シマエナガ 「小清水の野鳥」より
以前もブログで書きましたが、
小清水町教育委員会発行の
「小清水の野鳥」
に執筆したことがあります。
この中から
シマエナガ~雪の粉のような鳥
を引用します。
冬の森の中に一人たたずむ。そこはまったく音のない世界である。時折、カサカサと枝に積もった雪が静かに落ちる音や、バッキと、寒さのためか、木が割れる音がする以外は。そんな静寂の中で、どこからともなくジュリ、ジュリと鈴の音のような声が聞こえてきた。それは、目の前の小枝に、まるで雪の粉のようにぶら下がっているエナガであった。
双眼鏡でそのかわいい姿に見とれていると、ふと、あたり一面からその鈴の音が響きわったてくるのに気がついた。私はいつのまにかその雪の粉達に取り囲まれていたのだ。目の前の枝から枝へ飛び交うエナガの姿は、風に吹かれて舞う雪のようだ。こうしてエナガの群れの中にいると、何か自然と一体になり、その中に解けてゆくような気がした。
雪原の中を飛び交う野鳥は、一年中で一番美しく輝いて見える気がします