失敗の本質 日本軍の組織論的研究
10点 戸部 良一現代の企業の多くは日本軍の長所短所を受け継いでいる。そもそも軍隊とは合理的階層的官僚性組織のもっとも代表的なもの合理性効率性を追求した官僚制組織日本軍の組織的特性はおおむね現代の企業組織に継承された。平時においては有効に機能した。不安定で流動的な状況では欠陥を露呈した。日本軍の組織原理を無批判に継承した企業においては平時には有効であっても危機的状況に面した時に組織的欠陥を露呈する可能性が高い。失敗の本質・あいまいな戦略目的・短期決戦志向・主観的な戦略、空気の支配 戦艦大和の出撃 誰もが成功の目がないと思いながら出撃命令は止まらなかった・進化のない戦略オプション 成功体験に固執・人的ネットワーク偏重の組織構造 官僚制なのに人的ネットワークが重視される 海軍は年功序列 革新的な進化は生まれなかった画一的な教育は効率よく将兵を生み出したが危機的状況での独自判断には有効に機能しない。日露では属人的部分で勝利した戦局が多数あり、それを是とする教育がなされた。組織文化になった。学習棄却 自己否定ができない組織だった。不安定な組織では常に議論が起こり組織は活性化する。平時安定した組織ではダイナミズムは起きない。日本軍は安定的であり施策せず、読書せず、上位者は批判を受ける機会もなく、権威の偶像となって保護された。均衡破壊がカギになる。裁量権の拡大。ボトムアップによる革新。上位者しか変革できない組織。経験を蓄積しない組織。オープンな議論。1教育システム2ボトムアップのイノベーション3統合システムが欠けていた今までは無原則性がたまたまうまくいった。今後は長期戦略が必要戦後成長したのは年功序列の高齢者がいなくなり若手抜擢によるダイナミズムが生まれたから。率先垂範一致団結は日本軍の組織文化。米軍は指揮官交代システム。同じ現場でもチームを変えた。1年間で休暇を与えた。日本軍は陸海と統合する手段がなかったが米軍は大統領直轄の統合本部が有効に機能した。・学習を軽視した組織 失敗した司令官は罷免し、失敗の経験を継承しなかった。 米の昇進システムはまず人事局が候補者を選定し、 委員会で投票を行う。一定数以上の得票者を議論し選出する。 ダイナミズムをうみだした。日本軍は陸大出身者の多くが参謀となり、人的関係が大事にされた。信賞必罰の組織ではなく、失敗に対しては挽回のチャンスが与えられた。ソフトバンク風土として勇ましいい掛け声が好まれ、前向きな失敗はむしろ好まれた。米軍は昇格に対してシステマテイックに評価を行ったため、選ばれた候補者は自信を持つことができた。昇格を果たせなかった候補者も次回への奮起する材料となった。組織が活性化された。日本軍は過去の成功に学び、時流に合った戦略を描けなかった。官僚主義は平時には安定した組織として有用であったが予想が困難な戦場ではうまく機能しなかった。