一月前に全員死刑という田舎のヤンキーを取り上げた映画を見に行き、、

そこで本作の予告編を見ているが、

作風が似てるのを紹介されると

つい今自分が見てるものの方を贔屓にしてしまうもの。

劇場版ブラムからブラム贔屓になって

攻殻機動隊の偉大さにあとで気づくパターンを踏んでいる…。

その後、新聞やネットで取り上げられてきたので

つい見に行きました。

 

いや〜面白かった。

全員死刑はヤンキーとはいえ

アタマのネジの緩みが気になる殺人犯たちだし、

映画も漫画チックでBGMの流し方など

演出に奇をてらうきらいも否めなかった。

 

本作は主役の三兄弟のうち

長男がイカれてるように見えるが、

あくまでそれは社会的な意味であり

三人ともアタマのネジは緩んではいない

ことはわかる。

 

 

 

 

ていうか政治家からヤンキー、女たち、

ヤクザにいたるまで

みんな一見無能やバカそうに見えるけど

立場がそうさせているだけで本人たちは

したたかか必死なのだ。

 

仕事や趣味で本作の舞台となった北関東は

定期的に行く機会はあるが、

いや〜つくづく自分は都会の温室コゾウなんだと

思い知らされるわ。

 

都心から一時間であの地域が転がってるんだ。

三男のボスであるあのマイルドヤンキーもとい

ハングレのリーダー、都会の青瓢箪より

アタマがキレるし商社社員より決断力がありそう。

 

田舎の大将こそ勝ち組で東京は敗者復活戦で

人間の二流が消耗するところなんだと。

 

次男が嶋田久作にいびられて嫁まで枕営業出向いたりと、

一番さえなさそうだけど、

自身で実力行使できずに人間関係の調整をせざるを得ない

シノギである政治家としての立場なら

ああいうしょっぱさを背負わざるを得ないのだなと。

 

最後の涙は己の不甲斐なさへの涙とも、

政治家として肉親をも切り捨てる鬼になった

人間の覚悟の涙とも取れる。

 

実力行使といえば

 

ジャンキーからハングレ、ヤクザ

までアウトローが出まくりの映画だったが、

暴力はあるにはあるが

長男のハードパコ以外は

抑制が効いている。

 

むしろ暴力行使の選び方の

エゲツなさに気づかされる。

 

とくにハングレボスの

次男への対応。

店やめることないだろ、

と慰留して成績もいいと褒めることもできれば、

躊躇なく鉄箸で手を串刺しにもできる。

ヤクザとも交渉できる。

 

 

本作での三兄弟と

長男の帰還て設定は

日本の郊外の現実を

いかに描くかの狂言回してきな

仕掛けでなかなかあるシチュエーションでもないかもしれない。

 

とはいえ親の死後の相続で

普段顔を合わせない、

大人になってしまったの男兄弟

の近くて遠いあの情緒の間合いが

よく出てた。

 

次男だけが結婚しているのもミソ。

兄弟それぞれに女の物語はあるが、

次男の嫁は子どもへの愛と自身の野心、そしてそれら担保にした夫への愛から家族、名家の体制を保とうとしている。

 

現代を描いているようでなまじ、

坂東の豪族は太古よりこんな

行動パターンを繰り返していたのではないか。