涙の乗車券(17)結局午前3時すぎまで喋りあった二人だが、サイコが「少し寝る」と言って、席が確保してある車両に帰っていった。 「もう誰かにとられてるかもよ。」 「それならまたこの特等席に戻ってくるわよ。」 サイコが戻った後、ヒロシもひざを曲げて思い切って床に寝転がり、眠ろうとしたが、なかなか寝付けない。 1966年6月・・・、武道館・・・、ビートルズ・・・、そして・・・・ 強引に眼を閉じたヒロシは、 「そうか、俺はグループ名を考えようとしてたんだっけ。」 と思い出す。