前回は、江戸の呉服屋さんの「大福帳」の話をしました。


今日も引き続き、江戸時代の顧客データベースである「懸場帳」についてお伝えしたいと思います。


「懸場帳」は富山の薬売りの人たちの顧客名簿です。


交通が発達していない江戸時代は、お客様のところへ行くことは大変なことでした。


また、一人で持って行ける薬の量にも限界があります。


したがって、来訪の時にできるだけ無駄のない取引をしなければなりません。


そこで、「懸場帳」にお客様の氏名、年齢、家族構成、病歴、置き薬の種類、使用量、集金金額と日付などを記入しました。


こうすることによって、訪問前にお客様の置き薬の状態や需要がわかります。


そして、無駄な在庫や薬の回収を最小限おさえることができました。


また、そのことはお客様の要望に適格に答えることにもなったため、さらに多くの信頼のを得ることができたようです。


この「懸場帳」があれば、本人でなくても薬を売ることができます。


よって、後継者がいない場合などは、現在の金額にして1千万から2千万で取引されたそうです。


このように「懸場帳」は富山の薬売りの人たちに大切にされてきました。


しかし、「懸場帳」は現在のリストマーケティングのような、お客様にアプローチするための単なるリストとは違いました。


それは、その主たる目的が、需要はお客様の方にあって、お客様のためにその需要を引き継いでいくことだったからです。


このように、お客様の需要に答える仕組みをしっかりと築き上げたことが、富山の薬売りのビジネスが現在まで続いてきた理由だと思います。


やはり、ビジネスで継続的に安定した売り上げを上げるためもっとも重要なものは、顧客リストであることは江戸時代から変わらないようです!


本日も最後までお読みいただきありがとうございました。