最初の海外自転車ツーリングは、パリからモンサンミッシェルへの600km(その1)
私達夫婦は今年75歳と73歳ですが、毎年、海外自転車ツーリングを楽しんでおり、昨年の夏も南ドイツに出かけて2週間ほど走ってきました。ドイツのフランクフルトからフランスのストラスブールまでの300kmほどのツーリングです。これらの詳細については後日改めて紹介したいと思いますが、まずは
、17年前に最初に海外自転車ツーリングを始めた時の話からこのブログをスタートし、その後、数々の自転車ツーリング情報を提供してゆきたいと考えています。自転車好きのシニヤに対する楽しい情報提供になればと考えています。
<パナソニック・ハリヤ―>
「これならもしかして海外を自由にツーリング出来るかもしれない」と考え始めると、もう出かけたくて仕方なくなり、発売されたばかりのハリヤーを直ぐに2台購入してしまいました。そして、「はじめてのおつかい」ならぬ、初めての海外自転車ツーリングへと勇んで出かけましたが、あくまで、1回ぐらいは好きな自転車で海外を旅する経験をしてみたいと言うものでした。しかし、それがコロナ禍での中断を挟んで17年間も続いてしまうとは、その時には想像だにしませんでした。それだけ大きな魅力のある経験だったということでしょう。なお、電動自転車は2年目からは飛行機で運べなくなってしまいましたので、その後はロードレーサーに変わりました。
海外をツーリングするためには、まず自転車を飛行機で運ばなければなりませんが、初めてのことで何も分かりません。全くの手探り状態での旅行でしたが、航空会社に確認すると、自転車は手荷物扱いで運んでくれるということでした。ただし、そのためには段ボールなどのハードな箱などに収納することが必要だと言われ、「そうか、段ボールで梱包すればよいのか」、と軽く考えたのが最初の失敗でした。電動自転車を買った時に送られてきた段ボールの梱包ケースがそのまま残っていたため、特に何も考えず、この箱を少しコンパクトにして、その中に自転車を入れて航空会社(全日空)に預けました。預ける時に係員が、「タイヤの空気は抜いてありますね」と聞くので、「いや、抜いていません」と答えると、空気を抜いてないと運べないというので、カウンター前でまた梱包箱から自転車を取り出して空気を抜く羽目になってしまいました。その後、大型荷物は別の所に預ける場所があるので、そちらに持ってゆくように言われるなど、初めての経験で戸惑うことばかりでしたが、何とか荷物を預けて日本を出発することが出来ました。
フランスのシャルル・ドゴール空港に到着し、段ボール箱を受け取って中から自転車を取り出し組み立て始めましたが、当時はまだ電動自転車が珍しかったため、フランス人のタクシー運転者数名が集まってきて取り囲まれ、作業中にいろいろ話しかけられ戸惑いましたが、何とか自転車2台を無事組み立てることが出来ました。
その時になって初めてハタと気が付きました。それは、残ったこの段ボール箱をどうするかです。帰国の時にも使わなくてはいけないので、捨てるわけにはいかず、何処かに預けなければなりません。段ボール箱の大きさは1.5mぐらいあり、コインロッカーにはとても入りません。果たして、こんな大きなものを預かってくれるところがあるのだろうか、そんなことも確認せずに出かけてきていたのです。
丁度そこに、全日空の地上係員の若い日本人男性が通りかかりました。そこで、この段ボール箱を預けたいのだけど、どうしたらいいかと尋ねると、その男性はあきれたようにあざ笑いながらこう言いました。「9.11の同時多発テロ以来、ヨーロッパのどこの空港でも荷物を預かってくれるところなんかありませんよ。それは持って行って下さい」
持って行けと言われても、長さが1.5mもある段ボール箱を背負って自転車ツーリングなど出来るわけがなく、かといって、捨ててしまえば帰る時に自転車を運べなくなります。どうしたらよいか、ほとほと困ってしまいましたが、念のため空港のインフォメーションに行って尋ねると、何と荷物預かり所がちゃんとあるとのことでした。ただし、到着したターミナル1の預かり所はもう閉まっているので、ターミナル2へ行くようにということで、連絡用のモノレールに乗って大きな段ボール箱2個を背中に担いで運びました。かなり恥ずかしい思いをしながらの運搬でしたが仕方ありません。ターミナル2で何とか荷物預かり所の場所を探し出し、段ボール箱を預けましたが、サイズが大きいためにかなり高額な預かり料を支払う羽目になってしまいました。この時は、とにもかくにも荷物預かり所があったため何とかなりましたが、預かり所のない空港もあるため、もしなかった場合にはどうにもならないところでした。
それにしても、あの全日空の地上係員にはあきれました。世の中にはこんな類の人間もいるのだなと認識を新たにさせられました。旅行者相手に嘘の情報で困らせて、それを面白がっていた男性係員のことです。シャルル・ドゴール空港で仕事をしていて荷物預かり所があることを知らないはずはありませんが、自分の会社の乗客相手にこんな嫌がらせをするのですから、どこまで屈折した性格なんだろうとあきれ返ったものでした。ツーリングを終えてシャルル・ドゴール空港に戻ってきた時にもその地上係員はいましたが、私の顔を見るなりそそくさと何処かへ逃げて行ってしまいました。やましい気持ちだけはあったみたいです。
兎にも角にも、何とか初めての海外自転車ツーリングを始める準備は整いました。翌日からは、いよいよモンサンミッシェルを目指してのツーリングですが、その詳細は次回からのブログで紹介したいと思います。
(出典:橋本典久著「行かずに逝けるか! シニアのための自転車ツーリング講座」、Amazon刊より)
<2009年5月 モンサンミッシェル(仏)>


