中国、スーダン、石油
下に書いた安保理決議で中国は「棄権」という判断をした。「ジェノサイドだ」という国際世論を受けて反対することはできなかった。改めて、"国際"社会の難しさを露呈した形だ。
中国はスーダンの第1の貿易相手国である。CIAの資料によると、輸出の25%、輸入の20%を占める。その中心は「石油」である。13億人超の人口を抱える中国の急速な工業化を受けて、今や中国は大口の石油輸入国となっている。石油が第一産品のスーダン、しかも20年近く内戦を続けている国にとって、貿易を続けてくれる相手国は大きな力になっている。
スーダンの石油の問題については、国際NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」が昨年、『スーダン、石油、人権』というレポートを発表している。750ページを超える力作だ。もちろん全部読めているはずがないけれど、ダウンロードできる分を落としてパラパラと見てみるに、スーダンの問題を石油経済を基本に網羅している感がある。NGOにこうした力があるというのは、非常に勇気になる。
さて、そのレポートの中の第4章「外国企業の共謀と外国政府のサポート」というのがある。この中に書かれた「スーダンへの中国の投資:武器と石油」に中国とスーダンの関係が詳しく書かれている。
もともとカナダ企業Talisman Energy Inc.と、スウェーデン企業Lundin Oil ABがスーダン南部の石油で利権を得ていたが、人権団体の圧力で2002年末にTalismanが翌年6月にLundinが売却した。そして残ったのが中国とマレーシアの政府所有の石油企業、China National Petroleum Corp.(CNPC)とPetrolium Nasional Berhad(Petronas)であった。その後、インド政府系石油企業、ONGCが参入している。
スーダンの推定石油埋蔵量は29億バーレルと言われる。アフリカ全体の推定埋蔵量の約20分の1、最も多いサウジと比べると90分の1しかない(OPEC Annual Statistical Bulletin 2003参照)。原油輸出は99年8月から開始され、日本も同年11月から輸入している。年間約1000バーレル程度(石油輸入全体の約0.6%)。