シンジケートローン契約(Vol.34)
第33回からはFinancial Condition Representationに入ります。
LSTAで列挙されている条項は次の8つです。
(i)Financial Statements
(ii)MAC
(iii)Litigation
(iv)Projections
(v)Taxes
(vi)Pension and Welfare Plans
(vii) Solvency
(Viii)Material Agreements
ほとんどは日本の融資契約でも類似の条項が規定されますが、アメリカ特有の規定は(vi)でしょう。これはERISA法との絡みで必要になってくる表明保証です。というわけで、先にERISA法の話について簡単に書いておきたいと思います。
まずはERISA法の概要ですが、Employee Retirement Income Security Act of 1974が正式名称です。1960年代年金基金の杜撰な運用の結果、従業員に年金を支払えずに破綻するケースが相次いだことを受けて制定された法律で、労働者の年金受給権を保護するのがこの法律の趣旨です。
なおERISA法は、企業が年金を管理及び運用する際の詳細なルールを定める法律ですが、年金制度を設けることを企業に対して義務付けているわけではありません。
年金の種類には、大きく分けてDefined Contribution Plan(確定拠出型年金)と、Defined Benefit Plan(確定受給型年金)の2つのタイプがあります。前者は支払額は決まっているが受取額は未確定というタイプの年金で、日本版401Kと呼ばれているものもこのタイプです。年金受給権者が払い込んだ額の運用方針を決めて運用成績がよければそれだけリターンも増えるというものです。従って企業側は原則として運用リスクを負わず、元本額の支払いのみ保証します。後者は支払額も受取額も決まっているというタイプの年金です。日本の国民年金などはこのタイプの年金ということになります。そして、ERISA法が規制の対象とするのは主にDefined Benefit Planの方です。運用者側としてみれば決められた額を将来支払わなければならないため、特に法律で運用を厳格に律する必要があるということでしょう。
ERISA法関連で借入人が最低限表明保証をする事項は、① “ERISA Event”が発生していないことと、 ②将来年金基金が不足するような事態が生じていないことの2つです。ERISA Eventというのは、各融資契約の中で定義されますが、要はERISA法に違反する事由で、法に基づき追加的な金銭支払い義務を負わされる可能性がある事由を指しています。これらの表明保証の違反があった場合には、いずれも借入人の財務状況を悪化させるリスクが生じますので、レンダーとしてもこの点の表明保証は必須ということになるわけです。
次回も引き続きERISA法について。
LSTAで列挙されている条項は次の8つです。
(i)Financial Statements
(ii)MAC
(iii)Litigation
(iv)Projections
(v)Taxes
(vi)Pension and Welfare Plans
(vii) Solvency
(Viii)Material Agreements
ほとんどは日本の融資契約でも類似の条項が規定されますが、アメリカ特有の規定は(vi)でしょう。これはERISA法との絡みで必要になってくる表明保証です。というわけで、先にERISA法の話について簡単に書いておきたいと思います。
まずはERISA法の概要ですが、Employee Retirement Income Security Act of 1974が正式名称です。1960年代年金基金の杜撰な運用の結果、従業員に年金を支払えずに破綻するケースが相次いだことを受けて制定された法律で、労働者の年金受給権を保護するのがこの法律の趣旨です。
なおERISA法は、企業が年金を管理及び運用する際の詳細なルールを定める法律ですが、年金制度を設けることを企業に対して義務付けているわけではありません。
年金の種類には、大きく分けてDefined Contribution Plan(確定拠出型年金)と、Defined Benefit Plan(確定受給型年金)の2つのタイプがあります。前者は支払額は決まっているが受取額は未確定というタイプの年金で、日本版401Kと呼ばれているものもこのタイプです。年金受給権者が払い込んだ額の運用方針を決めて運用成績がよければそれだけリターンも増えるというものです。従って企業側は原則として運用リスクを負わず、元本額の支払いのみ保証します。後者は支払額も受取額も決まっているというタイプの年金です。日本の国民年金などはこのタイプの年金ということになります。そして、ERISA法が規制の対象とするのは主にDefined Benefit Planの方です。運用者側としてみれば決められた額を将来支払わなければならないため、特に法律で運用を厳格に律する必要があるということでしょう。
ERISA法関連で借入人が最低限表明保証をする事項は、① “ERISA Event”が発生していないことと、 ②将来年金基金が不足するような事態が生じていないことの2つです。ERISA Eventというのは、各融資契約の中で定義されますが、要はERISA法に違反する事由で、法に基づき追加的な金銭支払い義務を負わされる可能性がある事由を指しています。これらの表明保証の違反があった場合には、いずれも借入人の財務状況を悪化させるリスクが生じますので、レンダーとしてもこの点の表明保証は必須ということになるわけです。
次回も引き続きERISA法について。