はじまり。 | ニバルレキレで暮らす。

ニバルレキレで暮らす。

南アフリカでエイズとともに生きる人と活動するニバルレキレ。
ニバルレキレとは「あなたはあなたであるだけで すばらしい」という意味のズールー語。
3.11から広域避難者の心のケア活動も始めました。
まったり生きる代表の、ニバルレキレな暮らしのブログです。

ニバルレキレの活動も今年で10年目を迎える。


エイズホスピスでのボランティアをしながら

そのホスピスの小児病棟で生活を送っていた

HIV感染孤児の支援をしたいと

最初は一人で始めた活動だった。


活動を始めるときに、子どもたちと院内学級の先生が

「ニバルレキレ」という言葉をその活動のために

プレゼントしてくれた。


ズールー語でその意味は

「あなたはあなたであるだけですばらしい」。


何があっても、私という存在の、あなたという存在の

価値は損なわれないこと。

ありのままの、すべてを抱えたその姿が何よりも

輝いていること。


エイズ孤児。


その中には幼くして亡くなっていく、HIVに母子感染した子どもたちも

たくさんいた。


エイズを発症しても最後までキラキラ輝いていた。



HIV陽性者。エイズを発症した人たち。


当時の南アでは治療薬は貧しい人たちの手には届かず

日々友達がなくなっていった。


どの人たちも、その人だけの人生をしっかりと生きていた。



エイズで家族を失った遺族。


喪失の体験を乗り越える過程は本当に辛い。


それでも誰もが前を向いて、遺された家族で支えあっていた。



私が彼らと過ごす日々の中で、自分に何ができるだろうと

考えたとき、ひたすら隣で一緒に過ごす中で思考していたとき、

自分なりに見つけた一つの答えは


何か困難を抱えてしまう前に

その人にとって当たり前だった時間・その人が大切にしていた暮らしのリズム

そういったものを、たとえ5分でもいいから取り戻す作業を

一緒にしていきたいということだった。


エイズという大きな問題に取り組むときや

国際協力といったキーワードで海外と向き合うときに

あまりにも、ゆるくて わかりづらいと言われてしまうのかもしれない。


感染予防教育や、教育支援、メンタルケア、自立支援など

具体的なキーワードから、ターゲットを持ち、成果をあげていく。

それとは違う何か。


個別にかかわっている誰かとの会話の中では、もちろん

予防教育や教育支援、メンタル面での支援を行うし、

自立のためのスモールビジネスを手伝うこともある。


でも、出会った人と長く時間を重ねていく中に

あくまでそれらのことは含まれているという活動をしていきたかった。



そんなこんなでの日々を、南アで出会った仲間が支えてくれ、

エイズ孤児のケアをする団体が欠落していた地域で、

地域住民と一緒に、孤児支援のプロジェクトを始めることもできた。


明日、ニバルレキレの活動になくてはならない

南ア在住の仲間のkさんが日本に一時帰国することになった。

k さんに私は、自分の足で歩き、南アの人と過ごし、文化と接していく中

だけでは知りえなかった、南アの多くのことを教えてもらってきた。


何より、今日本での生活が中心となり、日常的に

エイズ孤児支援のプロジェクトを見守ることができない

私の代わりに、プロジェクトにかかわり、活動費を管理してくれているkさんが

いなかったら、ニバルレキレの南ア事業は成り立たない。


それでもkさんは、自分は個人でただ南アの人と一緒に生きているだけだと言っている。


そんなkさんを迎えての南アフリカ活動報告会(4月15日)。

どんなものになるだろうか。