ロースクールの未来 | Life in the Lone Star State

ロースクールの未来

今日からまたレギュラーの更新に戻ります。

WSJからこの記事。

If BigLaw is Changed For Good, What Happens to Law School?


現在のアメリカのロースクールは大手ローファームと強く結びついているところが多く、大手ローファームの様々な形での金銭的なサポートがなくなると、現在のロースクールのビジネスモデルは維持できないのではないかという記事です。

アメリカのロースクールは、学生が払う学費に加えて、様々な組織・団体からの寄付に基づいて運営されています。(学生にも卒業に際してに寄付の依頼がきましたし、卒業後も定期的にくるようです。)なかでも大手ローファームは、最も多額の寄付をしてくれる組織の一つのようです。多額の寄付をすることで、ローファームとしてもロースクールとの関係を深め、より優秀な学生を取りたいという狙いがあるのでしょう。

また、大手ローファームの高額な報酬が、ロースクールの高額な学費を支えている側面もあるようです。アメリカのロースクールの学生の多くは多額の借金を抱えてロースクールを卒業しますので、高額な報酬で大量採用してくれる大手のローファームは学生にとってもロースクールにとっても有り難い存在のようで、大手ローファームの存在がなければ、ロースクールとしても現在の水準の学費を維持するのは難しいのではないかとこの記事では述べられています。

大手ローファームの方針が転換されたらという仮定の話として書かれていますが、実際、昨今の不況の影響で、大手のローファームも台所事情が苦しくなっており、現状のような金銭面のサポートを継続することは難しくなっているということなのかもしれません。

自分自身、在学中に寄付を募られたときに、あなたが払っている学費だけではあなたがロースクールで受けているサービスの6,7割程度しかカバーされていない、みたいなことが書かれていて驚きましたが(ロースクールのLLM生の学費は、年間で4万ドル以上するにもかかわらずです。)、改めてアメリカのロースクールのコストの高さには驚かされます。

アメリカのロースクールに比べれば、日本のロースクールの学費は随分安いです。もちろん日本もロースクールの導入により旧試験制度よりは法曹になるために要する費用は増加しているでしょうし、新司法試験の合格率の低さを考えると、多様な人材を法曹に流入させるという理念の実現のためにはあまり学費を上げるわけにもいかないでしょう。

アメリカと同じような方向には進まないと思いますが、日本のロースクールが今後どのように運営されていくのか、興味深いところです。まあ、本来的には、質の高い教育を受けるにはそれなりのコスト負担は必要なわけで、学費は高いけど教育の質が高くサービスも手厚いロースクールや学費は安いけど教育の質やサービスはそこそこのロースクールなど、もっと多様化してもいいのではないかと個人的には思っています。