ビストロヒマワリの
後藤 聖名(ごとう みな)です。
先日、近頃ネット上でも騒がれている
食糧危機についてどう思われますか？
と聞かれて、
その事について色々考えていたら
日頃から感じていた思いに改めて
沢山気付いたので
ブログに書く事にしました。
◯◯が危険！とか陰謀論
とか そういう類の話って
皆んなが飛びついて、広がりやすいですよね。
世の中、素敵なニュースだって沢山あるはずなのに 毎日、いつTVを見ても
大変！とか危機的状況！とか
不安になるニュースばかりです。
自分自身もそうなんですが
実際には まだ全く大変でない時でも
大変！と思ってしまうと
本当に大変な状況になってしまいます。
自分自身を後から振り返っても、
あの時、私は「大変！」をわざわざ選んで、演じていたのかも。
と思うような事はよくあります。
この、コロナ渦でも 実際に
スーパーの棚からホットケーキミックスやら粉類が消えたり、トイレットペーパーや消毒液が消えたりしましたが そんな事はこれからも無いとは言えません。
私自身、今回の一連の出来事は
一見すると 大変で、辛い事や悲しい事ばかりに見えますが けっして突然降ってきた災いではないと感じています。
勿論、辛く、悲しく、大変な思いをされた方は沢山いらっしゃると思うのですが
それだからこそ、なおさら
今は、これから来る時代のために
色々な事を見直さなければいけない重要な時期なんだと感じています。
一見災いに見えるような事が起きている時こそ
何かを見直さなければいけない時で、
それを無視していると 私達が気付いて行動に移すまで 何回も災いと思えるようなことが起きてくるかも知れません。
これは人間の病気も同じですね。
輸出規制、労働者不足、不況…etc.
その他にも色々な事が、現に今起きていて、さらに天候不順で野菜も軒並み高騰しています。
でも だからと言って 食糧不足になるかも知れないから買いだめしようとか 備蓄しなきゃという風には思いません。
それより先に すべき事があると思えるからです。
これをきっかけにして
例えば 家庭菜園を始める人が増えたとしたら それは素敵な事ですね。
多くの人々が それまでほとんど触れた事がない土に触れたり、新鮮な野菜の素晴らしさを感じるきっかけになるのじゃないかなと思います。
そして 今まで特に考えたことがなかった農家の方々の苦労が垣間見えたりして
今までよりも 食べ物への感謝の気持ちが改めて生まれるかもしれないとも思います。
たとえ家庭菜園を始めなくても、
今までは当たり前にあった
食糧の有り難みを見直す時なのかも知れません。
食べ物＝商品 ではなくて
生きもので、その大事な命を頂いている。
という事を思い出す時かも知れません。
日本は食糧自給率が低いのにもかかわらず
食品の廃棄率やロスが物凄く多い国です。
当店でも コロナの影響でお弁当を作るようになりましたが 受注生産です。
店内でのお料理も お客様からのオーダーがあってから作り始めます。
出来立ての、一番美味しい状態のお料理を
召し上がって頂きたいからです。
売り上げをドンドン伸ばしたければ
作り置きをして お客様の回転率を上げれば良いですね。
お弁当だって 買いに来て下さっても
今から作るので30分くらいかかります。
となれば、じゃあ今日は結構です。
となってしまう方でも、作り置きしてあれば
お待たせしないので 買って下さるでしょう。
お客様にとっては便利で 売り上げも上がるかも知れませんが このやり方だと どうしても
売れ残ったものは廃棄することになってしまいます。
一生懸命に作ったお料理は
たとえパン1個でも 捨てる時は胸が痛みます。
本来、食べ物を捨てるのは 誰でも心が痛むはずなのに コンビニとかスーパーのお弁当は
毎日沢山、捨てられています。
毎日沢山捨てていると そのうち感覚がマヒしてきて なんとも思わなくなるから恐ろしいです。
食べ物が出来上がるまでに、沢山の人の手がかかっている事をいつも意識出来るように、
その感覚を皆が取り戻さないといけないと思います。
コンビニやスーパーのお弁当が便利に買える
その裏側には こういう犠牲がある事も知らなければいけませんね。
それから
私は食べ物に携わる仕事柄、なのかも知れませんが常々こんな事をよく思っています。
例えば 1個100円のパンがあるとします。
そのパンと 100円玉を比べたとしたら
圧倒的にパンの方が価値があると感じるんです。
丁寧に手作りされたパンなら勿論のこと、
例え それが大量生産されたものであってもです。
沢山の人の手を通して 自分のところにたどり着いて それを食べることで 喜びが得られて
さらに 私の体の一部になるんですよ！
お金には換えられませんよね。
お金はいくらあっても お金だけでは喜びは得られませんし、私の一部にもなり得ませんもの。
だからこそ 食べる時に喜びと感謝が生まれます。
私達は 自分が選択した現実を生きているのです。
例えば同じ家で、同じ環境、同じ経済状態の中で暮している家族でさえも
それぞれが選択した異なる世界を生きているというのです。
今あるものに感謝して 今日もご飯が食べられて幸せだなあ。と感じられる人は幸せです。
一方で 他人と自分を比較して
足りないものを数えたり、人より出来ない自分を責めたり、誰かを責めたり、不安や恐怖の材料を見つけ出して心配ばかりしていたら
同じ世界にいるように見えても その人は別の世界を体験しているのです。
だからもし、食糧危機だ！大変だー！という世界を選択してしまったら
本当に大変な世界を体験する事になるでしょう。
コロナをきっかけにして
「大変！大変！」ではなくて
「当たり前」の中に埋もれて、忘れかけていた
日常への感謝や喜びや愛を再発見できて
しあわせな人が増える事を祈っています。
そして 私もまた明日から
沢山の方々にお料理を通して沢山の愛を送りたいと思います！
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