「あくび」と言っても、眠い時に出るあくびじゃありません。
私が大学生時代に拾って飼っていた猫の名前です。
ハクション大魔王の「あくび娘」から名づけました。
 
この頃ブログの記事で猫の話題を見る事があり、
無性に懐かしくて古いアルバムを引っ張り出してきました。
その中にちょうど27年前の「あくび」との写真がありました。
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あくびを拾った日の事は今でもよく覚えています。
1983年の初冬の事でした。
私の下宿の部屋にはもう炬燵が出してありました。
 
あくびは下宿の自転車置き場に捨てられていました。
小さい体でニャーニャーと大きな声で鳴いていました。
 
当時から私の母親は猫が大好きで、実家では猫を5~6匹飼っていました。
そんな環境で育った私も猫は好きでした。
ただ下宿で動物を飼う事は禁止されていた事もあり、
その時は逃げるように部屋に帰りました。
 
しばらくさんざん悩んだあげく、部屋にあったシーチキンの缶詰を開け、
古いトレーナーを1枚持って自転車置き場に行くと、まだちび猫はふるえて鳴いていました。
皿に盛ったシーチキンを鼻先に持っていくと、ちび猫はむさぼるように食べだしました。
 
その食べる様子を見ながら、私はトレーナーを猫の横に敷いてやりました。
すると食べ終わったちび猫はそのトレーナーの上にうずくまり、
もう鳴く事もせずに静かに目を閉じようとしたんです。
それを見たとたん、「あっ、だめだ!!」と感じました。
別にちび猫の命が危ないとかじゃなく、
私の心の中の「がまんの糸」がプツンと切れるのがわかったんです。
 
食べ終わって、ニャーニャーとまとわりつかれたら、
「ごめんな。飼ってあげられないんだ。良い人に拾ってもらいな」と言って、
部屋に逃げ帰ってしまったかもしれません。
古いトレーナーを持っていったのもそのつもりだったからです。
 
でもこのちび猫は捨てられた自分の運命を恨むでもなく納得して、
ちょっとの満腹と寒さをしのぐトレーナー1枚に満足さえしているように見えたんです。
すごく健気に見えたんです。
 
これを書いている今の自分でもその時の感情をうまく表現できません。
ただ単にお腹がいっぱいになって、疲れて眠くなっちゃっただけだったんでしょう。
でもね、とにかく急に放っておけなくなっちやったんです。
 
ちび猫を抱きあげ、部屋に連れ帰り、風呂場で洗って放してやると、
ちびは一目散に炬燵に向かって走って行ってもぐりこみました。
「あっ、こいつどこかで飼われていたんだ!!」
とその時わかりました。
雌猫で元気もよさそうなので、「あくび」と名前を付けました。
 
炬燵のなかで毛づくろいをしているあくびを部屋に残し、
ホームセンターにキャットフードや食器、トイレ用品などを買いに行きました。
「猫との暮らしがはじまるんだ!!」と胸がざわざわ、わくわくしたのを覚えています。
らびが我が家に来た時とまったく同じざわざわ感でした。
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私の大学卒業と共に一緒に長野に帰ってきた「あくび」は、
他の猫たちと共に幸せに長寿を全うしました。
可愛いにゃんこでした。
 
なんとなくらびに似ていませんか?
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