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国際協力・NGO情報ブログ:別館

国際協力やNGOについて興味のある分野の情報をまとめています。

スーダンの問題を協議するための国連安全保障理事会特別会合がケニアの首都ナイロビで18日から始まった(詳しくはこちらの時事通信@Yahoo!ニュースを参照してください)。スーダンの問題というのは南部と北西部の2つの問題がある。北西部、ダルフールの問題についてはこれまでもこのページで詳しく書いてきた通り(詳しくは内の「スーダン情報」を参照してください)。

南部では、20年以上も政府と反政府勢力との間で内戦が続いている。昨年ようやく和平の道を進みはじめたもののまだ多くの点で両勢力の間に合意に至らないところがあります。もともとは南部軽視の政府の政策、とりわけスーダンの命綱でもある「石油」を巡る問題です。やはりここでも「石油を巡る紛争」が起こっています。この南部問題に対して、アメリカのブッシュ大統領は両勢力に電話をかけて和平交渉での合意を促したとのこと。(こちらの毎日新聞@Yahoo!ニュースを参照してください。)

「ブッシュ大統領に言われたかねーや!」とおそらくどちらの勢力も思ったことでしょうが、世界の世論もまた同じ思いであることには変わりありません。安保理特別会合の動きも合わせて、世間の目がスーダンに向けられていることを、両陣営、そしてダルフールにおいても意識して交渉が進められることを望んで止みません。
ある種、一方的な「終結宣言」で落ち着いた感のあるファルージャ。その後、イラクでの米軍と武装勢力との間の抗争は終結するどころか、イラク大に拡大しているようだ。そんななか、日経新聞に次のような記事が載っていた。

「米軍の技術兵らが16日、制圧作戦が続くイラク中部ファルージャに入り、水、電気などの生活インフラ復旧に向けた調査を開始した。被害が甚大で復興には時間がかかる見通しだが、イラク暫定政府、米軍ともに情報公開には消極的だ。………中略………ダウード・イラク国務相(国家安全保障担当)は16日、ロイター通信に「作戦で被害を受けた市民には金銭補償を用意している」と述べた。だが、暫定政府は市内で破壊された建物が全体の1割強にすぎないと主張。「市内はがれきの山で餓死者も出ている」などと指摘する医療・食料支援機関とは被害規模の認識で大きな開きがある。」
(全文はこちらの日経新聞記事(11/16)を参照してください。)

思い出すのは、ナオミ・クラインが英紙『ガーディアン』に、イラク戦争が始まり、米軍がバグダッドを占拠したあとに寄稿した文章、「ビジネスの前に空爆を(Bomb before you buy)」だ。文字通り、戦争を行ったのは、円滑なビジネスを進めるためだということ。

ファルージャでもまた、インフラ復旧に米企業が大量に詰め込まれることになるのかどうか。はてさて、なんとも血生臭いお金が世界を回っている。
アメリカ軍のイラク中部ファルージャへの攻撃は徐々に終焉に向かっているのかもしれません。それは、どれだけの軍事力をファルージャに向けても、ファルージャが陥落しないという現実を表しているとも言えます。

共同通信の記事によると、中東の衛星テレビのアルジャジーラとアルアラビーヤが16日に、米兵がイラク人負傷者を射殺した映像を流しました(記事は、共同通信@Yahoo!ニュースを参照してください)。日本の夜のニュースでも流れていました。これで、今回の事件に対してもイラクや周辺アラブ諸国からの反発の声が挙がるだろう…という記事ですが、これは第1次ファルージャ侵攻が終わったあとの様相を思い出させます。

「最初のファルージャでの大量虐殺」が行われたこの春、そのファルージャでの大虐殺から辛くも目をそらさせた方法は、アブグレイブ刑務所でのイラク人虐待でした。それは、「アメリカ」という国が行ったファルージャでの出来事を、数人の「アメリカ人」しかも「常軌を逸脱したアメリカ人兵士」という個人でした。そして、今回の第二次ファルージャ侵攻もまた多くの市民の命を奪った「アメリカ」という国の責任から、上の記事にあった「アメリカ人兵士」の問題へとすり替えようとしているように見えて仕方ありません。そして、それは同時にファルージャでの戦闘の終結を方向付けているようにも思えます。

今日夜、閉店間際の本屋さんで購入した、土井敏邦さんの『米軍はイラクで何をしたのか:ファルージャと刑務所での証言から』(岩波ブックレットNo.631=画像)を読んでいて、今年4月のファルージャでの出来事の「イラクの声」をいくつか知りました。土井さんの丁寧なインタビューで綴られた、ファルージャでの数々の出来事は、写真を見るほどの衝撃的なイメージはありませんが、逆にジンジンと胸の奥に響いてくると同時に、怒りもまた溢れてきます。

複数のインタビューの中でファルージャの人たちが綴るのは「尊厳」という言葉です。「時には"生命"という価値より大事」だと述べる彼らの尊厳を踏みにじったのが、米軍の攻撃→大量虐殺であり、そしてアブグレイブ刑務所での出来事でした。詳しいことはこのブックレットに書かれているので、是非読んで頂きたいのですが、ひとりの聖職者が著者に語った言葉が、この出来事の酷さを表しています。

「あの光景を目撃したすべての囚人は刑務所を出ると、きっと米軍と闘う「戦士」になるでしょう」(p.58)

そう、少なくとも4月の第1次ファルージャ侵攻において銃を持って立ち上がったのは、アルカイダなどの外の勢力ではなく、まさにそこの住民でした。そして、おそらく今回も幾らかは間違いなくそうでしょう。「尊厳」を奪われた彼らが銃を持ち立ち上がり、それを後方から支援する住民も多数いたはずです。そして彼/彼女たちもまた「大量破壊兵器」によって命を奪われているという現実は、「アルカイダ」「テロ」という言葉を繰り返す国々に跳ね返さなければならないのです。参戦国である日本の市民としても。
スーダンを巡って音楽業界も色々とやっているようでいくつか下にご紹介します。音楽で国際協力。
(ちなみにスーダンの情報はこのブログにもまとめてあります。左側の項目の中から、『スーダン』を参照してください。)

その1。
先日来、このブログにも書いている新生バンドエイド。14日と北ロンドンと書いてましたが、どうも12日に南ロンドンのスタジオでレコーディングされた模様。入るかどうか?といわれていたブラーのデーモン・アルバーンも参加したようです。オアシスのノエルは参加してないみたいです。あと、参加するかどうかとこちらも言われていたU2のボノも参加したみたいです。

このアルバムには最終的に50以上のアーティストが参加したようで、今月末の発売で得たお金は、ダルフールでの人道聞きに対する救済基金として使われるそう。(詳しい情報はこちらのウェブサイトを参照してください。)

その2。
だいぶん前ですが、先月新しいアルバム『アラウンド・ザ・サン』(画像)を出したR.E.Mは、JETなどと、ダルフール難民を救済するために、『Songs for Sudan』という14曲入りのアルバムを出しているそうです。これは、Big Noise Musicで手にすることができるそうで、早速訪ねてみたのですが、Macintoshは対応していないということで、HPすら見ることができませんでした。Windowsの皆さん、どんな曲が入っていたか、是非教えてください。

ちなみにこのアルバムの収益金は英国を中心に活動する国際NGO『オックスファム』(こちらはオックスファム・ジャパンのサイト)に寄付されるそうです。(詳細はこちらのウェブサイトを参照してください。)

その3。
アルバムが日本でもそれなりに売れているらしい、フランツ・フェルディナンドが、スーダン難民救済のチャリティコンサートに出るらしい。国連がスポンサーのコンサート「Refugee For Darfur」。来月12月8日にロイヤル・アルバート・ホール@ロンドンで開催されるそうです。…といっても、ちょうどUSAツアーを行っている彼らはメキシコからのビデオ出演になるそう。

このコンサートには、プリテンダーズのクリッシー・ハインドやシンプリー・レッドのミック・ハックネルらが参加するそうです。(詳細はこちらのウェブサイトを参照してください。)

追伸:オックスファムといえば…とウェブサイトを見てみると、先日のブログ「自分の顔で国際協力」で紹介した、武器の不正取引を制限することを求めるキャンペーン「コントロール・アームズ・キャンペーン」のサイトにギャラリーができました。こそっと自分も写っていることを発見。世界中の人たちとこうして繋がっていることを実感して少し嬉しかったりします。まだの人は是非、こちらのサイトを参考に参加してみてください。
こういうのはどちらが先にやろう!と思ったのかなぁ~という疑問が浮かぶんですが、日本の自衛隊が駐留しているサマワで2つのデモがあったという記事が掲載されていました。

ひとつはサマワの陸上自衛隊の宿営地にあったデモで「駐留継続」を求めるもの。日にち的に早いのがこちら。なんでも、サマワのあるムサンナ州の教育・保険部門で働く公務員が140人(内子ども40人)集まって、「我らが街の復興支援継続を」「陸自の人道支援活動を支持」という横断幕を持って行ったそうです。子どもたちも参加して、日本政府への駐留継続の要望書を手渡したそうです。(記事はこちらの共同通信@Yahoo!ニュースを参照してください。)

もちろん、陸上自衛隊もそれをアピールしないはずもなく、ホームページにはきちんと写真が掲載されています(こちらのページにあります。日にちが経つと左側に項目として移動するはずです)。笑顔です。何でもバス2台でやってきたそうです。ちなみに上の陸上自衛隊のトップページにも写真が掲載されています。

もうひとつが、同じくサマワで13日に行われたシーア派のサドル支持者200名のデモ。サドル師のサマワでの代理人が先頭に立ち、市内の商店街から州知事庁近くの広場まで更新したと言います。こちらの横断幕には「イラクを占領する自衛隊は出ていけ」などと書かれているそうです。(記事はこちらの時事通信@Yahoo!ニュースを参照してください。また写真はこちらのYahoo!ニュースか、こちらのサイトで見ることができます。)

昨日のブログで書いたように、ファルージャでの作戦は「ほぼ終了」を迎えようとしているといいます。そのファルージャには、町中に数百の遺体が転がり、電気も水道も止まっているそうで、赤新月社がファルージャに入ろうとしても米軍に遮られて入れない状態が以前と続いているそうです。ファルージャでは町中に転がった遺体が野犬に食べられるという姿も目撃されているとのこと。(こちらの朝日新聞の記事を参照してください。)

そのファルージャでは、先日イラクで殺害された香田さんのパスポートが見つかったという話も出てきています(こちらの朝日新聞記事を参照してください)。…と考えてみると、バグダッド近郊で見つかった香田さんの遺体はあの米軍に包囲された中へと彼を武装勢力が連れ去り、更にそこから遺体を連れ出して来たということなのでしょうか?

…と考えると米軍の関与がどうしても浮かんできます。殺害そのものに関わったのか、それとも香田さんの事件を利用しようとしているのかはわかりませんが、気持ち悪いことこの上ないです。去年11月の外務省の方が殺された事件もそうでしたが、真実を伝えるものは存在しないのかもしれません。

こうした状況を並べてみると、何をすべきか?ということは自然と見えてくると思うのですが、そんな中でも、イラクに自衛隊員の人たちは送られていきます(こちらの朝日新聞記事を参照してください)。自衛隊派遣期限まで後1か月。

●画像は、ラフール・マハジャン著(益田賢いけだよしこ訳)『ファルージャ2004年4月』(現代企画室、2004年)-1575円(税込)