シンジケートローン契約(Vol.6)
今回はシンジケートローン契約における金利の定め方についてです。
金利の定め方には大きく分けて固定金利(Fixed Rate)と変動金利(Floating Rate)の2つがあり、シンジケートローンの場合ほとんどのケースで変動金利方式が取られています。
変動金利方式の場合、貸付を受ける日によって、また利息の支払日によってそれぞれ異なった利率が適用されることになりますが、アメリカのローン契約上、その利率を決める指標となる数値としてはBase Rate, Prime Rate, LIBORなどが主に使われているようです。ここでLSTAの用語の定義を確認しておきます。(以下、部分的に抜粋)
“Alternate Base Rate” means, for any day, a rate per annum equal to the greater of (a) the Prime Rate in effect on such day and (b) the Federal Funds Effective Rate in effect on such day plus ½ of 1%.
“Prime Rate” means the rate of interest per annum publicly announced from time-to-time by [Bank] as its prime rate in effect at its office at [place].
“LIBOR” means, with respect to any LIBOR Loan for any Interest Period, the rate appearing on Reuters Page LIBOR01 at approximately 11:00 a.m., London time, two Business Days prior to the commencement of such Interest Period, as the rate for dollar deposits with a maturity comparable to such Interest Period.
もともと、Base RateとPrime Rateというのは銀行による呼び方の違いだけで、どちらも同じ意味だったそうです。これらは、各銀行が個別に設定するレートで、自分たちの “Best” Customer又は “Prime” Customerに対して短期間融資する際に使われるレートでした。つまり、銀行が融資の際に提示する最も低いレートという意味合いでした。
LIBORというのは、London Interbank Offered Rateの略で、ロンドンの銀行間取引市場で提示されるレートという意味です。銀行間で余剰資金を融通しあう市場が世界各地にあり、ロンドンはその中でも最も大きな市場ですが、そこで銀行間で取引されるレートをベースにするということです。最も実際に融資する際には、このLIBORに一定のスプレッドを乗せて融資をするということになります。
LSTAの記述によれば、もともとはBase Rateが最も優遇された金利という位置付けでしたが、LIBORマーケットの拡大に伴い、LIBORがこれらの利率を下回るケースが度々生じるようになり、銀行側としては、もはやこれが最も低いレートですよ、という触れ込みが出来なくなってしまい、今日では、単にその銀行が提示する融資の際の金利レートという位置づけになっているようです。
そういった背景もあり、こちらのローン契約では、金利の設定を借入人が選ぶことができるオプションというものが存在し、一部についてはLIBORを適用し残りについてはBase Rate を適用するといった金利設定がなされることもあるようです。また、契約の途中でLIBORとBase RateをSwitchingするオプション(Conversionと呼ぶそうです。)が付されるケースもあるとのことで、歴史的な経緯を知るとこういった金利方式が取られている理由が分かって興味深いです。
さて、日本の場合ですが、シンジケートローンではやはり変動金利がほとんどで、その際に使用される指標としては、通常TIBOR、たまにPrime Rateという感じでしょうか。(Multicurrencyの場合はLIBORを使います。)。TIBORについてはこちらで毎日公表されていますし、Prime Rateについては、日銀のページから確認できます。
これを見ると、日本においてもTIBORの方がPrime Rateよりも随分低いです。例えば、現在の短期Prime Rate(短プラ)の最頻値は年利1.475%ですが、日本円TIBORの1年物だと年利0.68455%です。TIBORをベースにすると、スプレッドを0.5%乗せてもまだ短プラよりも低い数値ということになります。TIBORをベースにした融資が一般化しつつある現在の状況を考えると、優良企業に対しては、短プラよりも低い金利での融資というのは広く行われているということになるんでしょうね。特にシンジケートローンで融資する先というのは、大企業で信用力もあるところが多いので、TIBORベースで金利を定めて実質的には短プラよりも低い金利での融資を行うというのが実態なのかもしれません。
こうなってくると、短プラの意味って一体何なんだろうというという感じがします。最優遇金利などと言われますが、日本においてももはやこの意味は失っていて、実際には信用力の高い大企業には、TIBORベース、信用力の低い中小企業に対して短プラ+スプレッドの融資を行っているというのが実情なのではないかという気がします。
次回はLIBORについてもう少し詳しく書きます。
金利の定め方には大きく分けて固定金利(Fixed Rate)と変動金利(Floating Rate)の2つがあり、シンジケートローンの場合ほとんどのケースで変動金利方式が取られています。
変動金利方式の場合、貸付を受ける日によって、また利息の支払日によってそれぞれ異なった利率が適用されることになりますが、アメリカのローン契約上、その利率を決める指標となる数値としてはBase Rate, Prime Rate, LIBORなどが主に使われているようです。ここでLSTAの用語の定義を確認しておきます。(以下、部分的に抜粋)
“Alternate Base Rate” means, for any day, a rate per annum equal to the greater of (a) the Prime Rate in effect on such day and (b) the Federal Funds Effective Rate in effect on such day plus ½ of 1%.
“Prime Rate” means the rate of interest per annum publicly announced from time-to-time by [Bank] as its prime rate in effect at its office at [place].
“LIBOR” means, with respect to any LIBOR Loan for any Interest Period, the rate appearing on Reuters Page LIBOR01 at approximately 11:00 a.m., London time, two Business Days prior to the commencement of such Interest Period, as the rate for dollar deposits with a maturity comparable to such Interest Period.
もともと、Base RateとPrime Rateというのは銀行による呼び方の違いだけで、どちらも同じ意味だったそうです。これらは、各銀行が個別に設定するレートで、自分たちの “Best” Customer又は “Prime” Customerに対して短期間融資する際に使われるレートでした。つまり、銀行が融資の際に提示する最も低いレートという意味合いでした。
LIBORというのは、London Interbank Offered Rateの略で、ロンドンの銀行間取引市場で提示されるレートという意味です。銀行間で余剰資金を融通しあう市場が世界各地にあり、ロンドンはその中でも最も大きな市場ですが、そこで銀行間で取引されるレートをベースにするということです。最も実際に融資する際には、このLIBORに一定のスプレッドを乗せて融資をするということになります。
LSTAの記述によれば、もともとはBase Rateが最も優遇された金利という位置付けでしたが、LIBORマーケットの拡大に伴い、LIBORがこれらの利率を下回るケースが度々生じるようになり、銀行側としては、もはやこれが最も低いレートですよ、という触れ込みが出来なくなってしまい、今日では、単にその銀行が提示する融資の際の金利レートという位置づけになっているようです。
そういった背景もあり、こちらのローン契約では、金利の設定を借入人が選ぶことができるオプションというものが存在し、一部についてはLIBORを適用し残りについてはBase Rate を適用するといった金利設定がなされることもあるようです。また、契約の途中でLIBORとBase RateをSwitchingするオプション(Conversionと呼ぶそうです。)が付されるケースもあるとのことで、歴史的な経緯を知るとこういった金利方式が取られている理由が分かって興味深いです。
さて、日本の場合ですが、シンジケートローンではやはり変動金利がほとんどで、その際に使用される指標としては、通常TIBOR、たまにPrime Rateという感じでしょうか。(Multicurrencyの場合はLIBORを使います。)。TIBORについてはこちらで毎日公表されていますし、Prime Rateについては、日銀のページから確認できます。
これを見ると、日本においてもTIBORの方がPrime Rateよりも随分低いです。例えば、現在の短期Prime Rate(短プラ)の最頻値は年利1.475%ですが、日本円TIBORの1年物だと年利0.68455%です。TIBORをベースにすると、スプレッドを0.5%乗せてもまだ短プラよりも低い数値ということになります。TIBORをベースにした融資が一般化しつつある現在の状況を考えると、優良企業に対しては、短プラよりも低い金利での融資というのは広く行われているということになるんでしょうね。特にシンジケートローンで融資する先というのは、大企業で信用力もあるところが多いので、TIBORベースで金利を定めて実質的には短プラよりも低い金利での融資を行うというのが実態なのかもしれません。
こうなってくると、短プラの意味って一体何なんだろうというという感じがします。最優遇金利などと言われますが、日本においてももはやこの意味は失っていて、実際には信用力の高い大企業には、TIBORベース、信用力の低い中小企業に対して短プラ+スプレッドの融資を行っているというのが実情なのではないかという気がします。
次回はLIBORについてもう少し詳しく書きます。