーリングは暑いから無謀だと言われたこともありましたが、実際はそんなことはありませんでした。暑いのはホノルルだけであり、北部や東部などは暑さを殆ど感じないような気候でした。おまけにツーリング途中にビーチで海水浴やシュノーケリングを楽しめます。これはヨーロッパツーリングなどでは味わえないハワイ・ツーリングの楽しみです。トータルの結論として、オアフ島自転車ツーリングは十分に満足できるものと言えると思います。

 

 出張で投稿が1日遅れてしまいましたが、北欧自転車ツーリング報告の続きです。ヘルシンキの2日目と4日目は、市内観光と近郊ツーリングを楽しみました。観光案内書にある様々な所を自転車で回りましたが、印象に残ったのは2つだけでした。一つは、テンペリアウキオ教会で、これは岩盤をくりぬいて作られた教会です。街のど真ん中に巨大な岩の塊があり、そこを上からくりぬいてガラスの屋根をかけて教会にしたものです。岩肌がむき出しになった壁と上部に円形に広がる採光のためのガラス天井のコントラストが印象的であり、手を叩いて試してみましたが、音の響きも過剰ではなく音響効果もよさそうでした。思い出しましたが、昔、日本でもバブルのころに神戸の六甲山の岩盤をくりぬいて、内部にコンサートホールを作るという計画がありました。バブルがはじけて、この途方もない計画はさすがに実現しませんでしたが、ヘルシンキでは実際に実現しているのに驚かされました。

 

 もう一つは、中央駅の近くにあるフィンランディアホールです。これは、フィンランドの世界的に有名な建築家、アルバー・アールトの設計によるコンサートホール兼会議場です。50年ほど前にこれだけモダンな設計がされていたことに驚きましたが、現地では、アールトは大変に有名みたいで、丁度旅行中にアテネウム美術館でアールト展をやっていましたし、郊外のエスポーにはアールトの設計した大学建築が連なるアールト大学もありました。アールト大学見学中に、丁度、日本の建築家風のご夫婦に出会い、自転車で北欧を回っていると話したら大変に感心してくれました。

 

 他にもヘルシンキ大聖堂を始めとして観光名所は色々ありますが、取り立てて感心するところはありませんでした。街中の観光地よりは、郊外をツーリングした時の景色の良さと、整備された自転車道の方が印象的でした。郊外はほぼ自転車専用道路が車道に沿って併設されており、大変に走りやすく、起伏もそれほどではないため自転車ツーリングには最適でした。ヘルシンキの市内は至る所で道路端の工事をしており、それだけでも走りづらかったのですが、後で気が付いたのですが、その工事の殆どは自転車道を新設するためのものでしたから、数年後には、ヘルシンキの街中の殆どに自転車道が整備されることになるでしょう。快適に整備されたその時期にもう一度来てみたいものだと思いました。

 

 ヘルシンキ滞在の3日目は、エストニアのタリンへの1泊旅行に出かけることにしました。早朝、クラリオンホテルから500mほど南に下ると、フェリー会社タリンク・シリアラインのターミナルがありました。電光掲示板には夕方の便のフェリー案内が一つあるだけで、タリン行きの案内がありません。カウンターも全て閉まっていたので、仕方なく、カウンターのガラスをドンドンと叩いたところ、ようやくおばさんがガラス扉を開いてくれました。タリン行きの切符を買いたいというと、もう一つ先に新しいターミナルがあるのでそこへ行けと不機嫌そうな表情で言われました。自転車でまた少し走ると、先ほどの古いターミナルとは打って変わって、新しい巨大なターミナルの建物が見えてきました。こちらのターミナル2の方に殆どが移っていたのですが、旅行案内には何も書いてなかったので、危うく間違うところでした。

 

 カウンターで乗船券と自転車券を申し込むと、予約シートを発券してくれました。自転車は自動車と同じチェックイン場所から乗るように言われ、自動車がずらりと列を作る場所に移動しました。チェックインポイントで、予約のシートとパスポートを見せると乗船チケットを発行してくれましたが、その後が大変でした。乗り込みが開始されるまでの間、生憎の雨と風の中、雨除けもない所でずぶぬれになり、雨具はつけていたものの寒さに震えながら30分以上待たされました。幸いに、自転車は自動車に先立って最初にフェリーに乗せてくれたので、船内では一番快適な場所をゆっくりと確保できました。こちらのフェリーは大型で、日本のフェリーとは全く違って、立派なレストランが3つぐらいあり、スーパーマーケット(酒類の販売がメイン)やダンスホールまでありました。ゆっくりとワインなどを飲みながら2時間ほど過ごすと、フェリーはエストニアの首都、タリンに到着しました。エストニアもシェンゲン条約加盟国ですので、パスポートチェックも無くそのまま上陸することができます。

 

 フェリー乗り場からタリンの旧市街までは1kmぐらいしかなく、殆どの人は歩いて旧市街へ向かいます。自転車では数分で旧市街入り口の海洋博物館のある門へ到着しますが、そこから中の道路はすべて石畳で、それも凹凸のある細かな石畳だったため、殆ど歩くようにして中央部に進んでいきました。タリンの旧市街は、街全体が世界遺産(タリン歴史地区)に登録されていて非常に美しく、まるでタイムスリップしたような中世の街並みや広場が広がっていました。規模はさほど大きくなく、一日で歩いて回れるぐらいですが、城壁で囲まれたその中の景色の統一感と美しさは、これまで世界の多くの街並みを見てきましたが、間違いなく3本の指に入るものでした。城壁の外へ一歩出ると、夢からさめたような普通のヨーロッパの都市の景色であり、そのギャップも面白いと思いました。久々に、街の中心の広場に向かう道でわくわくした気分を味わいました。

 

 タリンでの宿泊は、市庁舎広場の近くのバロンズホテル・タリンというホテルに泊まりましたが、そこもクラシカルな雰囲気に溢れ、特に、昔の映画に出てくるような手動で開け閉めする古いエレベータがあり、いかにもタリンの街に宿泊しているという印象を強くするものでした。食事に入ったレストランも、スタッフが男女とも皆な民族衣装を着てサービスをしており、街の観光方針として中世へのタイムスリップ感を演出する形で運営されているように感じて好感を持ちました。

 

 タリンの2日目は、フェリーの出発時間まで近くのシープレイン・ハーバーという海洋博物館を見学しましたが、潜水艦などが展示されていますが、その演出、特に光の演出が巧みで、十分に楽しむことができました。帰りのフェリーはガラガラで、雨が降ることもなく順調に乗船することができ、船旅を楽しみながらヘルシンキに戻ってきました。ヘルシンキに旅行するなら、タリンは絶対に外せないスポットだと強調しておきたいと思います。

 

 これまで毎年、8月には夫婦で海外自転車ツーリングに出かけてきましたが、その殆どが10日前後の行程でした。それでも十分に海外自転車ツーリングの醍醐味は味わえましたが、今年はその3倍、7月末から約1カ月にわたるツーリングに出かけてきました。場所は北欧です。ただ、デンマークは以前にアパートを借りて2週間くらい暮らしたことがあり、ノルウエーはフィヨルドに代表されるように高低差の激しいコースになりそうな懸念があったため、結局、フィンランドとスエーデンの2か国に限定しました。また、1か月と言ということで、毎日毎日自転車だけ漕いでいるのはさすがにもったいないので、今回は主に、街歩きツーリングと近郊ツーリングを中心にした計画を立てました。これから何回になるか分かりませんが、今後、北欧を自転車で旅する人の参考になるように、旅行の詳細を報告してゆきたいと思います。

 

入国先はフィンランドのヘルシンキにしました。成田からの飛行時間は約9時間半と、他のヨーロッパの都市に行くよりも遥かに短く、実際にも、殆ど長時間の搭乗という印象はありませんでした。航空券はかなり早くに手配を済ませ、細かなことは何も決めず、取り敢えず1か月ということで、出発の日と帰国の日だけを決めて予約を行いました。この時に、自転車を持参することを航空会社に伝え、大きさや梱包の条件などを確認しました。どこの航空会社も、重さ32kgまで、大きさは3辺合計で250cm以内ぐらいまではOKなのですが、別途に料金が掛かるところと掛からない航空会社があり、フィンランド航空(フィンエアー)の場合には片道75ユーロが請求されました。往復で一人2万円以上になるので、格安航空券を利用している人間にとっては大きな出費となりますが、これはどうにも仕方ありません。

 

梱包の条件は、タイヤの空気を抜き、ペダル等を外し、ハードケースに収納するというものです。ハードケースはプラダン(プラスチック製段ボール)を使った自作の収納箱であり、寸法は3辺合計で204cmですが、空港到着後には更に折りたたんで小さくして手荷物預かりに預けられるようになっています。海外自転車ツーリングのために考えた自信作で、もう5年以上も使っていますが、未だに問題なく使えています。また、ペダルも工具無しでワンタッチで外せるものにしています。問題は収納箱の預け先ですが、ヘルシンキのバンター空港の場合には、地下1階に「Airpro Travel Service 24h」 というカウンターがあり、そこで13ユーロで預かってくれます。コインロッカーもありますが、こちらは預け期間が最大1週間となっているので今回は使えませんでした。ヨーロッパの空港は大体手荷物預かりはありますが、無い場合や事前に確認ができない場合には、到着時のホテルと帰国前のホテルの宿泊を同じホテルにしておき、ホテルに頼んで預かってもらうようにしています。これは絶対に断られないので安心です。

 

 空港に到着後は、常に空港内または直近のホテルに泊まり、そこで自転車の組み立てをすることにしています。以前は、空港で組み立てて市内まで走りホテルに宿泊をしたこともありますが、組み立て時間や手荷物預かり場所探しで時間的に厳しくなる場合が多かったため、最近は、空港直近のホテルに入ってゆっくり自転車の準備をするようにしています。今回は、空港横にあるヒルトン・エアポートというホテルに宿泊しました。ホテルまでは収納箱のまま部屋に持ち込みますが、ヨーロッパのホテルは大抵、自転車をそのまま部屋に持ち込むことができます。以前は、安全のために夜はホテルのラゲッジルームなどに入れてもらっていましたが、最近は、殆どそのままエレベーターに乗せて部屋に持ち込みます。ホテルの人も特に何も言いません。何せ、犬を自由に部屋の中に連れて入るのが当たり前の社会ですから、自転車を部屋に入れることは何の問題もありません。

 

 翌日は、朝目覚めると何と雨。それもかなりの雨脚で仕方なく収まるのを待って、11時頃にホテルを出発しました。その後の経験で理解したことですが、フィンランドの夏は天気の変化が大変に激しく、晴れていると思うと俄かに雨になったり、土砂降りになっていても30分もすればすっかり晴れ上がるということが繰り返されました。その経験から、雨でもあせらずに少し待っていれば、間違いなく走行することが出来ました。ちなみに、それが理由かどうかは分かりませんが、フィンランドの人は少々の雨では傘を差さずに歩いている人が殆どでした。最初はすごく違和感を覚えましたが、これも土地柄と感心した次第です。

 

 空港からヘルシンキの市内までは20km程ありましたが、Google地図で調べておいた経路に沿って走ってゆくと、どこも自転車道が整備され、公園の中や住宅地の中を走ってゆく景色の良いツーリングコースで、少々雨も混じっていましたが、快適に走りながら街中に着くことが出来ました。いつものことですが、Google地図の自転車コース探索は本当に素晴らしいといつも感心させられます。特に、川を渡る橋の場所や高速道路を横切る通路などは、自分で地図を調べているだけではとても見つけられませんが、Google地図では簡単に表示されます。これまで、経路で間違ったことはほぼありませんでした。

 

市内到着は、丁度、お昼ごろになったので、経路途中にあった「北海道のすし」という店で昼食をとることにしましたが、何とここのお店がおいしいのにビックリしました。基本は、お寿司の食べ放題の店ですが、サイドメニューもたくさんあり、どれもこれも日本の店と変わらないほどのレベルの料理でした。昨年のイギリス旅行では、とても食べられない寿司に遭遇しましたが、フィンランドの日本料理は何処もほぼ合格点でした。

 

 ヘルシンキ市内の最初の宿は、西側の港湾付近にあるクラリオン・ホテルに宿泊しました。エストニアにエクスカーションする予定があったためにフェリー乗り場に近いというだけで選んだホテルでしたが、あまり期待していなかったせいか、このホテルには大変感心しました。まだ建設されたばかりだったので、現代的な洗練された設計に十分満足し、ゆったりと過ごすことが出来ました。床から天井までの縦に広い窓からはウエストハーバーの景色が広がり、景色を眺めながらウイスキーを飲んでいるだけで十分に海外旅行を満喫できる気持ちになりました。

 

おっと、ここまででまだ2日目ですが、これから30日の報告が続きます。何卒、うんざりせずにお付き合いの程、お願い致します。

 

 昨年11月、ヤマハから発売されたスポーツタイプの電動自転車を2台購入しました。YPJ-Cという、ロードレーサーにアシストが付いたものです。この自転車はフラットバーロード(ハンドルがフラットのもの)で、それまでにドロップハンドルのYPJ-Rというのが発売になっていたのですが、私はツーリング派なのでフラットバーのものが発売になるのを待っていました。前が2段、後ろが9段の18段変速、フロントおよびリアーともクイックレリーズ、ディレーラーはシマノのSORAなど、仕様は全くロードレーサーですが、全体的なイメージはどちらかと言えばクロスバイクに電動が付いたというイメージです。

 

 本格的なロードレーサー仕様ですが、重量はさすがに16kgとかなり重たく、いつも乗っている普通のロードレーサーの2倍もの重さがあります。車へ乗せたり降ろしたりは結構重たくて大変ですが、以前から、ロードに電動が付いた自転車があればと考えていましたから、発売になったことを知って直ぐに購入しました。以前はパナソニックのハリアーに乗っていましたが、こちらは電動ママチャリとあまり変わりない自転車で、スポーツタイプとしては不十分なものでした。

 

 YPJ-Cは、昨年の12月には既に購入していましたが、八戸は北国のためすぐには乗ることもできず、しばし部屋の中に飾っておき、春になって乗車できるのを楽しみに待っていました。そしていよいよ雪も解け、よい季節になったので、満を持してツーリングに出かけました。コースは別荘のある三沢市から陸奥湾岸の野辺地町までの山越えのコースです。今回は、敢えて起伏の多いコースを選んで出発しました。YPJ-Cの特徴の一つはバッテリーが小型で2.4Ahしかありません。重さは400gと普通のママチャリのバッテリーよりかなり軽量ですが、そのためバッテリー1本ではアシストの距離は知れたものです。そこで予備のバッテリーを持参してツーリングに出かけました。

 

 今回のツーリングの一番の目的は、アップダウンのあるコースでどれくらいバッテリーが持つかを確認すること、および、アシストとギヤーチェンジの相互の使い方を様々試して、効率的な走り方を模索することでした。アシストに関しては、モードがエコ、スタンダード、ハイの3つのモードがありますが、これと18段変速を如何に組み合わせるかということです。単純に計算すれば、54通りの組み合わせとなります。

 

 実際に走ってみた所、バッテリー関しては1個での走行距離はおおよそ20kmぐらいでした。カタログによれば、ハイモードで14km、スタンダードで22km、エコで48kmとなっていますので、概ね、カタログ通りの結果と言えると思います。ただし、エコモードというのは坂道ではほとんどアシスト力を感じられませんでしたし、ロードレーサーですから、平地ではアシストは全く必要ないため、エコモードというのは殆ど意味が無いように感じました。いろいろ走り方を試しましたが、緩いアップダウンに関しては、モードをスタンダードに固定しておき、細かな調整をギヤーで行うというのが一番いいように感じました。その方がバッテリーの持ちも良いように感じました。もちろん、かなり急な登りや、疲れてきた時はハイモードに変えて走れば、殆ど坂を苦にすることなく快適に走ることが出来ます。

 

 今回は家内と二人で出かけましたが、これまでのロードレーサーのツーリングでは、登り坂になったとたんに家内の走行スピードが極端に落ちるという状態でしたが、今回のYPJ-Cでは全くそんなことがなく、常に並走することが出来ました。アシスト付きの自転車の良さというのは、脚力の弱い人が負担なく走れるところにあるのだなということが、改めて認識できました。

 

 全体的な評価として、このYPJ-Cは大満足です。アシストを切ってロードとして走ってもそこそこ爽快感はありますし、坂道でのアシスト力はあまり強くはありませんが、足に対する負担はかなり軽くなり、適度に登り坂の負担も感じることができるため、ツーリングの楽しみを十分に味わうことが出来ます。やはり、今までにない電動自転車だといえると思います。高齢になったけれど自転車ツーリングを爽快に楽しみたいという人には持ってこいのアイテムだとお勧めできます。

 

 今年の夏の海外自転車ツーリングは、北欧を1か月ぐらい走りたいと考えています。今までは現職だったため、10日ほどしか時間が取れませんでしたが、退職後の今年はのんびりゆっくり自転車ツーリングを楽しみたいと思っています。できれば、電動のロードレーサーを持ってゆきたいところですが、最近は、何処の航空会社も電動は載せてくれません。これから何とかYPJ-Cを海外に持ち出す方法を検討したいと思っていますが、何か良い情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ご提供をお願いいたします。