Life in the Lone Star State -86ページ目

NY Bar受験記(Vol.6)

4. どれぐらいの勉強時間が必要か?

習熟のスピードは人それぞれなので、あくまで参考ということで私の大まかな勉強時間を書いておきます。

基本的には朝型で、夜は子供達と一緒に早く寝るという生活をしていました。

平日は、大体5時頃に起きて5時半から2時間ほど勉強して、その後朝食を家で食べて大学に移動、9時からBarbriの講義が3時間程度、昼食を食べて午後1時半から6時半ぐらいまで図書館で勉強、帰宅後夕食を食べた後、1時間ぐらい勉強という毎日だったと思います。

週末は、講義がないので、朝は少し遅めのスタートでした。朝9時頃に大学に行って、そこから6時ぐらいまで図書館で勉強(途中昼食休憩1時間程度)という感じでした。ただ、土曜日の午前中は何も予定を入れず、勉強の予定が遅れていなければ休養、遅れていれば遅れを取り戻す時間と位置づけていましたので、6月中旬頃までは土曜日は午後から大学に行くという感じでした。さすがに6月後半に入ると遅れが目立ってきたため、大体朝から大学に行っていました。

Barbriの講義の時間も合わせると、平日は賞味10時間程度(うち3時間が講義)、休日は賞味7時間ぐらいでしょうか。(1日の勉強(机に向かっている)時間のうち少なく見積もっても1時間ぐらいはロスしてるはずなので、それを差し引いています。)5月15日からスタートしたので、約70日間で640時間ぐらいかけたことになると思います。

日本人の平均よりは少し多いぐらいでしょうか。ただ、これだけ勉強しても受かる保証はないし、もっと少ない時間で受かっている人も沢山いるので、どの程度の勉強時間が必要かという点についてあまり一般化できないと思います。自分の英語力と飲み込みの速さと相談しながら進めるしかありません。


5. MBEは何問ぐらい解くべきか?

MBEは問題演習を多くこなすことで、出題パターン・問われる知識をできるだけ網羅的に潰しておくのが効果的です。

私の場合、Primer, Preview, Enhancer, Level 1-4で各科目130問、PMBRの青本を各30‐50問、模試を含めてMixの問題を500‐600問程度やったので合計で1600問ぐらいだと思います。2000問超こなす人も結構いるようなので、これはそんなに多いほうではないと思います。知識が定着していないのに問題を解いても勘で解くだけになってしまって無意味だと思ったので、暗記が不十分と思ったら、問題を解き始める前に先にさっとノートを読み返すという作業を初期の頃はやっていたので、結構時間がかかりました。

解説は、確実に分かった問題を除いては正解した問題も含めてなるべく読むようにしました。Barbriの解説は結構充実しているので勉強になります。

PMBRの解説のなかには、Barbriの解説と内容が齟齬しているものが散見されますが基本的にはBarbriに従っておけばよいと思います。正しいかどうかは別にして多数派に入れるので。この試験は多数派にいれば落ちることはないはずです。

MBEのパターンを一通り潰すには1000問ではちょっと足りないような気がします。1500問(1科目250問)ぐらい解くと、本試験に出るレベルのパターンは概ね網羅できるような気がします。2000問解けば十分だと思います。(私も本当はそれぐらい解こうと思っていたのですが時間切れでした。)(周囲の人の話を聞く限り)2000問を越える演習はだんだん効果が逓減していくのではないかと思います。

なお、ご参考までにMBEのスコアはScaledで149.6でした。

6. NY Barはどれぐらい難しい試験なのか?

今年のNY Barの合格率は以下のとおりです。(NY BOLEのサイトより引用)    
All Candidates 72.0%
First Time Takers 80.0%
ABA Graduates 83.6%
ABA Graduates - First Time Takers 88.2%
Foreign Educated 38.5%
Foreign Educated - First Time Takers 46.2%

全体の合格率が72.0%ですが、外国人の合格率は38.5%です。受験生のバックグラウンドがあまりに多様なので、いずれの数字もあまり参考にはならない気がします。JDは8割から9割近くの受験生が合格するわけですし、外国人でも実務経験の有無、英語力、自国の法制度とアメリカの法制度との親和性、短期集中の受験勉強に対する耐性の有無、などによって出身国によっても合格率は随分違ってくると思います。

日本人だけの合格率が分かればよりイメージは掴みやすいのですが、残念ながら正確な数字は発表されていないのでよく分かりません。印象では日本人は他の国のLLM生に比べて、英語力という点を除けば上記の要素を兼ね備えた人が多いように思いますし、知人等の合否状況に鑑みると、日本人の合格率は外国人全体の合格率よりは若干高い(5割は超えている?)のではないかと推測します。

合格点も665点とか言われていますが、これも偏差値換算されたスコアなので、素点でどれぐらい取れば合格というのははっきりは分かりません。

したがってどの程度のレベルに到達すれば合格するのかというのはなかなか見極めが難しいと思います。日本の予備校のように、何度も模試を受けて合否判定を出してもらえばイメージはつかめますが、NY Barではそんな機会はほとんどないので、仮に客観的にはもう十分に合格レベルに達していたとしても、主観的にはなかなか安心できないので緩めるわけにもいきません。あまり余計なことは考えずに、機械的にその日にやることを淡々とこなしていくというのが精神的にはストレスのかからない過ごし方かと思います。


7. 総括

NY Barに限らず、受験勉強に必要なのは、①勉強時間を確保するための環境を作ることと、②継続して勉強するためのモチベーションを維持することの2つだと思います。

①については、私の場合、小さな子供が3人おり、自宅で勉強するのは非常に困難でしたので、基本的に全ての家事育児を妻に任せて図書館で勉強するという方法を取りました。妻は大変な負担だったと思いますが、特に不満も言わずにサポートしてくれたことに改めて感謝しています。(どうもありがとう!)

②については、私の場合、NY Barを取ることは自分のキャリアに取って必須のものではありませんでした。将来的にNYで弁護士をすることも恐らくないでしょうし、この資格を取らないと日本での仕事に支障が出るということもありません。では、何がモチベーションになったかというと、受ける以上は(7割も受かる試験だから)落ちるわけにはいかないという自分のなかのプライドだけだったと思います。そういう意味では今回モチベーションを維持するのは結構大変でしたが、周りに一緒に勉強する仲間が多くいたことが大きな支えになったと思います。一緒に勉強した仲間にも改めて感謝です。(どうもありがとう!)

以上、少しでも今後受験されるの方の参考になればと思い受験記を書きました。来年以降受験される方の合格を切に祈念いたします。

(完)