シンジケートローン契約(Vol.36)
今回はFinancial Representationの1つ目のFinancial Statementsについて。
借入人が最新の財務諸表を貸付人に提出していること、及びその内容が正確であることという表明保証です。貸付人としては、契約締結前の与信判断の段階で財務諸表の内容を吟味した上で融資の可否を判断しますので、その財務諸表の内容に誤りがあった場合には、与信判断の前提が崩れてしまうわけですから、この表明保証は貸付人にとって必須ということになります。
財務諸表の正確性の程度については、 “complete and precise”というのが最も厳しい表現ですが、実務的には “fairly present in all material respects”という表現で合意することが多いそうです。(会計士の監査報告書で使われる表現と平仄を合わせてこの表現にするようです。)
そして、この “complete and precise”とか “fairly”というのはGAAP(Generally Accepted Accounting Principles)に照らしてという意味なんですが、このGAAPというのは、アメリカで一般的に公正妥当なものとして受け入れられている会計原則のことです。抽象的な表現ですが、何がGenerally Acceptedかというのは会計のルールに基づいて判断されるということになります。したがって契約書での規定としては、 “in accordance with GAAP”となるわけです。
ここで問題になるのは、GAAPに変更があった場合の扱いです。融資契約上規定されているFinancial Covenantsは、契約締結当時のGAAPに基づいてその数値を定めているわけですが、GAAPが変更された結果、Covenantsの実質的な意味が変わってしまって、当初想定していたよりも厳しくなったり逆に緩くなってしまう可能性があります。
それを回避するために、貸付人の立場に立てば、GAAPを契約締結時点におけるGAAPであると定義するのが最も簡便で都合がいいわけです。ただそうすると、借入人としてはGAAPが変更された場合には、通常作成される変更された(最新の)GAAPに基づく財務書類に加えて、融資契約のためだけに変更前のGAAPに基づく財務書類の二種類を用意しなければならなくなり、それは面倒でコストがかかることになります。
そこで、折衷案として、GAAPとは各財務書類を作成する時点における最新のGAAPを意味すると定義しておき、仮にGAAPが変更された場合で、その変更内容がFinancial Covenantsの実質的意味を変更させるものであるときには、そのCovenantsの規定をそれに合わせて変更する旨を別途規定しておくというやり方が取られることが多いようです。
ただ実務的には、(少なくとも日本では)GAAP(日本では企業会計原則がこれにあたると思いますが)の内容及び変更さらにはそれがFinancial Covenantsにどのような影響を与えるかという点についてまでタイムリーかつ正確に把握できる弁護士は少ないような気もします。個人的にも会計マターとか税務マターとなると勉強不足でどうも及び腰になってしまいますが、勘所ぐらいはつかめるようになりたいものです。
借入人が最新の財務諸表を貸付人に提出していること、及びその内容が正確であることという表明保証です。貸付人としては、契約締結前の与信判断の段階で財務諸表の内容を吟味した上で融資の可否を判断しますので、その財務諸表の内容に誤りがあった場合には、与信判断の前提が崩れてしまうわけですから、この表明保証は貸付人にとって必須ということになります。
財務諸表の正確性の程度については、 “complete and precise”というのが最も厳しい表現ですが、実務的には “fairly present in all material respects”という表現で合意することが多いそうです。(会計士の監査報告書で使われる表現と平仄を合わせてこの表現にするようです。)
そして、この “complete and precise”とか “fairly”というのはGAAP(Generally Accepted Accounting Principles)に照らしてという意味なんですが、このGAAPというのは、アメリカで一般的に公正妥当なものとして受け入れられている会計原則のことです。抽象的な表現ですが、何がGenerally Acceptedかというのは会計のルールに基づいて判断されるということになります。したがって契約書での規定としては、 “in accordance with GAAP”となるわけです。
ここで問題になるのは、GAAPに変更があった場合の扱いです。融資契約上規定されているFinancial Covenantsは、契約締結当時のGAAPに基づいてその数値を定めているわけですが、GAAPが変更された結果、Covenantsの実質的な意味が変わってしまって、当初想定していたよりも厳しくなったり逆に緩くなってしまう可能性があります。
それを回避するために、貸付人の立場に立てば、GAAPを契約締結時点におけるGAAPであると定義するのが最も簡便で都合がいいわけです。ただそうすると、借入人としてはGAAPが変更された場合には、通常作成される変更された(最新の)GAAPに基づく財務書類に加えて、融資契約のためだけに変更前のGAAPに基づく財務書類の二種類を用意しなければならなくなり、それは面倒でコストがかかることになります。
そこで、折衷案として、GAAPとは各財務書類を作成する時点における最新のGAAPを意味すると定義しておき、仮にGAAPが変更された場合で、その変更内容がFinancial Covenantsの実質的意味を変更させるものであるときには、そのCovenantsの規定をそれに合わせて変更する旨を別途規定しておくというやり方が取られることが多いようです。
ただ実務的には、(少なくとも日本では)GAAP(日本では企業会計原則がこれにあたると思いますが)の内容及び変更さらにはそれがFinancial Covenantsにどのような影響を与えるかという点についてまでタイムリーかつ正確に把握できる弁護士は少ないような気もします。個人的にも会計マターとか税務マターとなると勉強不足でどうも及び腰になってしまいますが、勘所ぐらいはつかめるようになりたいものです。