フリークスをはじめ、当時はどのバンドも似たような曲をやっていた。

 

似たようなといえば、そのグループ名も同じような雰囲気のものが多かった。

 

ほとんどは横文字、つまり英語名だ。

 

グランドキャニオンにはたまに外人の客も来ることがあった。

 

一度、ヒロシは外人客に笑われたことがある。

 

「フリークスって、しかしヘンな名前だな。怪物か、君たちは。

 

 その何気ない一言から、彼らは

 

本気でプロになるんなら、名前も変えなきゃいけないな。

 

と考えるようになる。

 

ビートルズだって、デビュー前にはいくつもの名前で演奏していたようだ。

 

「ジョニーアンドザムーンドッグス」「シルバービートルズ」等々。

 

ヒロシはベースギターのカールと、どうしたら東京に進出できるか、と真剣にプランを練り始めていたが、同時にグループ名をどうしようか、とも考えるようになった。