【後見開始前】

 

2013年に、父が他界。私はその一年後に脳卒中で倒れ、後遺症のため、身体障害者となりました。


 お互い独り身となったため、それから1年半後、母と私は同居することになりました。私はベンチャー企業を経営しておりましたが、障害のため、仕事に支障を来すようになりました。そのため、母がスポンサーとして資金援助してくれました。やがて、母にアルツハイマーの症状が現れ、母の面倒を看ながら仕事も続けておりました。

 

【知らない間に母に後見人が】


 しかし、兄妹は母が私の事業に出資した事を良く思わず、(兄妹も、各々が自宅建設資金の贈与を受けていましたが)弁護士に相談。私の知らない間に母の成年後見が開始されておりました。それを私が知ったのは、私宛に送られてきた成年後見人からの通知でした。さらに、私が母に対し経済的虐待を行っている疑いがあるとの内容も書かれていました。実際は、母と私は、親族間相互扶助の関係でした(民法第730条 )母に就いた成年後見人は、兄妹が相談した弁護士で、また通知された書面に記載されていた内容は出鱈目でした。

 

【自宅を売却され、母にも会えない状態に】


 成年後見人の就任から4か月後、母は私の留守中、可愛がっていた愛犬を置いたまま兄妹から連れ出され、母が嫌がっていたにもかかわらず(録音証拠も提出しましたが、認められませんでした)施設に入れられました。その後、私は母との面会を妨害され、成年後見人弁護士や入居施設、そして兄妹にも何度も連絡しましたが、全く取り合ってもらえませんでした。更に成年後見人は、母と私が同居していたにもかかわらず、一方的に実家の売却を決定。身障者の私は転居先も容易に見つからず反対しましたが、結局強制執行に遭い、2晩ホームレス状態となりました。その後、社協が用意したわずか8平米の部屋に移る事となりました。(現在はもう少し広い部屋に転居済み)

 

【後見人の解任請求棄却】


 こうした経緯から、成年後見人の解任請求をしましたが、棄却されました。(後から知ったのですが、士業後見人の解任請求はまず認められないようです)

 

【弁護士を依頼して交渉。漸く母に会えた、しかし・・】

 

またなんとか母に会いたいと、弁護士相談にも行きましたが、同じ弁護士会の弁護士はしがらみもあり、受任は無理だと言うこともわかりました。その後、弁護士会を替えて、なんとか受任してくれる弁護士に出会い、母との面談が叶いました。 しかし、母は既に認知症が相当進んでおり、もはや以前のしっかりした母ではありませんでした。かかりつけ医に話したところ、急な環境変化はアルツハイマーが進む原因になる、との事でした。本人が望んだわけでもないのに、息子や愛犬と過ごす日々が奪われ、愛着のある自宅を売られ、見ず知らずの施設で一人暮らすという、生活変化が母に与えた影響は計り知れないものでした。

 

【後見制度の改善を強く望みます】

 

 いったい、後見制度は何のためにあるのでしょうか?このような不当な制度運用で苦しむ方が増えない事を望みます。