なぎ@小説垢のブログ

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「おはよーっ」 「ねぇねぇ昨日のテレビ観た!?」


そんな他愛のない会話が聞こえてくる学校までの道のりを、私はいつも通り1人で歩く。


小学校から高校まで送り迎えの私には、友達と一緒に登校なんてほとんどしたことが無い。


よく朝からそんな楽しそうにお喋り出来るなぁ

入学してすぐの時は、小学校からずっと憧れた制服に身を通して、第一志望の学校に通えてる自分がいることが嬉しかった。今ももちろんその気持ちは変わっていない。

一番変わったのは、クラスメイトとの関係だ。まぁ、もともと友達は少ないし1人でいることにも慣れてるから関係ないけど。

そんなことを考えながら階段を上る。

そして、はぁ と一息ついてから校舎に足を踏み入れる。


今日もまた、私の憂鬱が始まる────



教室に入ると、通学路以上にざわざわしている。ここが私の学校生活での居場所であり、一番と言っていいほど嫌いな場所。


周りで話している人みんなが私のことを言ってるんじゃないか。ここにいるとそんな感覚に陥ってしまう。


こんなにも周りの声に敏感になったのはいつからだろうか。気がついたら常に気にするようになっていた。


確実に自分のことだなっていう会話が聞こえてきて、複雑な感情が沸き上がってくることも多々ある。


気にするな。自分は自分だ。そう、暗示をかけるように心で唱えながら始業のベルを待つ。これだけでもう1時間くらい耐えた気分になる。


その後は授業を受け、休み時間に仲のいい友達と話をしながらお弁当を食べ、帰るだけ。


それだけなのに、自分のことをバカにする人が同じ空間にいるというだけで吐きそうになる。


自分が近くにいると声が小さくなったり、トーンが低くなったりする。どうせならもう少し隠れて言え。自分が知らないところで言われるなら私は一切傷つかない。


そちらを少し睨みつけるようにする。そんな自分が虚しくなる。


最初は、成績優秀な人を集めたこのクラスでよかったって思った。それは、自分のことを何も言われなかったから。でもこうなってしまえばもう小中学校の時と変わらない。


なんで私が。いつもそう思ってしまう。


こんなことなら女子クラスで楽しくやりたかった。男子なんかいらない。



私を笑って楽しいならいくらでも笑えばいい。


そうやって開き直ったり、気づかないふりをしたり。それで心が崩れないように支えることしか今はできない。


いろいろ考えるうちに、いつのまにか帰りのホームルームの時間になっていた。教室をでて、駐車場に着くまで気が抜けない。


やっと学校が終わり、母が運転する車に乗り込みケータイを開く。

幼なじみや親友から連絡が入っていると、無性に会いたくなってしまう。


その日は何故かいつもより考え込んでしまった。1年間だ、すぐ終わる。もう半分過ぎたんだ、大丈夫。

ずっとそんなことを考えていたら、いつも家に帰えれば晴れるモヤモヤがいつも以上に増えてしまった。



落ち込む私に、母は外に出て気分転換することを勧めてくれた。


お気に入りのコンバースのスニーカーを履き、外に出る。


よく、空を見ると気が晴れるって聞くよね。


そっと、空を見上げた。日が落ちるにはまだ早い。

空は、真っ青だった。雲はあまりなく、本当に綺麗な青空だった。


失敗した。完全に私は道を見失ってしまった。このまま進めばいいのか、戻ってもいいのか、分かれ道に入ればいいのか。



こんな青い空の下で、私は何を考えているんだ。



気づいたら青空が滲んでいた。下を向くと崩れ落ちそうで、必死で上を向いていた。


そのまま、涙が乾くまで外にいた。


家に戻ると、温かい夕食が用意されていた。家族と会話しながら食べ、お風呂に入り、布団に入る。


そして、大好きな人とメールしながらいつのまにか眠りについていた。




──── そして、朝になる。


もう抱え込むのはやめた。思い込むのも考え込むのもやめた。


私のことを理解してくれる人は沢山いる。馬鹿みたいに陰口を叩くのはほんのひと握りだ。



そんなもの相手にしてどうする自分。



よし、と気合を入れて学校に向かう。




今日は友達と何話そうかな────